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鹿島入り決断の筑波大FW赤崎「少しでも早く『アイツがいなければダメだ』と言われるように」

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[4.13 関東大学リーグ1部第2節 筑波大1-1流通経済大 味フィ西]

 今月12日に来季の鹿島アントラーズ加入内定が発表された筑波大の全日本大学選抜FW赤崎秀平(4年=佐賀東高)が翌13日の関東大学リーグ1部・流通経済大戦に先発フル出場。チームは“筑波らしさ”にやや欠けて全体的にPA付近でボールを保持する時間が短く、赤崎も決定的な仕事をすることができなかった。だが左スローインからターンしながら放った右足シュートや、セットプレーからのジャンピングボレー、そしてワンツーからPAへ潜り込んで放った左足シュートなど、ややゴールまでの距離が長くても隙あればシュートにまで持っていく危険な存在となっていた。

 元U-18日本代表のFWは1年時に15得点を挙げていきなりリーグ得点王を獲得し、昨年は17得点で2度目のタイトル獲得。昨年の天皇杯では鹿島からもゴールを決めた。大学サッカー界を代表するストライカーはライバルたちから最も警戒されている存在だ。同時に大学ラストイヤーを迎えた逸材については鹿島をはじめ、浦和、清水が激しい争奪戦を繰り広げていた。夏頃までに結論を出すと見られた進路。だがそれは4月の時点で早くも一本化された。

 シーズンが始まってしまえば、関東大学リーグや総理大臣杯予選に7月にユニバーシアード(ロシア)を控える全日本大学選抜としての活動も加わってくる。「最初から春の時期しか練習参加できないのは分かっていた。自分としては、いろいろなチームを考える時間がもったいなというか、今感じることと3か月後に感じることは一緒じゃないかなというのがあって、フィーリングを一番強く感じたチームにしようと思っていた。実際に行ってみて、一番いいと思ったのがアントラーズだったし、やっぱり名門なので。自分が考えているクラブの理想というのが、方針も合っていたと思うし、実際に行ってみてウェルカムな感じでチームにも入りやすかった」

 左右両足から放たれる強烈なシュートに加えて、本人も自信を持っている相手を外す動きもハイレベル。高い技術でポゼッションに絡みながら、一瞬でシュートコースをつくり出し、ゴールを陥れる。それでも16冠の名門でいきなりレギュラーを掴めるとは考えていない。即戦力として期待されるが、現状に満足することなく、鹿島でどん欲に成長を目指していく。「簡単に出られると思っていないし、日本で一番多くタイトルを取っているチーム。そういうチームの一員になるということは簡単なことではない。FWだけ見てもダヴィ、大迫さんと一流の選手がいるし、ほかのポジションにも一流の人たちがいる。そういう人からいろいろな部分で学べることがたくさんあると思うし、ボク自身、柴崎とやってやりやすい部分もあったので、もっともっとボールを引き出して点取れるようになっていきたいです」。

 以前からゴールへの強いこだわりを示してきた。実際に結果を残してより評価を高めてきた。「早くチームを決めて、どんどん自分の可能性を広げる環境に周りの人が協力してくれたおかげでなってきていると思うので、もっと自分を高める1年にして、少しでも早くファンの人に『アイツがいなければダメだ』と言われるようにしなければいけない。早くサポーターの皆さんに認められるように結果にもこだわっていきたい」。自分自身だけではなく、現在同じ舞台で戦っている大学生たちの希望にもなる成績を。大学サッカー界のエースは、自分自身がプロの世界で結果を出すことによって、大学サッカーのレベルの高さも示すつもりでいる。
 
(取材・文 吉田太郎)
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