立正大淞南が米子北、作陽学園、岡山学芸館を連破して中国高校選手権制覇。課題と自信を持ち帰り、インハイ日本一に挑戦
[6.22 中国高校選手権決勝 立正大淞南高 2-0 岡山学芸館高 ヤマタスポーツパーク球技場]
第73回中国高等学校サッカー選手権大会決勝が22日、鳥取市のヤマタスポーツパーク球技場で行われ、立正大淞南高(島根1)と岡山学芸館高(岡山1)が対戦。立正大淞南が2-0で勝ち、3年ぶりの優勝を果たした。
立正大淞南はインターハイ島根県予選で優勝。今大会は初戦でプレミアリーグ勢の米子北高(鳥取1)を1-1(PK4-3)で下し、準決勝も作陽学園高(岡山2)に1-0で勝利。この日の先発はGK三島昌大(3年)、DF長澤茉夏(3年)、松田遥希(3年)、根比汐音主将(3年)、岡崎心汰(3年)、MF相宗龍基(3年)、西川生夏(3年)、山本結翔(3年)、小原弦己(3年)、FW渡部剣眞(3年)、我那覇琉翔(2年)の11人で臨んだ。


一方、大会連覇を狙う岡山学芸館はインターハイ岡山県予選を制し、岡山1位で今大会に出場。西京高(山口)に2-0、瀬戸内高(広島)に0-0(PK4-1)で勝利し、決勝へ進出した。この日はGK山田聡甫(3年)、DF井上樹(2年)、加茂勝也(3年)、徳村保成(3年)、吉岡大和主将(3年/U-17日本高校選抜)、大石悠人(2年)、MF酒井万璃(3年)、辻琥白(2年)、近藤優成(3年)、廣瀬虎乃佑(2年)、FW本村悠斗(3年)の11人でスタートした。


前回大会決勝、今年の中国高校新人大会決勝に続く両校の戦い。その2試合で勝利している岡山学芸館は立ち上がり、左サイドの酒井が高速ドリブルから右足シュートを放つ。さらに右SB加茂のクロスに大石が飛び込んだほか、アンカーで先発した注目レフティMF辻の中央突破を起点とした攻撃などから、ゴール前のシーンを作り出す。


対する立正大淞南はこの日、U-16日本代表歴を持つFW野田歩(2年)とFW村崎斗士輝(3年)が欠場。プリンスリーグ中国8試合で8得点の村崎と同4得点の野田を欠く陣容だったが、系列のFC tentar(島根)で連動した仕掛けを身に着けてきている渡部と沖縄出身の強力FW我那覇の2トップが健闘した。
8分には右SB長澤の配球から右ハイサイドを突いた小原がクロス。これを渡部が右足ダイレクトボレーで合わせる。直後にも長澤からのパスを受けた渡部が我那覇とのパス交換して左足シュート。2トップが相宗や小原、山本と繋がりながら攻撃を繰り出した。だが、プリンスリーグ中国首位の岡山学芸館は注目CB吉岡が抜群の高さを見せていたほか、GK山田聡やCB徳村を含めて堅い。また、攻撃面では本村がDF背後へ鋭く抜け出し、シュートへ持ち込んできていた。


だが、立正大淞南が先制する。23分、立正大淞南は敵陣中央でボールを持った左SH山田が右へのパスをキャンセルし、相手CBと左CBの間へ絶妙なスルーパス。これに「いつも(監督の)野尻先生とかに『逆のサイドハーフと繋がれ』、『(山本)結翔と繋がれ』って言われていて、裏に抜け出したら得点するシーンがこれまでの期間も多くあったんで、そこで繋がれていたので、今日も出るかなと思って走り込みました」という右SH小原が右中間を完全に抜け出し、「PAではダイレと言われているので」1タッチでの左足シュートを左隅に流し込んだ。






