beacon

[MOM234]専修大MF下田北斗(4年)_関東王者の司令塔が左足で2発

このエントリーをはてなブックマークに追加

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.18 関東大学リーグ1部第8節 専修大5-2中央大 味フィ西]

 王者・専修大に欠かせない左足を持つMFが2ゴールでチームを勝利へ導いた。0-0の前半27分、全日本大学選抜MF下田北斗(4年=大清水高)は右サイドのSB北爪健吾からパスを受けると「普段から(長澤)和輝とか輝(仲川輝人)とかとシュート練習はしている。(北爪)健吾からいいパススピードのボールが入ってきて、ファーストタッチもいいところにおけた。あとは決めてやろうと思って振りぬいた」と左足一閃。中央大の全日本大学選抜GKシュミット・ダニエルを破る豪快な一撃で先制ゴールを決めると、1-1の34分には一度蹴り直しとなりながらもPKをしっかりと決めてチームに主導権をもたらした。

 長短自在のパスで展開を変える左足、そして運動量はこの日もチームを救った。また1年生MF吉村郷史をリードしながら中盤で奮闘。そして前への意識を出して決めた2ゴールによって勝利の立て役者となったが、それでも本人は「点取ったこととかは良かったんですけど、もう少し後半のはじめから中盤にかけてとか、前半の終盤の方とか相手に押し込まれる場面があった。自分がボランチなのでもう少しゲームをコントロールして、自分たちの流れに戻せるようにしていかなければダメかなというのはありました」とチームの運動量、動き出しが少なくなった時間帯にチームをコントロールできなかったことを反省していた。

 J注目の司令塔も大清水高(現藤沢清流高)時代は全国的に無名。「入試の時とかに名前とか聞いて、どこどこユースとかどこの高校とかみんなヤバイなと思いました」と振り返ったように、専大入学当初は同学年の選手たちの「名前」に萎縮した部分もあったという。それでも「自分の武器だと思っているので、そこはチームのプラスになるところだと思うし、自分でも自信を持っている」という左足と運動量を駆使して、2年時には関東大学リーグ1部と全日本大学選手権の2冠獲得に貢献。全日本大学選抜に選出され、Jクラブからも注目される存在となった。

 入学した当初は萎縮した部分もあったが、実力で負けているとは思わなかった。「個人としては凄い差があるとは感じていなかった。足りないところは当然あるんですけど、それを補えるように普段から意識して練習してきましたし、それに加えて左足とか運動量とか自分の特長も伸ばすように意識してきた。和輝とか輝とか先輩にも庄司クン(庄司悦大、現町田)や也真人クン(町田也真人、現千葉)、1コ上の栗山クン(栗山直樹、現千葉)とか雄也クン(鈴木雄也、現Honda FC)とか刺激をくれる人はいっぱいいたので、そういう人たちと一緒にプレーできたことは自分の中で貴重な財産になっていると思います」。タレントたちとの練習で揉まれながら着実に前進してきた。

「まだまだこんなもんじゃダメだと思う」と成長することへ余念がないが、結果を残してきたことが、本人に自信をもたらしている。「ここである程度チームとして結果を出せている。個人としてももっと結果を出したいんですけどチームは勝てているのし、選抜にも選んでもらうことができて、それは自分の自信になっている」。Jリーガーへ駆け上がる1年となる今年、「まだ1年ある」という大学サッカーで満足することなく進化を遂げる。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
第87回関東大学リーグ特集ページ

TOP