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“関西旋風”に唇噛む筑波大MF鈴木徳真、「夏の全国は俺らが獲るので」

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[3.6 デンソーカップチャレンジ宮崎大会決勝 関東A 1-3 関西]

 吹き荒れる関西旋風に悔しさをのぞかせた。昨夏の総理大臣杯、冬の全日本大学選手権(インカレ)を関西学院大が制したのに続き、今回行われた第30回デンソーカップチャレンジ宮崎大会では、決勝戦で関西選抜が関東Aを撃破。3年ぶりの頂点に立った。試合後、関東Aの選手たちは唇を噛み締め、リベンジを誓っていた。

 かつては関西の選手たちから「打倒、関東!」や「関西勢でもやれることを示したい」という発言が多く聞かれていた。しかし現在は、弱冠様相が異なってきている。現時点でも関東大学1部リーグのレベルは、全チームの平均値でみれば、全国で抜きん出ている状況だ。とはいえ全国大会3大会連続でタイトルを取ったのが関西勢という結果は見過ごせない。加えて、インカレ決勝は関西学院大と阪南大による30年ぶりの関西勢対決だったという事実もある。

 大学サッカー界を引っ張るのは関東勢だと選手たちには強い自覚がある。だからこそ、今回のデンチャレは関西選抜に後塵を拝した悔しすぎる大会だった。準優勝に終わった関東AのMF鈴木徳真(筑波大1年=前橋育英高)は「関西、関西とか言われたくないので。今回はこうなりましたけど、夏の全国(総理大臣杯)は俺らが獲ると思うので。関西ばかりと言われることには悔しい気持ちはありますけど、ここからだと思っている」と発言。

 あえて、強気な言葉を発することで自身へプレッシャーをかけていた。ここから関東勢が巻き返しを図ることで、より大学サッカー全体のレベルは上がっていくに違いない。

 また鈴木徳は大学初年度となった今季、対戦したなかで最も印象深かったのが流通経済大のMF塚川孝輝(3年=広島観音高)だという。「流大と試合をしたときに、塚川さんからプレッシャーを受けたときだけ、半端ではないプレッシャーを感じたんです。圧のようなものがすごくて、後ろを向いてボールを受けたら、やられるだろうなと、足の根元ごと持っていかれるだろうなというイメージがありました」と言う。

「やりたいことをやらせてもらえなかったから、怖かったんでしょうね。そこまでのレベルの選手とは、頭では分かってましたけど、それでもすごかったです。あの試合は本当にインパクトが残っています。大学に来てから一番印象が強い選手です」

 今回の関東Aでは塚川とチームメイトとなり、ともに中盤でコンビを組むシーンもあった。実際にプレーした鈴木は「要所要所で相手をつぶすし、パスも配給できてすごいと思いました」と改めて先輩を称えた。

 一方で鈴木とプレーした塚川は「すごく周りが見えていて、自分にはないサッカー感覚と言うか面白いなと思った。見ていて色々と学べました」と後輩を称え、「まだ1年生でこれからが楽しみな選手。あれだけパスを出したり、視野が広い選手は味方だと心強いですけど、これから敵になるのは嫌ですね」と関東リーグ開幕を見据えた。 


●第30回デンソーカップチャレンジ宮崎大会特集

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