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[MOM290]大阪体育大MF山本大稀(4年)_有言実行の男、MVPまで獲得

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.25 大学選手権決勝 国士舘大1-3大阪体育大 国立]

 準決勝、専修大に勝利した後、マン・オブ・ザ・マッチの選定に迷っていた記者は大阪体育大の選手たちに問いかけた。「MOMは誰だと思う?」。多くの選手がGK村上昌謙(3年=草津東高)を押す中で、一人の選手が猛アピールしてきた。2アシストを記録したMF山本大稀(4年=米子北高)だった。村上にしようかと思っていると伝えると、「じゃあ決勝戦でお願いします。予約しておきます」。結果はご存知の通りハットトリックを達成。有言実行の男は大会MVPまで獲得してみせた。

「ホンマ、やってやろうと思ってた」。有言実行ですねとの問い掛けにヒーローは満面の笑みを浮かべながら答えた。

 大阪体育大は逆転したあとも、完全に主導権を握りながら試合を進めていた。あとはこのリードを守り切るのみ。しかしこの男はまだ得点機会を伺っていた。「滅多に2点取ることがないので。それやったら3点目狙いに行ったろと思った」。すると後半45分、FW澤上竜二(2年=飛龍高)からの横パスを受けた山本は、付いていたDF石川喬穂(4年=広島皆実高)をかわしてシュート。左足から放たれたボールは豪快にゴールネットを揺らし、大体大の勝利を決定的なものにした。

 この日も左MFでプレーした山本だが、本来はFWの位置でのプレーを本職としている。米子北高時代は1学年下で現在ガイナーレ鳥取に所属するFW谷尾昂也と2トップを組み得点を量産。163cmと小柄ながら抜群のテクニックと決定力を武器にストライカーとして活躍した。

 だが今季は、今大会でも絶好調だった澤上、伊佐の2トップが万全だったこともあり、左MFでプレー。「あの2トップには勝てないというのは分かっている」と素直に受け入れた山本は左MFでチームにどう貢献できるかと頭を切り替えて、1年間を戦った。

 結果的に最高の形で終えることになった大学サッカーだが、この後の進路はまだ決まっていない。「レベルの上のリーグでやりたい。これ以上ないアピールは出来たんじゃないかなと思います」。大一番での強さを見せつけたインカレMVPは、プロでのプレーを夢見ている。

(取材・文 児玉幸洋)

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