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[MOM5126]金沢学院大附FW家邉凛太朗(3年)_“壁を超えた”FWが決勝でも鮮烈な先制弾。3戦連発の活躍で石川制覇へ導く

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前半3分、金沢学院大附高FW家邉凛太朗(3年=Vervento京都FC出身)が右足で先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.9インターハイ石川県予選決勝 金沢学院大附高 3-2 星稜高 西部緑地公園陸上競技場]

 エースストライカーが、3戦連発。インターハイ予選で一つ“壁を超えた”。前半3分、金沢学院大附高FW家邉凛太朗(3年=Vervento京都FC出身)はロングボールのこぼれ球に反応し、相手DFと入れ替わる形でキープ。「もうあとはドリブルとか考えずに、シュートを打ち切るっていう意識で」右足を鋭く振り抜き、ゴール左隅に決めた。

「結構、(足の)振りが速いとは言われるんですけど、あんま分からないです」と微笑む。だが、1チャンスで見事に決めた一撃。このゴールは苦しい時期もシュート練習を重ねて来た成果を示すモノだった。

 家邉は昨年から攻撃の軸を担うストライカー。だが、今季は「ゴールの起点になるっていう気持ちでサッカーをしていて。だから、サイドに流れたりとかしていた」ことが影響し、プリンスリーグ北信越2部、インターハイ予選序盤戦と無得点が続いていた。

 得点から遠ざかったことで力んでしまった部分もあったか、シュートを打っても入らず、PKを外したことも。それでも、コーチ陣のアドバイスを受けて得点することに集中したことが、準々決勝からの3試合連続ゴールという結果に結びついた。

「コーチ陣にも『ペナ幅からなるべく出ないように』っていう指示を受けて、それを意識しながら自分でゴールを狙える位置、ポジション取りをしていたら、ボール来て、あとはもうシュートを打って決め切れたのが点に繋がったかなと思います」。自分がチームを勝たせないといけないという決意で臨んだ今大会。前を向いたらゴールへ、スペースがあればゴールへ、という姿勢でシュート数と、ゴール数を増やし、一つの壁を超えた。

 北一真監督もエースの活躍を称賛。「(得点できない時期も)練習はずっとしてたんで、それがほんとに結果に結びついた形になるのかなと。3試合連続で決めてくれたんで、やっぱエースの仕事をしてくれたなっていう感じです」と目を細めた。

 立ち上がりの先制点でチームを勢いづけた家邉はその後も前線で存在感のある動き。前線でボールを収め、裏抜けからシュートを撃ち込んだ。そして、2点差を追いつかれて迎えた後半22分には右サイドでMF平本侑士(3年)をサポート。そして、「自分もちょっと背高い方なんですけど、足元も自分はあると自信持っていて。ドリブルで剥がせるし、周りも見えてるっていうのが自分の武器だと思っています」というFWはボールを持つと、斜めのドリブルでDFを外す。

「相手抜いてシュートっていう形をイメージしたんですけど、思ったよりドリブルが流れてしまって」選択肢をラストパスに変更。そのこぼれ球をMF木村太一(2年)が左足ダイレクトで決め、決勝点となった。

 今年のチーム目標は全国3勝。そのためにはエースのゴールが不可欠だ。昨年度の選手権でチームは1勝を挙げているが、2試合ともに無得点。今回は自分が全国大会でゴールをこじ開けて金沢学院に白星をもたらす意気込みだ。

「この代になって初全国ってことで、全国経験している人数も少ないんですけど、その中で不器用なりにも自分たちのベストを出して3勝取れたらいいなと思いますし、その上で自分のゴールで勝たせたり、自分がアシストっていう形に結果残せれるようにしたいと思います」

 目標の選手は、FW福田師王(現ボルシアMG)。神村学園高(鹿児島)時代のプレーを選手権で見て憧れを持つようになった。「あの選手はテレビ越しで見ていて、多分、誰が見てもずば抜けてるなって思えるような選手だと思うんで、自分も、未経験の人からも『この人は強い』とか、そうやって思わせられるような選手になりたいです」。まずはインターハイ。味方を活かす動きも得意とする家邉は全国舞台で結果を残し続け、目標にされるようなストライカーになる。

立ち上がりにスコアを動かした


(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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