名門・帝京は代表決定戦でも先を見据えた積み上げ。好チーム・早実を4-0で下し、インハイ切符獲得!
[6.14 インターハイ東京都予選準決勝 帝京高 4-0 早稲田実高 AGFフィールド]
代表決定戦でも積み上げた帝京が、インターハイ出場権を獲得――。令和7年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技(福島)・東京都予選準決勝が14日に調布市のAGFフィールドで行われ、帝京高が4-0で早稲田実高に勝利。出場枠2の東京都代表の座の一つを勝ち取り、2大会連続35回目のインターハイ出場を決めた。
東京都勢で唯一プリンスリーグ関東1部に所属する帝京は、前回のインターハイ、選手権に続き、3季連続の全国大会出場を懸けた戦い。今大会初戦(2次トーナメント準々決勝)で多摩大目黒高を3-0で下し、準決勝(代表決定戦)に臨んだ。この日の先発はGKが荒川喜道(2年)で、DFは右から小林爽人(3年)、中川慈司(3年)、高橋遼(3年)、谷津勇月(3年)の4バック、ダブルボランチが西島廉人(3年)と加賀屋翼主将(3年)で、トップ下が杉岡侑樹(3年)、そして右SH永野太一(3年)、左SH久保恵音(3年)、FW宮本周征(3年/U-17日本高校選抜)の11人だった。


一方の早稲田実は、1次トーナメントからの参戦で2次トーナメントでは関東一高、大成高、東海大高輪台高と強豪校を3連破。インターハイ初出場に王手をかけていた。この日の先発はGKが山本士文(3年)でDFは堀蒼(3年)、小島凜久(2年)、前田竣汰(3年)の3バック。中盤の底の位置に高橋圭太(2年)が入り、右WB小野寺栄斗(3年)、左WB大庭翼(3年)、インサイドがゲーム主将の竹内太志(3年)と中澤駿斗(2年)、そして2トップに井手悠暉(3年)と霜田優真(3年)が構えた。


早稲田実が素晴らしい立ち上がり。出足良く相手にプレッシャーを掛け、帝京に持ち味のテクニックを出させない。そして、ボールを奪うと、速攻からセットプレーを獲得。8分には井手がPAへ抜け出し、決定的な右足シュートを放つ。
その後も井手の右クロスのこぼれに霜田が反応。大庭が自らのシュートのこぼれを拾い、右足を振り抜くシーンもあった。また、竹内がドリブル突破やスルーパスを狙ったほか、小野寺、大庭の両WBや中澤が前に出て相手を押し込み、エースFW霜田が繰り返しDF背後を突いて相手の脅威になっていた。


帝京はボールを正確に繋いで前進しようとするが、深くアプローチに来る相手に苦戦。緊張もあったか、普段ならば個々のテクニックやコンビネーションで剥がせるような局面でも、相手に引っかかってしまっていた。
そして、霜田を中心とした早稲田実の速攻を幾度も受ける形に。いつ早稲田実が先制してもおかしくないような展開だったが、帝京は果敢にオフサイドを取りに行って成功数を増やす。また、オフサイドを取り切れなくても、小林や谷津、西島が的確なカバーリング。中川と高橋がゴール前のボールをギリギリかき出すなど得点を許さない。


そして、帝京が先にスコアを動かす。前半23分、帝京はCB高橋が左足でロングフィード。アイコンタクトし、PAへスプリントした久保がファウルで止められ、PKを獲得した。自らキッカーを務めた久保は、右足で中央にフワリと決めて先制点。帝京は押し込まれてもバタバタせずに戦い、1つのチャンスをゴールに結びつけた。




帝京は先制直後にも杉岡が右サイドから右足シュート。これは早稲田実GK山本に弾き出されたが、帝京は加賀屋の展開力や宮本周のスピード、推進力を活かしてPAまでボールを運ぶ。だが、早稲田実は先制された後も鋭い出足と強度の高い守備を継続。小島や高橋が相手の起点を潰していたほか、堀や前田もほとんど隙を見せずに守り続ける。


