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ユース取材ライター陣が推薦する「インターハイ注目の11傑」vol.2

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土屋記者が注目するMF平林尊琉(前橋育英高/3年)

 令和7年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技が26日に福島県内で開幕します。ゲキサカでは「インターハイ注目の11傑」と題し、ユース年代を主に取材するライター陣にインターハイ注目の11選手を紹介してもらいます。第2回は(株)ジェイ・スポーツで『Foot!』ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任し、現在はフリーランスとして東京都中心にユース年代のチーム、選手を取材、そしてゲキサカコラム『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』も連載中の土屋雅史記者による11名です。

 土屋記者「福島を舞台に高校生が熱戦を繰り広げるインターハイ。全国に目を向けると、本当に素晴らしい選手ばかりですが、今回も僕は3年生の中から11人を選出しています。選考基準もいつも通り「1チーム1名」と「過去に11傑ではご紹介したことのない選手」。この11人だけではなく、すべての選手に、夏休みという特別なシチュエーションで行われる全国大会という最高のステージで、是非最高の仲間たちと、最高の思い出を作ってほしいなと思ってます!」

以下、土屋記者が推薦する11名

GK園部蒼明(立命館守山高/3年)
もともとはスタメンでゴールマウスを守っていたものの、インターハイ予選は負傷の影響でベンチスタートとなっていた中で、その存在が一際輝いたのは準決勝の水口高戦。延長後半終了間際に“PKキーパー”として投入されると、「もうPKになる前から自分が勝たせると思っていた」というメンタルで、止めれば勝利という相手の5人目のキックを完璧にストップ。この試合に競り勝ったチームは、決勝でも近江高を撃破し、初の全国切符を勝ち獲った。実は県新人戦でも2度のPK戦勝利を引き寄せており、本人も「もともとPKは普通ぐらいやったんですけど、自分の中でも武器になったかなと思います」ときっぱり。真夏の福島でもこの守護神がチームを救うシーンは訪れるか。

DF浜梶優大(米子北高/3年)
1年時からプレミアリーグで頭角を現していたタレントは、複数ポジションを高次元でこなせるポリバレントさも大きな武器。昨シーズンはセンターバックを務めることも多かったが、今季は右サイドバックでの起用が増えており、攻守に果敢なプレーを繰り返すことで、チームに1本の筋を通している。3位に輝いた昨年度のインターハイでは、「自分は『自信がなさそうに見える』と言われていたので、とにかく顔を上げてプレーしようと思っていた中で、インターハイの時は勝とうという気持ちが常にあって、ずっと自分に自信を持ってやれていたので、メンタルも安定もしていたと思います」と好プレーを発揮しており、大会自体に良いイメージを持っているはず。見据えるのはもちろん頂点のみだ。

DF高橋心晴(昌平高/3年)
父親は大学の陸上部にも所属していた砲丸投げの選手。母親も高いレベルでサッカーをしていたというアスリート一家に育ち、幼稚園からボールを蹴り始めたという、184センチの体躯を誇る長身センターバック。ボランチやトップ下も兼任していたFC LAVIDA時代はなかなか試合に出られなかったが、高1でセンターバックに専念してからは着々と実力を伸ばし、今年に入ってレギュラーを奪取。「なかなか日本にいないような『ゴツくて、大きくて、足元もある』という、海外の選手みたいなプレースタイルでやっていきたいです」。参考にしているというファン・ダイクのように、スピード、高さ、テクニックを兼備しており、連覇を狙う昌平の守備のキーマンであることは間違いない。

DF中野陽斗(神村学園高/3年)
昨年から強豪校のレギュラーとして、数々の実戦経験を重ねてきたことで、「どんな舞台でも緊張せずに平常心で楽しんでやれるようになってきているので、それが一番の成長かなと思います」と語るセンターバックは、5月にU-18日本代表のスイス遠征に招集され、ハイレベルな同世代のライバルたちとともにプレーすることで、小さくない刺激を持ち帰ってきた。やはりスタメンで全試合にフル出場した1年前のインターハイは、決勝で昌平に敗れて準優勝。「最後の最後で相手の強さに自分たちが引いてしまったというところなので、今年は詰めの甘さをなくして、優勝するために自分がやるべきことをしっかりやりたいです」。キャプテンとして悲願の日本一のカップを掲げる覚悟は、十分に整っている。

DF澤田琉偉(修徳高/3年)
「自分は小学生の時からずっと修徳でやってきて、10年以上お世話になっているので、その感謝という意味でみんなに恩返ししたいと思ってきました」という生粋の“修徳っ子”。予選準々決勝では負傷交代を強いられたものの、準決勝ではスタメンで80分間にわたって奮闘し、12大会ぶりとなる全国切符獲得にきっちり貢献してみせた。「多くの選手と練習の前後や学校生活でもコミュニケーションを取るようにしていますね。喋るのは得意です」と言い切るだけあって、チームメイトから『修徳のお母さん』と呼ばれているというキャプテンは、「一戦一戦大事にして、自分の価値も、修徳の価値も全国に広めたいですね」とたどり着いた晴れ舞台を楽しみに待っている。

