リスク覚悟の攻撃で追いつき、PK戦勝利。前回王者・浜松開誠館が先輩たちからの目標へ一歩前進:静岡
[5.31 インターハイ静岡県予選準決勝 磐田東高 1-1(PK2-4)浜松開誠館高 藤枝総合]
浜松開誠館が西部勢対決を制し、2連覇に王手――。令和8年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技静岡県予選準決勝が31日に藤枝総合運動公園サッカー場で開催され、磐田東高と浜松開誠館高が対戦。浜松開誠館が1-1(PK4-2)で勝ち、2連覇に王手をかけた。
浜松開誠館(プリンスリーグ東海)は昨年度、夏冬連続で全国大会に出場し、いずれも1勝。インターハイでベスト16入りしているチームの目標は、昨年超えの全国ベスト8進出だ。今大会は浜名高をPK戦で下して準決勝進出。この日の先発はGK松浦迅ビエラ(3年)、右SB藤原舜(3年)、CB礒部舜也主将(3年)、CB鈴木翔湧(3年)、左SB大石櫂(3年)、古橋藍伍(3年)と日下航斗(3年)のダブルボランチ、右SH吉田暖(3年)、左SH金子彪真(3年)、前線で志賀朋希(3年)と今村心優(3年)がコンビを組んだ。


一方、2022年大会以来の優勝を狙う磐田東(静岡県1部リーグ)は東海大静岡翔洋高をPK戦で下し、準決勝進出。この日はGK小澤周央(3年)、右SB粟井啓介(3年)、CB井野哲秀(3年)、CB小林泰良(3年)、左SB堀口晄良(2年)、中盤は鈴木海生主将(3年)と足立佳翼(3年)のダブルボランチで右SH松下斗哉(2年)、トップ下が原拓也(3年)、左SH寺田礎生(3年)、そして最前線に高田心羽(3年)が構えた。


昨秋の選手権予選準決勝に続き、決勝への切符をかけた県西部勢対決。立ち上がりは磐田東が勢いを持って入り、セットプレーなどから先制点を狙う。中盤で守備力の高さを見せる鈴木がボールを引っ掛け、的確なスペースへの配球からゴール前のシーンも作った。


一方の浜松開誠館は磐田東のポゼッションに対して制限を掛け、前線、ハイサイドに入れてきたボールに対応。CB礒部が前への強さを見せ、191cmGK松浦が高さを発揮するなどゴール前が堅い。そして、相手よりも中盤を活用しながらの攻撃。志賀が前を向いて仕掛け、左SB大石がクロスを上げる。この日は気温30度近い中での80分間ゲーム。立ち上がりからフルスロットルで戦うのではなく、ボールを保持する時間を作るなど、パワーの掛けどころを考えながらトータルの勝負で相手を上回ろうとする。
32分には中盤で相手MF鈴木に奪われ、スルーパスを狙われたが、CB礒部がインターセプト。拮抗した展開のゲームは磐田東が先制した。前半39分、足立の左CKをファーサイドの鈴木が頭で折り返す。これを左中間の寺田が中へ戻すと、松下がDFと競りながらヘッド。これを前方の高田が頭でゴールに押し込んだ。




浜松開誠館は前半、攻撃でスペースを作る部分や守備がなかなか噛み合わず、後半開始から3枚替え。藤原、金子、吉田をMF小關陽生(3年)、小川煌斗(2年)、森下力陸(2年)へ入れ替え、志賀を右SBへ下げた。だが、後半、先にチャンスを作ったのは磐田東の方。3分、右サイドの連係で松下が抜け出し、クロスをニアの高田が頭で狙う。
これは浜松開誠館GK松浦がセーブ。その浜松開誠館は鈴木、礒部が両CBが積極的にボールを運び、古川、日下の両ボランチや両SBを経由しての攻撃でスペースを取りに行く。8分には大石のサイドチェンジから右SB志賀がDFをかわして縦パスを送り、森下がクロス。青嶋文明監督が「リスクを承知の上で取りに行った」浜松開誠館はミスが起き、FW橋本大稀(2年)投入後の21分にはDFのロストから相手FW高田に決定的な左足シュートを撃たれた。


だが、これをGK松浦がファインセーブ。するとその流れの攻撃から同点ゴールをもぎ取る。DFラインからボールを動かし、右SB志賀が縦パス。これで森下が右のポケットへ抜け出すと、縦への仕掛けからマイナスのラストパスを通す。これに左SB大石走り込み、左足ダイレクトでシュート。青嶋監督が「(まだ弱みを見せることがあり、)強気でプレーしないとサッカー楽しめないと思うんで、そこはもうちょっと今日のゴールで自信に変えてくれれば」と期待するDFのファインゴールによって1-1になった。