岡山学芸館は辻、酒井、近藤、大石と1人でもボールを前進させられる選手が多い。加えて県大会後、縦に速い攻撃だけでなく、グラウンダーでボールを繋ぐ攻撃にもチャレンジ。ボールを保持しながら押し込み、井上の左足プレースキックなども交えてゴールを目指す。だが、立正大淞南は大黒柱の根比、岡崎中心にチャレンジ&カバーを徹底したほか、アンカーの西川が安定感の高い動き。そして、長澤のインターセプトなどから攻め返していく。


岡山学芸館は後半開始から3枚替え。加茂、大石、近藤をMF吉田遥翔(3年)、MF藤田詩穏(3年)、MF吉田龍紋(2年)へ入れ替え、3バックにシフトして反撃した。競り合い、拾い合いの攻防が激しくなる中、立正大淞南は渡部や我那覇が思い切り良く足を振り、山本がPAへ飛び出す。だが、岡山学芸館はGK山田聡が鋭い飛び出しで阻止するなど追加点を与えない。
だが、立正大淞南は16分、我那覇のシュートで獲得した右CKから2点目を挙げる。「(島根県予選は)周りの選手に助けられて勝てたんで、この中国インターハイはしっかり自分が結果を残して勝たせようと思いました」という小原の左足CKが直接クロスバーを叩き、その跳ね返りに素早く反応した我那覇が頭で押し込んで2-0。2点ビハインドとなった岡山学芸館は吉田龍の右クロスのこぼれを廣瀬が狙ったほか、前線で奮闘する本村がゴール前のこぼれ球を押し込もうとする。




だが、立正大淞南はDF丈達遙斗(3年)とDF三島開都(3年)を投入して守りを引き締めると、根比が身体を投げ出してのクリアしたほか、左CB松田がルーズボールを素早くクリアするなど隙を見せない。GK三島昌もゴール前で落ち着いた対応。逆に速攻から攻め切って見せるなど2-0で勝ち、頂点に立った。
立正大淞南は主軸を欠く中でチャンスを得た選手たちが奮闘した。米子北、作陽学園、岡山学芸館というプレミアリーグ勢、プリンスリーグ中国上位のチームとの3連戦。強度が高く、実力が拮抗した相手にチャンレンジし、「良いものにしたいなっていうのはあった」(野尻豪監督)という中でタイトルを勝ち取った。
指揮官は「準備段階もそうだし、実行力もそうだし、足りなかった部分ももちろんたくさんあるし、じゃあこれで本当に上まで行けるか、って言ったら全然無理だと思うんで。ただ、1つの自信にはなったなっていうのと、どうやって課題をもっと明確にして本人らに落とし込んでいくかっていうところで良かったです」と前向きな評価。色々な戦い方に柔軟に対応する力も身につけて、インターハイに向かう。
2得点に絡んだ小原は「全国大会は出れない選手とか、今までお世話になった人たちに恩返しできるような結果を残していきたいと思います。自分はドリブルとカットイン、アーリー(クロス)とか、シュートが持ち味なんで、そこで得点を決めてチームを助けられるようにしたいです」と意気込む。
立正大淞南は2011年大会と2012年大会で2年連続全国3位に入っているが、近年は前評判の高かった代も含めて結果が出ていない。それだけに小原は「気抜かずに自分たちのサッカーを貫いて勝ちたいと思います」と語り、根比は「この中国大会で勝ったからって満足しちゃいけないと思うんですけど、日本一に向けていいスタートを切れたんで、これを機にもっともっと練習の強度とか上げて、今年のインターハイでまず日本一取りたいなと思います」と力を込めた。
ピッチに立っている選手のプレーできない選手のために、という思いは他の強豪チームに負けないほど強いモノ。中国選手権優勝を果たした立正大淞南は、全国大会で一つでも多くの白星を勝ち取り、仲間たちと喜び合う。