MF平林尊琉(前橋育英高/3年)
全国屈指の強豪校で1年時からスタメンを張ってきた才気あふれるアタッカーは、昨シーズンに入って、10番を託されながらもなかなか思うようなパフォーマンスを出し切れない焦りを抱えていたが、日本一に輝いたこの冬の高校選手権で、周囲の選手がのびのびと躍動している姿を見て、「外ばっかり見ていても自分が成長しないので、コツコツと、淡々とやりたいです。一気に成長はしないですし、1年は長いので、本当にゆっくりと1つ1つやっていくことが今年の目標です」とマインドチェンジに着手。今シーズンはプレミアリーグでも、本来の切れ味鋭いドリブルや非凡なパスセンスも存分に披露し、1つステージが上がった印象。冬夏連覇を狙うタイガー軍団を逞しく牽引する。

MF島谷義進(流通経済大柏高/3年)
去年もプリンスリーグ関東を戦うBチームのキャプテンを任されており、リーダーシップを最適な形で発揮できる姿も印象的なチームリーダーは、最高学年となった今季から増田大空とのダブルキャプテンに指名され、さらに強い責任感を携えながら、好調を続けるチームをしなやかに支えている。プレー面でもダイヤモンド型を採用している中盤アンカーとして、広いエリアをカバーしつつ、攻守で効果的な働きを継続。「日本一の厳しさは自分たちが一番わかっていると思いますし、難しいとわかっているからこそ、必ず日本一を獲りたいので、全冠達成という目標に対して、全員の目線が向いていると思います」。まずは一冠目をチーム全員で力強く奪いに行く。

MF中澤昊介(帝京長岡高/3年)
大阪で育った小学生のころから憧れていたという帝京長岡の門を叩き、定位置を確保した戦えるボランチ。昨季はプレミアリーグでの出場機会は得られず、全国ベスト4に入ったインターハイもメンバー外だったが、今季はここまでリーグ戦全試合にスタメン出場を続けており、「周囲に声を掛けられるタイプなので、味方を動かして、ボールを受けて捌くことが特徴です」と自己分析するストロングを武器に、チームを中盤の位置から引き締めていく。また古沢徹監督への信頼も厚く、「自分のことよりも自分たちのことを優先してくれて、キツい時にもしっかり声を掛けてくれますし、本当に自分たち思いの監督だと思っています」と熱い言葉を口に。情熱の指揮官に日本一で恩返しする決意は固い。

MF福島悠士(大津高/3年)
昨シーズンのスタートは、上から5番目のカテゴリーに当たる『校内リーグ』でプレーしていたものの、そこから県2部リーグ、県1部リーグ、プリンスリーグ九州と自身のプレーするリーグをどんどん上げると、今季のプレミアリーグでは前半戦の全11試合にスタメンで登場。キャプテンのMF福島京次と不動のドイスボランチを組むまでに成長を遂げた。インターハイに向けても「大津高校が掲げている『凡事徹底』というところを徹底して、対人では1回も負けたくないですし、ミドルシュートやコーナーキックからの得点で、自分も貢献して、絶対日本一を獲りたいなと思います」と頼もしい意気込みを。インターハイ初優勝に向けて、雑草系ボランチの躍動が非常に楽しみだ。

MF阿部莞太(八戸学院野辺地西高/3年)
インターハイ予選24連覇中、公式戦418連勝中だった絶対王者・青森山田高校を沈め、悲願の青森制覇を手繰り寄せた八戸学院野辺地西高が誇る、背番号10のコンダクター。県決勝でもロングスプリントでゴール前に飛び込み、ヘディングで先制点を叩き出すなど、ゴールも奪えるボランチとして、攻守に存在感を示している。「得点はみんなが繋いでくれたボールだったので、みんなに感謝したいと思いますし、山田に勝てたことはとても良かったですけど、山田に勝つのはあくまで通過点だと自分の中では思っていたので、全国に向けて良い準備をしたいなという気持ちです」。初の全国大会に挑むチームが、勢いそのままに初勝利を挙げるためには、この人のハイパフォーマンスが必要不可欠だ。

FW宮本周征(帝京高/3年)
カナリア軍団にとって15年ぶりの出場となった、昨年度の高校選手権を主力として戦ったストライカーは、今季に入っても得点を量産中。プリンスリーグ関東ではここまで8ゴールをマークし、インターハイ予選でも決勝の5発を含め、3試合で8ゴールを奪うなど、その感覚は試合を追うごとに研ぎ澄まされている印象すらある。最近はJクラブの練習参加も経験し、「シュートと裏抜けは結構通用することは感じていて、長所を伸ばすことも考えながら、高校では圧倒的な自信を持って、もっと高いところを意識してやっていきたいです」とさらなる進化へのモチベーションも高まった様子。得点王候補の一角として、宮本がどれだけチームにゴールの歓喜をもたらせるかが、帝京の上位進出のカギを握る。


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土屋雅史
Text by 土屋雅史

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