直後に磐田東も3枚替え。FW黒田悠斗(2年)、FW掛井陸(2年)、MF湯川銀二郎(3年)を投入し、その5分後にはMF大瀧智尋(3年)を送り出した。一気に逆転を狙う浜松開誠館は日下の裏抜けを起点とした攻撃から志賀が右足ミドル。また、古橋の展開などからサイド攻撃を繰り出す。
そしてセットプレーを増加。だが、ゴール前で粘る磐田東DF陣にボールをかき出されて得点することができない。だが、浜松開誠館はアディショナルタイムにピンチがあったものの、古橋がシュートブロック。そして、DF中ノ瀬令旺(3年)を投入して迎えたPK戦で勝ち切った。
PK戦は磐田東DF粟井の負傷のため、10人対10人での戦いになった。その2人目、先攻・浜松開誠館のシュートを磐田東GK小澤がストップ。だが、磐田東は3人目と4人目のシュートがいずれも枠上へ外れてしまう。浜松開誠館は決めれば勝利の5人目・礒部が右足で成功。決勝進出を果たした。




浜松開誠館の青嶋監督は入りや失点シーンについて、「どういったプレーを選べばいいかっていうのをもうちょっと分かってこないといけない」と指摘する。静岡2冠を達成した昨年に比べると、「全然、まだまだですね」というチーム。それでも、指揮官が「過去一番良い」と評する礒部と鈴木のCBコンビ、加えてGK松浦の守備ユニット中心に今年も県決勝まで勝ち上がった。
礒部は「先輩たちが成し遂げられなかった目標を絶対叶えるっていう目標がある」と力を込める。「去年のチームはほんとに味方同士で試合中も練習中も要求があったり、ほんとに切り替えが凄かったです」という先輩たちでも届かなかった全国8強以上が今年の目標だ。
決勝の対戦相手は藤枝東高を6-1で撃破した静岡学園高だ。簡単な相手ではないが、この日、「プリンスリーグで厳しい試合を落としているという現実(3勝3分1敗で4位)もあって、この大会に懸ける思いっていうのは、どこのチームよりも強いって実感している」(礒部)という気持ちも表現して勝ち切った浜松開誠館は次も全力で挑戦。静岡連覇を果たし、目標にまた一歩前進する。


(取材・文 吉田太郎)
●全国高校総体2026特集
▶お笑いコンビ「ヤーレンズ」がサッカーをしゃべり倒すポッドキャスト「ボケサカ」は毎週金曜配信
浜松開誠館が西部勢対決を制し、2連覇に王手――。令和8年度全国高校総体(インターハイ)男子サッカー競技静岡県予選準決勝が31日に藤枝総合運動公園サッカー場で開催され、磐田東高と浜松開誠館高が対戦。浜松開誠館が1-1(PK4-2)で勝ち、2連覇に王手をかけた。
浜松開誠館(プリンスリーグ東海)は昨年度、夏冬連続で全国大会に出場し、いずれも1勝。インターハイでベスト16入りしているチームの目標は、昨年超えの全国ベスト8進出だ。今大会は浜名高をPK戦で下して準決勝進出。この日の先発はGK松浦迅ビエラ(3年)、右SB藤原舜(3年)、CB礒部舜也主将(3年)、CB鈴木翔湧(3年)、左SB大石櫂(3年)、古橋藍伍(3年)と日下航斗(3年)のダブルボランチ、右SH吉田暖(3年)、左SH金子彪真(3年)、前線で志賀朋希(3年)と今村心優(3年)がコンビを組んだ。


2連覇を狙う浜松開誠館
一方、2022年大会以来の優勝を狙う磐田東(静岡県1部リーグ)は東海大静岡翔洋高をPK戦で下し、準決勝進出。この日はGK小澤周央(3年)、右SB粟井啓介(3年)、CB井野哲秀(3年)、CB小林泰良(3年)、左SB堀口晄良(2年)、中盤は鈴木海生主将(3年)と足立佳翼(3年)のダブルボランチで右SH松下斗哉(2年)、トップ下が原拓也(3年)、左SH寺田礎生(3年)、そして最前線に高田心羽(3年)が構えた。


磐田東にとっては昨年度の選手権予選準決勝のリベンジマッチ
昨秋の選手権予選準決勝に続き、決勝への切符をかけた県西部勢対決。立ち上がりは磐田東が勢いを持って入り、セットプレーなどから先制点を狙う。中盤で守備力の高さを見せる鈴木がボールを引っ掛け、的確なスペースへの配球からゴール前のシーンも作った。


磐田東のキーマン、MF鈴木海生主将は奪い返しで存在感
一方の浜松開誠館は磐田東のポゼッションに対して制限を掛け、前線、ハイサイドに入れてきたボールに対応。CB礒部が前への強さを見せ、191cmGK松浦が高さを発揮するなどゴール前が堅い。そして、相手よりも中盤を活用しながらの攻撃。志賀が前を向いて仕掛け、左SB大石がクロスを上げる。この日は気温30度近い中での80分間ゲーム。立ち上がりからフルスロットルで戦うのではなく、ボールを保持する時間を作るなど、パワーの掛けどころを考えながらトータルの勝負で相手を上回ろうとする。
32分には中盤で相手MF鈴木に奪われ、スルーパスを狙われたが、CB礒部がインターセプト。拮抗した展開のゲームは磐田東が先制した。前半39分、足立の左CKをファーサイドの鈴木が頭で折り返す。これを左中間の寺田が中へ戻すと、松下がDFと競りながらヘッド。これを前方の高田が頭でゴールに押し込んだ。


