「やるか、もっとやるか」のメンタリティで駒沢に轟かせた勝利の「葛飾ラプソディー」!修徳は堀越に「4度目の正直」でPK戦勝利を収めて13年ぶりの全国切符まであと1勝!
[6.7 インターハイ東京都予選準々決勝 堀越高 0-0 PK3-5 修徳高 駒沢補助競技場]
ここ2年の全国出場が懸かった大会では、ことごとく目の前に立ちはだかられてきた因縁の難敵。3度負けてきた相手に、4度目の歓喜をもたらすつもりは毛頭ない。オレたちならやれると、オレたちにしかできないと信じて、堂々と勝負のピッチに立つ。
「自分もここまで堀越には3連敗していて、『自分の代で絶対勝ちたいな』と思っていたので、今日勝てたことは嬉しいですけど、あと1個勝って全国大会に繋げたいので、切り替えて次に準備したいと思っています」(修徳高・澤田琉偉)
PK戦までもつれ込む激闘を制して、全国出場まであと1勝!令和7年度全国高校総体(インターハイ)東京都予選準々決勝が7日、駒沢補助競技場で開催され、昨年度の高校選手権で全国8強入りした堀越高と13年ぶりの全国を目指す修徳高が激突した一戦は、スコアレスで迎えたPK戦を修徳が5-3で制し、次のラウンドへと勝ち上がった。14日の準決勝では國學院久我山高と対戦する。
「毎回堀越とは難しい戦いになるんですけど、今までのリベンジというよりは、今年はこの代の戦いだったので、子どもたちは行けるという気持ちで戦っていたと思います」と土屋慶太監督が話したように、堀越、修徳の両チームはここ2年のインターハイ予選と高校選手権予選でことごとく対戦してきた。
一昨年度の高校選手権予選では決勝で対峙し、PK戦の末に勝利した堀越は、そのまま全国4強まで駆け上がり、国立競技場でのプレーを経験する。昨年度はまずインターハイ予選一次トーナメント決勝でぶつかり、再び堀越がPK戦を制する結果に。高校選手権予選の準々決勝でも堀越が3-0で快勝を収め、やはり全国切符を手繰り寄せる。
そのすべての試合を間近で見てきた、修徳のキャプテンを務めるMF澤田琉偉(3年)は「堀越に対する想いは自分が一番強いですし、そこに絶対勝って全国に行きたいと思っているので、来週1週間しっかり準備していきたいと思っています」と2回戦終了後に語っている。とりわけ修徳にしてみれば、『4度目の正直』を懸けた今回の試合に並々ならぬ想いを持って臨んだという前提は語り落とせない。
前半はお互いがやや探り合うような時間が続く中で、先に決定機を掴んだのは堀越。キャプテンのFW三鴨奏太(3年)を起点に、FW田中豪(3年)のパスから抜け出したFW高橋李来(3年)がフィニッシュ。ここは修徳GK廣田大和(2年)がファインセーブで応酬するも、前線のコンビネーションで惜しいシーンを作り出すと、以降も右のDF杉村充樹(3年)、左のDF笠間遼世(1年)と両サイドバックも使いながら、幅を取ったアタックでさらなるチャンスを窺う。


一方の修徳は「もっとビルドアップをやりたかったですけど、ちょっと蹴るところが増えちゃいましたね」とセンターバックのDF久保陽大(3年)は語ったものの、30分にはFW舘美駿(2年)が左からドリブルで運んで、丁寧なスルーパス。FW高橋虎太郎(2年)のシュートは枠の上へ外れたが、こちらは前線の高橋、FW新翔友(3年)、舘美の3枚をシンプルに生かしつつ、打ち出した前への迫力。前半はスコアレスのままで40分間が経過した。
後半はやや修徳に傾いたゲームリズム。6分にはMF袖山斗也(2年)が蹴り入れた右FKを新と久保が粘って残し、高橋のフィニッシュはわずかにクロスバーの上へ。クーリングブレイク明けには「流れ的にも『こっちが決めれば勝つ』という試合だったと思います」という土屋監督も一気に3枚代えを敢行し、よりアクセルを踏み込むと、24分にもDF上原頼我(2年)の左CKから、新のシュートはゴール左へ外れるも、先制への意欲を高めていく。
なかなかテンポを上げ切れない堀越も、ボランチに入ったMF小川稜太(2年)とMF小森冴樹(2年)がボールに関与した時は、サイド攻略への芽も出てくる中で、31分にビッグチャンス。左サイドを駆け上がった笠間がクロスを上げ切り、逆サイドで収めた杉村が打ち切ったシュートは、しかしわずかに枠の上へ。先制点には至らない。
35分は修徳。左サイドからDF武居凛太郎(2年)が得意のハンドスプリングスローを敢行し、DF秋元大耀(3年)がわずかにさわったボールはゴールネットへ到達するも、武居の足がラインを越えていたというファウルスローの判定でノーゴールとなったが、どよめくスタンド。試合は80分を終了しても決着つかず。前後半10分ずつの延長戦へと突入する。


