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[全日本大学選抜選考会]室伏、矢島、重廣がゴールでアピール!GPSで数値もチェック

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 全日本大学選抜選考会が26日に龍ヶ崎市陸上競技場たつのこフィールドで行われ、45分間3本の紅白戦で選手たちがしのぎを削った。全日本大学選手権(インカレ)決勝へ出場した関西学院大阪南大の選手をはじめとする有望な大学1、2年生の選手たちが各々アピールをみせた。

 2017年の第29回ユニバーシアード競技大会(チャイニーズ・タイペイ)へ向けた強化およびチーム編成を先々には見据えた選考会。まずは目先の大会として、来年3月に控えている地域選抜対抗戦・デンソーチャレンジ杯へ向けてのメンバーを選ぶために紅白戦を行った。

 また、乾真寛技術委員長が監督を務める福岡大がGPSを使った『トラッキングシステム』を開始することもあり、今回の選考会では同システムが試験的に導入された。GNSS搭載モニターによる正確な位置情報を元に、加速や減速など様々な数値を計測。各選手への負荷も数値化されるため、ケガの予防にもつながるのだという。全日本大学選抜の宮崎純一監督は「プレーだけでなく実際の数値を見ることで、選考の参考にしたい」と話す。選手たちはGPSを搭載したベストを着用するなどしてプレーした。

 45分間3本が行われた紅白戦。赤と緑が対戦した一本目では、FW名古新太郎(順天堂大1年=静岡学園高)のパスからMF室伏航(順天堂大2年=市立船橋高)が決めて、1-0で赤が勝利。DF今津佑太(流通経済大2年=流通経済大付柏高)とDF熊本雄太(早稲田大2年=東福岡高)の両CBは完封を収めた。

 赤対青の2本目では、序盤からFW山口一真(阪南大2年=山梨学院大附高)が果敢に仕掛ける。試合が動いたのは42分。山口が左サイドからドリブル突破。最後はFW矢島輝一(中央大2年=FC東京U-18)がシュートを決めて、1-0と青が先制に成功した。終了間際の45分にはMF米田隼也(順天堂大2年=静岡学園高)の突破から、ポストに当たった跳ね返りをゴール前へ詰めていたMF重廣卓也(阪南大2年=広島皆実高)が押し込み、2-0。青が勝利した。

 青と緑が戦った3本目はスコアレスドロー。青は矢島と山口が2本目と同様に仕掛けるも、DFンドカ・ボニフェイス(日本体育大2年=浦和東高)とDF鈴木大誠(筑波大1年=星稜高)の両CBが守るゴールから得点を奪うことはできず。また、青の最終ラインでは、インカレでも強さを見せたDF菊池流帆(大阪体育大1年=青森山田高)が相手の攻撃を幾度も跳ね返した。緑の2列目には慶應義塾大のMF手塚朋克(慶應義塾大2年=静岡学園高)、MF渡辺夏彦(慶應義塾大2年=國學院久我山高)、MF松木駿之介(慶應義塾大1年=青森山田高)が並んだが得点は生まれなかった。

 選考会後、宮崎監督は「この時期のコンディションはまちまちなので、今日のパフォーマンスが全てとは思っていない。秋のリーグ戦やインカレ、選考会を見て、選手を評価している。今日の試合内容に加えて、明日の試合で選手を決めていく」とコメント。今後のチーム作りについては「細かいことは色々ありますが、最後まで選ばれたプライドや責任を果たせるような、最後まで戦える選手を見つけて選考していきたい」と説明する。

 2015年のユニバーシアードを経験しているのが重廣ただ一人となるが、指揮官は「1、2年生の全員が横一線のゼロからのスタート。フレッシュでチャレンジ精神が満ち満ちた選手を招集できるんじゃないか。その方が面白いかな」と前向きに捉えている。3月のデンチャレへ向けては「半分は優勝することが使命。そういう選手が集まってきていますし、それを出せるようなチームにしていきたい」と意気込んだ。

 あす27日にも45分間3本の紅白戦を行うが、今日のメンバー編成からチームは一新する予定。様々な組み合わせで動きを確認する。なお、故障で選考会への招集を見送った選手によっては、次回の合宿で全日本大学選抜へ直接招集するという。

(取材・文 片岡涼)

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