35分、早稲田実は相手DFのミスを突く形で霜田が左中間から抜け出す。だが、左足シュートは、この日鋭い反応を見せていた帝京GK荒川がビッグセーブ。帝京は思うような内容の戦いではなかったものの、藤倉寛監督は「今日はなんか勝てばいいんだみたいな空気も途中もなかったし、インターハイに行けりゃいいんだみたいな、そういう空気じゃなかったのは良かったなって思います」と語る。
代表決定戦で内容よりも結果を求めたくなりそうなものだが、中川は「ここで終わりじゃないんで。積み上げて行かなきゃいけないんで。プリンス(リーグ)もそうじゃなきゃ、勝ち点は積み上がらない」。帝京はプリンスリーグ関東1部でなかなか結果を残せなかった時期もチーム全体で積み上げることを続け、それによって今、成果が出始めている。今大会も目先の1勝、目先の全国大会出場にブレてしまうのではなく、しっかりとこの試合でも自分たちの力を積み上げることを選手同士で確認して攻守にチャレンジ。その声が自発的に出て、ブレない戦いをしたことを指揮官も評価していた。
早稲田実は後半開始から井手に代え、怪我で限定出場のMF野川一聡主将(3年)をアンカーに投入。高橋をインサイド、竹内を前線に押し出して反撃の色を濃くする。4分にはその野川が強烈な右足ボレーを放ち、ピッチの空気感を変えていた。
だが、帝京は10番が再びビッグプレー。9分、杉岡の奪い返しから、久保が左でボールを持つ。すると、中へのドリブルから右足を一閃。これがDFをかすめてゴール右隅に決まり、2-0となった。




早稲田実は11分に小野寺をFW篠田一(2年)へ交代し、19分には高橋をMF小林凌空(1年)と入れ替えた。押し返そうとするが、前半のようにチャンスを増やすことができない。一方の帝京は右の永野がボールを収め、SB小林や宮本周がスペースを突くなど攻め続ける。そして、23分には左サイドの谷津らがグループでの崩しにチャレンジ。相手の速攻を西島が頭で跳ね返すと、このボールがそのまま相手PAに転がる。そして、宮本周が相手と競りながら右足を振り抜き、3-0とした。




早稲田実は直後に竹内が左サイドを抜け出し、霜田がクロス。ファーへ流れたボールを小林が折り返し、篠田が決定機を迎える。だが、シュートは帝京GK荒川がストップ。その帝京は25分に杉岡をFW高橋佳汰(3年)へ、32分には中川、谷津、西島をCB住野空来(2年)、左SB田中菱(3年)、MF原田誉裕(2年)へ入れ替えた。
36分、帝京は右から宮本周、田中と繋ぎ、最後は左の久保が縦に仕掛けて左足シュート。これは早稲田実GK山本が手に当ててポストを弾く。この後、早稲田実は大庭をMF居相虎之介(2年)と交代し、帝京も永野をMF宮本理央(3年)と交代する。迎えた40+4分、帝京は原田を起点としたカウンターから右の住野が粘ってラストパス。これを加賀屋が左足で決め、4-0で試合を終えた。




帝京は選手権開幕戦で決勝点を決めた宮本周や加賀屋が昨年から公式戦を経験しているが、中川や谷津、西島といったセカンドチームで「(去年、)技術を鍛えて、サッカー脳、係わり方を学んできてる子たち」(藤倉監督)という選手たちの存在も大きい。彼らが欠かせない存在になってチームを支え、勝つことで自信をまた身に着けてきている。
中川は「(帝京は)調子、上がってきていると思います。(インターハイでは)勝ち上がって10個目の星を付けれるように。自分たちのサッカーでどれくらい行けるのかなっていうのは楽しみです」と語った。帝京は選手権優勝6度、インターハイ優勝3度の名門校。10度目の日本一へ向け、今後もブレずに力を積み上げていく。
(取材・文 吉田太郎)
●全国高校総体2025特集
代表決定戦でも積み上げた帝京が、インターハイ出場権を獲得――。令和7年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技(福島)・東京都予選準決勝が14日に調布市のAGFフィールドで行われ、帝京高が4-0で早稲田実高に勝利。出場枠2の東京都代表の座の一つを勝ち取り、2大会連続35回目のインターハイ出場を決めた。
東京都勢で唯一プリンスリーグ関東1部に所属する帝京は、前回のインターハイ、選手権に続き、3季連続の全国大会出場を懸けた戦い。今大会初戦(2次トーナメント準々決勝)で多摩大目黒高を3-0で下し、準決勝(代表決定戦)に臨んだ。この日の先発はGKが荒川喜道(2年)で、DFは右から小林爽人(3年)、中川慈司(3年)、高橋遼(3年)、谷津勇月(3年)の4バック、ダブルボランチが西島廉人(3年)と加賀屋翼主将(3年)で、トップ下が杉岡侑樹(3年)、そして右SH永野太一(3年)、左SH久保恵音(3年)、FW宮本周征(3年/U-17日本高校選抜)の11人だった。