延長後半はどちらにも決定的なシーンが訪れた。3分は堀越。FW吉田大海(3年)が右へ流し、MF佐藤蒼太(3年)の折り返しから、MF濱岡大世(2年)が下がりながら放ったシュートはわずかにゴール右へ。9分は修徳。舘美が右サイドへスルーパスを通し、駆け上がった上原のシュートは右サイドネットの外側にグサリ。100分間を終えても、双方に得点は生まれず。準決勝への進出権はPK戦で争われることになる。
過去2年で、2度も堀越にPK戦で敗れている修徳だったが、久保が「雰囲気はもう明るかったです。『今までずっとPKで負けてきたから、今回は勝とうぜ』みたいな感じで、みんなでいろいろ話し合いながら、普通にリラックスしていたと思います」と振り返ったように、ポジティブな空気感の中で11メートルの決戦に向かっていく。
先攻の修徳、後攻の堀越、どちらも確実にPKを成功させていく。3人目までは全員がゴールネットを揺らし、迎えた4人目。修徳はここもきっちり沈めたものの、堀越のキックは左のポストに弾かれてしまう。
決めれば勝利となる修徳5人目は久保。「僕は『1番で蹴りたいです』って言ってたのに、5番になっちゃったんですけど(笑)、自分の前の相手の人が外したので『ああ、これは勝ったな』と思って、メチャクチャ気楽に蹴れました」。右上に蹴り込んだキックは、飛び付いたGKもわずかに及ばず、ゴールネットへ吸い込まれる。
「内容的にも決め切るところ以外は良かったと思いますし、最後はPK戦で勝ち切ることができたので、しっかりゴールを決め切るという課題も残しつつ、次もしっかり戦えればと思います」と土屋監督も手応えを口にした修徳が、『4度目の正直』で堀越を撃破。久々の全国切符を獲得するまで、あと1勝に迫る結果となった。






「『もう気持ちいい!』。その一言です。勝った時は喜びがすぐに出てこなくて、ひたすら叫んでいたんですけど、みんなで『葛飾ラプソディー』を歌った時に、バーッと嬉しい感情が出てきました。僕も今まではずっとあっちでラプソディーを歌っていたんですけど、『こっちで歌うのも気持ちいいな』と思いました」。
そう笑顔で語る久保を含めて、今年の修徳はとにかく元気がいい印象だ。前述したように、勝負のPK戦へと向かう彼らは実に明るく、目の前の状況を楽しんでいるような雰囲気が印象的だった。
土屋監督はPKキッカーの順番について、こんなことを明かしてくれた。「練習の時は外しまくっているなと思っていたんですけど(笑)、『思い切ってやってこい』と。実は昨日も『PKの順番は決めてないから。明日の当日に決める』と言っていました、『その時のコンディションとか自分の気持ちで、正直に蹴りたいヤツが蹴れ』と。なので、今日も全員に聞いて、順番は自分が決めたんですけど、もう蹴りたいヤツが蹴りました」。
つまりは5人の『蹴りたいヤツ』が全員PKを成功させたということ。そんな積極性もこの日の結果を手繰り寄せた、小さくない要因かもしれない。
次の準決勝は2012年以来となる、夏の全国出場を懸けた重要な一戦。ただ、選手たちに必要以上の気負いは見られない。「もう1週間しかないので、みんなで対策できるところは対策して、できる準備はちゃんとして、あとはやるだけです。いつもみんなで『やるか、もっとやるか』だと言っているので、大事なのはそれですね」(久保)
東京代表を巡るゲームでも、自分たちのやるべきことは変わらない。極めてアグレッシブなチームが携えるのは、『やるか、もっとやるか』という強気なメンタル。13年ぶりの復権へ。修徳はいつも通りを貫いて、1週間後も歓喜の『葛飾ラプソディー』をみんなで会場へ轟かせる。