(取材・文 吉田太郎)
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第73回中国高等学校サッカー選手権大会決勝が22日、鳥取市のヤマタスポーツパーク球技場で行われ、立正大淞南高(島根1)と岡山学芸館高(岡山1)が対戦。立正大淞南が2-0で勝ち、3年ぶりの優勝を果たした。
立正大淞南はインターハイ島根県予選で優勝。今大会は初戦でプレミアリーグ勢の米子北高(鳥取1)を1-1(PK4-3)で下し、準決勝も作陽学園高(岡山2)に1-0で勝利。この日の先発はGK三島昌大(3年)、DF長澤茉夏(3年)、松田遥希(3年)、根比汐音主将(3年)、岡崎心汰(3年)、MF相宗龍基(3年)、西川生夏(3年)、山本結翔(3年)、小原弦己(3年)、FW渡部剣眞(3年)、我那覇琉翔(2年)の11人で臨んだ。


前回大会決勝と今年の中国新人大会決勝のリベンジを目指した立正大淞南
一方、大会連覇を狙う岡山学芸館はインターハイ岡山県予選を制し、岡山1位で今大会に出場。西京高(山口)に2-0、瀬戸内高(広島)に0-0(PK4-1)で勝利し、決勝へ進出した。この日はGK山田聡甫(3年)、DF井上樹(2年)、加茂勝也(3年)、徳村保成(3年)、吉岡大和主将(3年/U-17日本高校選抜)、大石悠人(2年)、MF酒井万璃(3年)、辻琥白(2年)、近藤優成(3年)、廣瀬虎乃佑(2年)、FW本村悠斗(3年)の11人でスタートした。


岡山学芸館は連覇と中国新人大会に続く2冠に挑戦
前回大会決勝、今年の中国高校新人大会決勝に続く両校の戦い。その2試合で勝利している岡山学芸館は立ち上がり、左サイドの酒井が高速ドリブルから右足シュートを放つ。さらに右SB加茂のクロスに大石が飛び込んだほか、アンカーで先発した注目レフティMF辻の中央突破を起点とした攻撃などから、ゴール前のシーンを作り出す。


岡山学芸館注目の2年生レフティ、MF辻琥白は低い位置からのドリブルで大きく前進
対する立正大淞南はこの日、U-16日本代表歴を持つFW野田歩(2年)とFW村崎斗士輝(3年)が欠場。プリンスリーグ中国8試合で8得点の村崎と同4得点の野田を欠く陣容だったが、系列のFC tentar(島根)で連動した仕掛けを身に着けてきている渡部と沖縄出身の強力FW我那覇の2トップが健闘した。
8分には右SB長澤の配球から右ハイサイドを突いた小原がクロス。これを渡部が右足ダイレクトボレーで合わせる。直後にも長澤からのパスを受けた渡部が我那覇とのパス交換して左足シュート。2トップが相宗や小原、山本と繋がりながら攻撃を繰り出した。だが、プリンスリーグ中国首位の岡山学芸館は注目CB吉岡が抜群の高さを見せていたほか、GK山田聡やCB徳村を含めて堅い。また、攻撃面では本村がDF背後へ鋭く抜け出し、シュートへ持ち込んできていた。


岡山学芸館のCB吉岡大和主将は高さで相手を凌駕
だが、立正大淞南が先制する。23分、立正大淞南は敵陣中央でボールを持った左SH山田が右へのパスをキャンセルし、相手CBと左CBの間へ絶妙なスルーパス。これに「いつも(監督の)野尻先生とかに『逆のサイドハーフと繋がれ』、『(山本)結翔と繋がれ』って言われていて、裏に抜け出したら得点するシーンがこれまでの期間も多くあったんで、そこで繋がれていたので、今日も出るかなと思って走り込みました」という右SH小原が右中間を完全に抜け出し、「PAではダイレと言われているので」1タッチでの左足シュートを左隅に流し込んだ。


前半23分、立正大淞南MF山本結翔が判断を変えて絶妙なスルーパス


MF松田遥希が左足ダイレクトでゴールに流し込んだ


立正大淞南が先制
岡山学芸館は辻、酒井、近藤、大石と1人でもボールを前進させられる選手が多い。加えて県大会後、縦に速い攻撃だけでなく、グラウンダーでボールを繋ぐ攻撃にもチャレンジ。ボールを保持しながら押し込み、井上の左足プレースキックなども交えてゴールを目指す。だが、立正大淞南は大黒柱の根比、岡崎中心にチャレンジ&カバーを徹底したほか、アンカーの西川が安定感の高い動き。そして、長澤のインターセプトなどから攻め返していく。


