beacon

[練習試合]2戦3発!FW呉屋が全日本大学選抜のエース争いを一歩リード

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.7 練習試合 全日本大学選抜2-2関東大学選抜候補 味スタ西]

 関西学生リーグ1部得点王が全日本大学選抜のエースストライカー争いを一歩リードした。5日の流通経済大戦で30分間のみの出場ながら先制ゴールを決めたFW呉屋大翔(関西学院大2年=流通経済大柏高)は、この日も2発。1本目12分にMF端山豪(慶應義塾大2年)のスルーパスから右足シュートを決めると、23分には敵陣でのインターセプトから独走し、切り返しから再び右足シュートを決めた。

「(端山)豪はきのうの練習でもそうだったんですけど、自分のところを見てくれている。いいパスを出してくれるので、動き出したら来るなと思っていたら最高のパスが来た。シュートはボテボテでしたけど。2点目は(和泉)竜司がプレスに行ってくれて、相手のミスだったんですけど、切り返しからのシュートというのはどちらかというとボクの得意な形。上手く練習通りに決めることができました」と振り返った。

 千葉の名門、流通経済大柏ではタレント軍団の中で絶対的な存在だった訳ではない。先発、交代出場のどちらも務めるFWだった。それでも地元である関西の関西学院大へ進学後に大ブレイク。入学1年目からリーグ3位の14得点を挙げると、今年は24得点で関西得点王を獲得するなど今や、関西地区を代表するストライカーとなっている。

「関学へ来て、1年目から試合に出させてもらって、その中で自分も成長させてもらっている。高校の時のチームメートからは『化けたな』とか言われるんですけど、ボク的にはきっかけとかがあった訳ではないです。感覚的にはそんなに変わらない。むしろ、高校の時のほうが自分にプレッシャーをかけていたというか、結果を出さないといけないと自分で自分を押しつぶしていた」。全国で最も選手層の厚いチームで厳し過ぎるポジション争いを経験してきた高校時代。当時はメンタル面をいい方向へ持っていくことができなかったが、続けてきた努力は今、結果として表れている。

 今回の全日本大学選抜では高校時代のチームメートであるFW宮本拓弥(早稲田大2年)や関西得点王を争ったFW澤上竜二(大阪体育大2年)といったタレントとポジション争い。呉屋は「(彼らと)ここでも争うことができる。この合宿に来て自分自身、上手くなりながらやれているなと感じているのでいい経験になっています」と喜ぶ。動き出しの速さ、その回数で違いをつくるストライカーは、2試合でチームの全得点を挙げているほか、前線での迫力のある動き、献身的なプレスなど身体を張った守りで早くも全日本大学選抜の前線の核となっている。

「今シーズンの結果が自分の自信になっていると思う。ボク自身、選抜とか代表とか選ばれたことがあまりないので、(今回の合宿を)楽しみにしていた。今年こういう結果を残したら、来年とかはマークが厳しくなると思う。その中でも結果を出さないと意味が無い。選抜でも自分の地位を掴んでいきたいと思っている。常にこういう選抜とかで上を見てやっていきたい」。現状に満足することなく努力を続け、謙虚に上を目指すFWが全日本大学選抜のエース、世代を代表するFWになる。

[写真]1本目12分、呉屋が右足で先制ゴール

(取材・文 吉田太郎)

TOP