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“再スタート”のシーズン送る慶大MF渡辺夏彦、「攻めの姿勢」で2年後のユニバも見据える

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[7.12 トレーニングマッチ 関東選抜A2-2関東選抜B]

 貪欲に攻めの姿勢で挑み続ける。慶應義塾大のMF渡辺夏彦(2年=國學院久我山高)は12日に行われた関東大学選抜A・Bのトレーニングマッチに出場。2トップの一角を務めると、距離のある位置からもミドルシュートを狙うなど、積極的なプレーをみせた。

 しかし、自身のゴールはないままに試合は終了。「もう少し色々な意味で攻めたかった。躍動感もなかったし、もっとアグレッシブにやりたかった」と唇を噛んだ。

 大学1年目から結果を残すという強い思いを胸に、國學院久我山高から慶應義塾大へ進学。しかし、ルーキーイヤーの昨季は第五中足骨骨折の手術を受けた影響から思うようにプレーできなかった。最初の故障から約3か月で復帰するも、再び同箇所を傷めて離脱。その後は「コンディションが戻るのに1年もかかって、ようやく今サッカーがちゃんとできている状態」と言う。

 「再スタートの年」と位置づけ迎えた今季の前期リーグ戦。10試合に出場して2得点を決めたFWは「全然物足りない」と険しい表情。「試合に出るのは当たり前だし、そのなかでもっと結果を出していかないといけない。得点やアシストでもっともっと関わらないといけないのに……その部分で数字が出なかった。ゲーム(内容)を良くしたとしても、そこを求めないといけないかなと思う」と話す通りだ。

 本人は不甲斐なさを感じたというが、慶應義塾大でのプレーが評価され、今回の関東大学選抜に選出。この日は背番号10を背負ってプレーした。関東選抜への選出は、2年後に控えるユニバーシアード日本代表入りへのささやかな第一歩になるはずだ。

 大学入学後、世界大会を戦うユニバーシアード日本代表入りも見据えていた渡辺。しかし、故障の影響で選抜から遠のくと、全日本大学選抜候補にも選ばれることはなかった。だからこそ、大学4年生で迎える2年後のユニバは「もちろん、一番意識しているところ」と話す。

「まずは(来年3月の)デンチャレに出る全日本大学選抜のメンバーに入れるように。そのためにはもちろん(関東)選抜やチームでの活躍がつながっていく。一つ一つをしっかりとやっていかないと」と冷静に前を見据えた。

 リーグの中断期間を迎えた今。渡辺は新たにボランチへ挑戦している。慶應義塾大の須田芳正監督と相談し、「僕のようなタイプだと、ボランチもできるようになっておかないといけない」と練習を開始。後期のリーグ戦で実際にプレーするかは不透明だが、「新たに勉強するという意味でも取り組んでいます」と説明した。

 ボランチを務めるにあたり、守備力の向上は必須だが「守備はもちろんですが、一番はボランチにいながらも、いかに前でプレーできるか。さばくだけでなく、いかに前で得点にも絡めるか。それができていけば、かなりいいんじゃないかな」と意気込む。

 1年遅れで“本格始動”した渡辺。前へ前へと進み続けるFWは「今も課題は見つかっている。常に攻めて攻めて、やっていきたい。自分自身に『攻めているか?』と常に問いかけて。そうやっていかないと成長はみられないと思うので。そうやっていきたい」と力強く語った。

(取材・文 片岡涼)

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