名門・帝京は2年連続のインターハイ出場を目指した
一方の早稲田実は、1次トーナメントからの参戦で2次トーナメントでは関東一高、大成高、東海大高輪台高と強豪校を3連破。インターハイ初出場に王手をかけていた。この日の先発はGKが山本士文(3年)でDFは堀蒼(3年)、小島凜久(2年)、前田竣汰(3年)の3バック。中盤の底の位置に高橋圭太(2年)が入り、右WB小野寺栄斗(3年)、左WB大庭翼(3年)、インサイドがゲーム主将の竹内太志(3年)と中澤駿斗(2年)、そして2トップに井手悠暉(3年)と霜田優真(3年)が構えた。


早稲田実は強敵を連破し、インターハイ初出場に王手
早稲田実が素晴らしい立ち上がり。出足良く相手にプレッシャーを掛け、帝京に持ち味のテクニックを出させない。そして、ボールを奪うと、速攻からセットプレーを獲得。8分には井手がPAへ抜け出し、決定的な右足シュートを放つ。
その後も井手の右クロスのこぼれに霜田が反応。大庭が自らのシュートのこぼれを拾い、右足を振り抜くシーンもあった。また、竹内がドリブル突破やスルーパスを狙ったほか、小野寺、大庭の両WBや中澤が前に出て相手を押し込み、エースFW霜田が繰り返しDF背後を突いて相手の脅威になっていた。


鋭い動きで帝京の脅威になった早実FW霜田優真
帝京はボールを正確に繋いで前進しようとするが、深くアプローチに来る相手に苦戦。緊張もあったか、普段ならば個々のテクニックやコンビネーションで剥がせるような局面でも、相手に引っかかってしまっていた。
そして、霜田を中心とした早稲田実の速攻を幾度も受ける形に。いつ早稲田実が先制してもおかしくないような展開だったが、帝京は果敢にオフサイドを取りに行って成功数を増やす。また、オフサイドを取り切れなくても、小林や谷津、西島が的確なカバーリング。中川と高橋がゴール前のボールをギリギリかき出すなど得点を許さない。


帝京はCB中川慈司が焦らずにゴール前で対応
そして、帝京が先にスコアを動かす。前半23分、帝京はCB高橋が左足でロングフィード。アイコンタクトし、PAへスプリントした久保がファウルで止められ、PKを獲得した。自らキッカーを務めた久保は、右足で中央にフワリと決めて先制点。帝京は押し込まれてもバタバタせずに戦い、1つのチャンスをゴールに結びつけた。


前半23分、帝京MF久保恵音が自ら獲得したPKを決めて先制点


10番がスコアを動かした
帝京は先制直後にも杉岡が右サイドから右足シュート。これは早稲田実GK山本に弾き出されたが、帝京は加賀屋の展開力や宮本周のスピード、推進力を活かしてPAまでボールを運ぶ。だが、早稲田実は先制された後も鋭い出足と強度の高い守備を継続。小島や高橋が相手の起点を潰していたほか、堀や前田もほとんど隙を見せずに守り続ける。