(取材・文 土屋雅史)
●全国高校総体2025特集
ここ2年の全国出場が懸かった大会では、ことごとく目の前に立ちはだかられてきた因縁の難敵。3度負けてきた相手に、4度目の歓喜をもたらすつもりは毛頭ない。オレたちならやれると、オレたちにしかできないと信じて、堂々と勝負のピッチに立つ。
「自分もここまで堀越には3連敗していて、『自分の代で絶対勝ちたいな』と思っていたので、今日勝てたことは嬉しいですけど、あと1個勝って全国大会に繋げたいので、切り替えて次に準備したいと思っています」(修徳高・澤田琉偉)
PK戦までもつれ込む激闘を制して、全国出場まであと1勝!令和7年度全国高校総体(インターハイ)東京都予選準々決勝が7日、駒沢補助競技場で開催され、昨年度の高校選手権で全国8強入りした堀越高と13年ぶりの全国を目指す修徳高が激突した一戦は、スコアレスで迎えたPK戦を修徳が5-3で制し、次のラウンドへと勝ち上がった。14日の準決勝では國學院久我山高と対戦する。
「毎回堀越とは難しい戦いになるんですけど、今までのリベンジというよりは、今年はこの代の戦いだったので、子どもたちは行けるという気持ちで戦っていたと思います」と土屋慶太監督が話したように、堀越、修徳の両チームはここ2年のインターハイ予選と高校選手権予選でことごとく対戦してきた。
一昨年度の高校選手権予選では決勝で対峙し、PK戦の末に勝利した堀越は、そのまま全国4強まで駆け上がり、国立競技場でのプレーを経験する。昨年度はまずインターハイ予選一次トーナメント決勝でぶつかり、再び堀越がPK戦を制する結果に。高校選手権予選の準々決勝でも堀越が3-0で快勝を収め、やはり全国切符を手繰り寄せる。
そのすべての試合を間近で見てきた、修徳のキャプテンを務めるMF澤田琉偉(3年)は「堀越に対する想いは自分が一番強いですし、そこに絶対勝って全国に行きたいと思っているので、来週1週間しっかり準備していきたいと思っています」と2回戦終了後に語っている。とりわけ修徳にしてみれば、『4度目の正直』を懸けた今回の試合に並々ならぬ想いを持って臨んだという前提は語り落とせない。
前半はお互いがやや探り合うような時間が続く中で、先に決定機を掴んだのは堀越。キャプテンのFW三鴨奏太(3年)を起点に、FW田中豪(3年)のパスから抜け出したFW高橋李来(3年)がフィニッシュ。ここは修徳GK廣田大和(2年)がファインセーブで応酬するも、前線のコンビネーションで惜しいシーンを作り出すと、以降も右のDF杉村充樹(3年)、左のDF笠間遼世(1年)と両サイドバックも使いながら、幅を取ったアタックでさらなるチャンスを窺う。


堀越の絶対的エース、FW三鴨奏太
一方の修徳は「もっとビルドアップをやりたかったですけど、ちょっと蹴るところが増えちゃいましたね」とセンターバックのDF久保陽大(3年)は語ったものの、30分にはFW舘美駿(2年)が左からドリブルで運んで、丁寧なスルーパス。FW高橋虎太郎(2年)のシュートは枠の上へ外れたが、こちらは前線の高橋、FW新翔友(3年)、舘美の3枚をシンプルに生かしつつ、打ち出した前への迫力。前半はスコアレスのままで40分間が経過した。
後半はやや修徳に傾いたゲームリズム。6分にはMF袖山斗也(2年)が蹴り入れた右FKを新と久保が粘って残し、高橋のフィニッシュはわずかにクロスバーの上へ。クーリングブレイク明けには「流れ的にも『こっちが決めれば勝つ』という試合だったと思います」という土屋監督も一気に3枚代えを敢行し、よりアクセルを踏み込むと、24分にもDF上原頼我(2年)の左CKから、新のシュートはゴール左へ外れるも、先制への意欲を高めていく。
なかなかテンポを上げ切れない堀越も、ボランチに入ったMF小川稜太(2年)とMF小森冴樹(2年)がボールに関与した時は、サイド攻略への芽も出てくる中で、31分にビッグチャンス。左サイドを駆け上がった笠間がクロスを上げ切り、逆サイドで収めた杉村が打ち切ったシュートは、しかしわずかに枠の上へ。先制点には至らない。
35分は修徳。左サイドからDF武居凛太郎(2年)が得意のハンドスプリングスローを敢行し、DF秋元大耀(3年)がわずかにさわったボールはゴールネットへ到達するも、武居の足がラインを越えていたというファウルスローの判定でノーゴールとなったが、どよめくスタンド。試合は80分を終了しても決着つかず。前後半10分ずつの延長戦へと突入する。