立正大淞南の大黒柱、CB根比汐音主将は安定感の高い守り
岡山学芸館は後半開始から3枚替え。加茂、大石、近藤をMF吉田遥翔(3年)、MF藤田詩穏(3年)、MF吉田龍紋(2年)へ入れ替え、3バックにシフトして反撃した。競り合い、拾い合いの攻防が激しくなる中、立正大淞南は渡部や我那覇が思い切り良く足を振り、山本がPAへ飛び出す。だが、岡山学芸館はGK山田聡が鋭い飛び出しで阻止するなど追加点を与えない。
だが、立正大淞南は16分、我那覇のシュートで獲得した右CKから2点目を挙げる。「(島根県予選は)周りの選手に助けられて勝てたんで、この中国インターハイはしっかり自分が結果を残して勝たせようと思いました」という小原の左足CKが直接クロスバーを叩き、その跳ね返りに素早く反応した我那覇が頭で押し込んで2-0。2点ビハインドとなった岡山学芸館は吉田龍の右クロスのこぼれを廣瀬が狙ったほか、前線で奮闘する本村がゴール前のこぼれ球を押し込もうとする。


後半16分、立正大淞南FW我那覇琉翔がヘディングシュートを決め、2-0


歓喜の立正大淞南イレブン
だが、立正大淞南はDF丈達遙斗(3年)とDF三島開都(3年)を投入して守りを引き締めると、根比が身体を投げ出してのクリアしたほか、左CB松田がルーズボールを素早くクリアするなど隙を見せない。GK三島昌もゴール前で落ち着いた対応。逆に速攻から攻め切って見せるなど2-0で勝ち、頂点に立った。
立正大淞南は主軸を欠く中でチャンスを得た選手たちが奮闘した。米子北、作陽学園、岡山学芸館というプレミアリーグ勢、プリンスリーグ中国上位のチームとの3連戦。強度が高く、実力が拮抗した相手にチャンレンジし、「良いものにしたいなっていうのはあった」(野尻豪監督)という中でタイトルを勝ち取った。
指揮官は「準備段階もそうだし、実行力もそうだし、足りなかった部分ももちろんたくさんあるし、じゃあこれで本当に上まで行けるか、って言ったら全然無理だと思うんで。ただ、1つの自信にはなったなっていうのと、どうやって課題をもっと明確にして本人らに落とし込んでいくかっていうところで良かったです」と前向きな評価。色々な戦い方に柔軟に対応する力も身につけて、インターハイに向かう。
2得点に絡んだ小原は「全国大会は出れない選手とか、今までお世話になった人たちに恩返しできるような結果を残していきたいと思います。自分はドリブルとカットイン、アーリー(クロス)とか、シュートが持ち味なんで、そこで得点を決めてチームを助けられるようにしたいです」と意気込む。
立正大淞南は2011年大会と2012年大会で2年連続全国3位に入っているが、近年は前評判の高かった代も含めて結果が出ていない。それだけに小原は「気抜かずに自分たちのサッカーを貫いて勝ちたいと思います」と語り、根比は「この中国大会で勝ったからって満足しちゃいけないと思うんですけど、日本一に向けていいスタートを切れたんで、これを機にもっともっと練習の強度とか上げて、今年のインターハイでまず日本一取りたいなと思います」と力を込めた。
ピッチに立っている選手のプレーできない選手のために、という思いは他の強豪チームに負けないほど強いモノ。中国選手権優勝を果たした立正大淞南は、全国大会で一つでも多くの白星を勝ち取り、仲間たちと喜び合う。


立正大淞南が2-0で勝ち、優勝。インターハイで日本一に挑戦する
(取材・文 吉田太郎)
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