早実のゲーム主将MF竹内太志は推進力のある動きで前へ
35分、早稲田実は相手DFのミスを突く形で霜田が左中間から抜け出す。だが、左足シュートは、この日鋭い反応を見せていた帝京GK荒川がビッグセーブ。帝京は思うような内容の戦いではなかったものの、藤倉寛監督は「今日はなんか勝てばいいんだみたいな空気も途中もなかったし、インターハイに行けりゃいいんだみたいな、そういう空気じゃなかったのは良かったなって思います」と語る。
代表決定戦で内容よりも結果を求めたくなりそうなものだが、中川は「ここで終わりじゃないんで。積み上げて行かなきゃいけないんで。プリンス(リーグ)もそうじゃなきゃ、勝ち点は積み上がらない」。帝京はプリンスリーグ関東1部でなかなか結果を残せなかった時期もチーム全体で積み上げることを続け、それによって今、成果が出始めている。今大会も目先の1勝、目先の全国大会出場にブレてしまうのではなく、しっかりとこの試合でも自分たちの力を積み上げることを選手同士で確認して攻守にチャレンジ。その声が自発的に出て、ブレない戦いをしたことを指揮官も評価していた。
早稲田実は後半開始から井手に代え、怪我で限定出場のMF野川一聡主将(3年)をアンカーに投入。高橋をインサイド、竹内を前線に押し出して反撃の色を濃くする。4分にはその野川が強烈な右足ボレーを放ち、ピッチの空気感を変えていた。
だが、帝京は10番が再びビッグプレー。9分、杉岡の奪い返しから、久保が左でボールを持つ。すると、中へのドリブルから右足を一閃。これがDFをかすめてゴール右隅に決まり、2-0となった。


後半9分、帝京MF久保恵音が右足シュートを決め、この日2得点目


これで2-0
早稲田実は11分に小野寺をFW篠田一(2年)へ交代し、19分には高橋をMF小林凌空(1年)と入れ替えた。押し返そうとするが、前半のようにチャンスを増やすことができない。一方の帝京は右の永野がボールを収め、SB小林や宮本周がスペースを突くなど攻め続ける。そして、23分には左サイドの谷津らがグループでの崩しにチャレンジ。相手の速攻を西島が頭で跳ね返すと、このボールがそのまま相手PAに転がる。そして、宮本周が相手と競りながら右足を振り抜き、3-0とした。


後半23分、帝京はU-17日本高校選抜FW宮本周征が右足で追加点


歓喜のガッツポーズ
早稲田実は直後に竹内が左サイドを抜け出し、霜田がクロス。ファーへ流れたボールを小林が折り返し、篠田が決定機を迎える。だが、シュートは帝京GK荒川がストップ。その帝京は25分に杉岡をFW高橋佳汰(3年)へ、32分には中川、谷津、西島をCB住野空来(2年)、左SB田中菱(3年)、MF原田誉裕(2年)へ入れ替えた。
36分、帝京は右から宮本周、田中と繋ぎ、最後は左の久保が縦に仕掛けて左足シュート。これは早稲田実GK山本が手に当ててポストを弾く。この後、早稲田実は大庭をMF居相虎之介(2年)と交代し、帝京も永野をMF宮本理央(3年)と交代する。迎えた40+4分、帝京は原田を起点としたカウンターから右の住野が粘ってラストパス。これを加賀屋が左足で決め、4-0で試合を終えた。


後半40+5分、帝京MF加賀屋翼主将が左足で決めて4-0


主将がゴールラッシュを締めくくった
帝京は選手権開幕戦で決勝点を決めた宮本周や加賀屋が昨年から公式戦を経験しているが、中川や谷津、西島といったセカンドチームで「(去年、)技術を鍛えて、サッカー脳、係わり方を学んできてる子たち」(藤倉監督)という選手たちの存在も大きい。彼らが欠かせない存在になってチームを支え、勝つことで自信をまた身に着けてきている。
中川は「(帝京は)調子、上がってきていると思います。(インターハイでは)勝ち上がって10個目の星を付けれるように。自分たちのサッカーでどれくらい行けるのかなっていうのは楽しみです」と語った。帝京は選手権優勝6度、インターハイ優勝3度の名門校。10度目の日本一へ向け、今後もブレずに力を積み上げていく。
(取材・文 吉田太郎)
●全国高校総体2025特集