修徳を束ねるキャプテン、MF澤田琉偉
延長後半はどちらにも決定的なシーンが訪れた。3分は堀越。FW吉田大海(3年)が右へ流し、MF佐藤蒼太(3年)の折り返しから、MF濱岡大世(2年)が下がりながら放ったシュートはわずかにゴール右へ。9分は修徳。舘美が右サイドへスルーパスを通し、駆け上がった上原のシュートは右サイドネットの外側にグサリ。100分間を終えても、双方に得点は生まれず。準決勝への進出権はPK戦で争われることになる。
過去2年で、2度も堀越にPK戦で敗れている修徳だったが、久保が「雰囲気はもう明るかったです。『今までずっとPKで負けてきたから、今回は勝とうぜ』みたいな感じで、みんなでいろいろ話し合いながら、普通にリラックスしていたと思います」と振り返ったように、ポジティブな空気感の中で11メートルの決戦に向かっていく。
先攻の修徳、後攻の堀越、どちらも確実にPKを成功させていく。3人目までは全員がゴールネットを揺らし、迎えた4人目。修徳はここもきっちり沈めたものの、堀越のキックは左のポストに弾かれてしまう。
決めれば勝利となる修徳5人目は久保。「僕は『1番で蹴りたいです』って言ってたのに、5番になっちゃったんですけど(笑)、自分の前の相手の人が外したので『ああ、これは勝ったな』と思って、メチャクチャ気楽に蹴れました」。右上に蹴り込んだキックは、飛び付いたGKもわずかに及ばず、ゴールネットへ吸い込まれる。
「内容的にも決め切るところ以外は良かったと思いますし、最後はPK戦で勝ち切ることができたので、しっかりゴールを決め切るという課題も残しつつ、次もしっかり戦えればと思います」と土屋監督も手応えを口にした修徳が、『4度目の正直』で堀越を撃破。久々の全国切符を獲得するまで、あと1勝に迫る結果となった。






「『もう気持ちいい!』。その一言です。勝った時は喜びがすぐに出てこなくて、ひたすら叫んでいたんですけど、みんなで『葛飾ラプソディー』を歌った時に、バーッと嬉しい感情が出てきました。僕も今まではずっとあっちでラプソディーを歌っていたんですけど、『こっちで歌うのも気持ちいいな』と思いました」。
そう笑顔で語る久保を含めて、今年の修徳はとにかく元気がいい印象だ。前述したように、勝負のPK戦へと向かう彼らは実に明るく、目の前の状況を楽しんでいるような雰囲気が印象的だった。
土屋監督はPKキッカーの順番について、こんなことを明かしてくれた。「練習の時は外しまくっているなと思っていたんですけど(笑)、『思い切ってやってこい』と。実は昨日も『PKの順番は決めてないから。明日の当日に決める』と言っていました、『その時のコンディションとか自分の気持ちで、正直に蹴りたいヤツが蹴れ』と。なので、今日も全員に聞いて、順番は自分が決めたんですけど、もう蹴りたいヤツが蹴りました」。
つまりは5人の『蹴りたいヤツ』が全員PKを成功させたということ。そんな積極性もこの日の結果を手繰り寄せた、小さくない要因かもしれない。
次の準決勝は2012年以来となる、夏の全国出場を懸けた重要な一戦。ただ、選手たちに必要以上の気負いは見られない。「もう1週間しかないので、みんなで対策できるところは対策して、できる準備はちゃんとして、あとはやるだけです。いつもみんなで『やるか、もっとやるか』だと言っているので、大事なのはそれですね」(久保)
東京代表を巡るゲームでも、自分たちのやるべきことは変わらない。極めてアグレッシブなチームが携えるのは、『やるか、もっとやるか』という強気なメンタル。13年ぶりの復権へ。修徳はいつも通りを貫いて、1週間後も歓喜の『葛飾ラプソディー』をみんなで会場へ轟かせる。


(取材・文 土屋雅史)
●全国高校総体2025特集