前半39分、磐田東FW高田心羽が先制ヘッド


エースの渾身の一撃。拮抗した展開のゲームで先手を取った
浜松開誠館は前半、攻撃でスペースを作る部分や守備がなかなか噛み合わず、後半開始から3枚替え。藤原、金子、吉田をMF小關陽生(3年)、小川煌斗(2年)、森下力陸(2年)へ入れ替え、志賀を右SBへ下げた。だが、後半、先にチャンスを作ったのは磐田東の方。3分、右サイドの連係で松下が抜け出し、クロスをニアの高田が頭で狙う。
これは浜松開誠館GK松浦がセーブ。その浜松開誠館は鈴木、礒部が両CBが積極的にボールを運び、古川、日下の両ボランチや両SBを経由しての攻撃でスペースを取りに行く。8分には大石のサイドチェンジから右SB志賀がDFをかわして縦パスを送り、森下がクロス。青嶋文明監督が「リスクを承知の上で取りに行った」浜松開誠館はミスが起き、FW橋本大稀(2年)投入後の21分にはDFのロストから相手FW高田に決定的な左足シュートを撃たれた。


浜松開誠館はCB礒部舜也主将がタックルを決めるなど2点目を許さない
だが、これをGK松浦がファインセーブ。するとその流れの攻撃から同点ゴールをもぎ取る。DFラインからボールを動かし、右SB志賀が縦パス。これで森下が右のポケットへ抜け出すと、縦への仕掛けからマイナスのラストパスを通す。これに左SB大石走り込み、左足ダイレクトでシュート。青嶋監督が「(まだ弱みを見せることがあり、)強気でプレーしないとサッカー楽しめないと思うんで、そこはもうちょっと今日のゴールで自信に変えてくれれば」と期待するDFのファインゴールによって1-1になった。


後半24分、浜松開誠館の左SB大石權が同点ゴール


スタンドとともに喜ぶ
直後に磐田東も3枚替え。FW黒田悠斗(2年)、FW掛井陸(2年)、MF湯川銀二郎(3年)を投入し、その5分後にはMF大瀧智尋(3年)を送り出した。一気に逆転を狙う浜松開誠館は日下の裏抜けを起点とした攻撃から志賀が右足ミドル。また、古橋の展開などからサイド攻撃を繰り出す。
そしてセットプレーを増加。だが、ゴール前で粘る磐田東DF陣にボールをかき出されて得点することができない。だが、浜松開誠館はアディショナルタイムにピンチがあったものの、古橋がシュートブロック。そして、DF中ノ瀬令旺(3年)を投入して迎えたPK戦で勝ち切った。
PK戦は磐田東DF粟井の負傷のため、10人対10人での戦いになった。その2人目、先攻・浜松開誠館のシュートを磐田東GK小澤がストップ。だが、磐田東は3人目と4人目のシュートがいずれも枠上へ外れてしまう。浜松開誠館は決めれば勝利の5人目・礒部が右足で成功。決勝進出を果たした。


PK戦2人目、磐田東GK小澤周央がストップ


だが、浜松開誠館は191cmGK松浦迅ビエラが重圧を掛けて2人の失敗を誘う
浜松開誠館の青嶋監督は入りや失点シーンについて、「どういったプレーを選べばいいかっていうのをもうちょっと分かってこないといけない」と指摘する。静岡2冠を達成した昨年に比べると、「全然、まだまだですね」というチーム。それでも、指揮官が「過去一番良い」と評する礒部と鈴木のCBコンビ、加えてGK松浦の守備ユニット中心に今年も県決勝まで勝ち上がった。
礒部は「先輩たちが成し遂げられなかった目標を絶対叶えるっていう目標がある」と力を込める。「去年のチームはほんとに味方同士で試合中も練習中も要求があったり、ほんとに切り替えが凄かったです」という先輩たちでも届かなかった全国8強以上が今年の目標だ。
決勝の対戦相手は藤枝東高を6-1で撃破した静岡学園高だ。簡単な相手ではないが、この日、「プリンスリーグで厳しい試合を落としているという現実(3勝3分1敗で4位)もあって、この大会に懸ける思いっていうのは、どこのチームよりも強いって実感している」(礒部)という気持ちも表現して勝ち切った浜松開誠館は次も全力で挑戦。静岡連覇を果たし、目標にまた一歩前進する。


浜松開誠館が連覇へ王手
(取材・文 吉田太郎)
●全国高校総体2026特集
▶お笑いコンビ「ヤーレンズ」がサッカーをしゃべり倒すポッドキャスト「ボケサカ」は毎週金曜配信



