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東福岡から鹿屋体育大進学のMF三宅「自分は一度高校選抜を落とされている」

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[7.16 大学選抜合同選考会 中央大G]

 今春に感じた悔しさを胸に、大学選抜合同選考会へ臨んだ。全国高校選手権を制した東福岡高から鹿屋体育大へ進学したMF三宅海斗(1年=東福岡高)は、16日の選考会でU-19全日本大学選抜の一員としてプレーした。

 全国制覇を遂げた高校選手権後、日本高校サッカー選抜の一員に選ばれた三宅だったが、3月上旬に発表された欧州遠征のメンバーからは落選。苦い思いを抱え、鹿屋体育大へ進学した。九州リーグでは開幕戦・熊本大戦(5-0)で先発デビュー。第2節・西南学院大戦(6-0)では先発フル出場すると、2アシストも記録した。

 その後、熊本地震の影響でリーグ戦は中断したが、総理大臣杯九州予選にあたる第40回九州大学サッカートーナメントでも、鹿屋体育大の主力としてプレー。決勝・九州共立大戦(4-1)でも先発して、チームの優勝に貢献し、夏の全国行きを決めた。

 ルーキーの奮闘ぶりは認められ、九州の地からU-19全日本大学選抜に招集された。全日本大学選抜戦では4-4-2の2列目右サイドでプレー。2本目の関東大学選抜戦では、途中出場した。ドリブルで仕掛けては味方へ効果的なパスを供給したほか、攻撃だけでなく守備でも身体を張るシーンもあった。

 選考会を終えたMFは「自分は一度高校選抜を落とされている。ヒガシでは個はそんなに強くなかったんですが、チームプレーに徹していて。高校選抜でもチームプレーを意識してやったら落とされてしまったので。今回はそれを活かして、自分を出すように。落ちてもいいと思って、とにかく走ろうとやりました」と明かす。

 実際にこの日のプレーは高校時代のそれとは違い、積極的に“自分”を出していこうとする姿勢が垣間見えていた。豊富な運動量で果敢にチャレンジするなど、九州から出てきたMFは爪痕を残した。

 東福岡高時代のチームメイトは全国へ散り散りになった。10番を背負っていたMF中村健人は関東の名門・明治大へ進学。この日の選抜選考会に招集されていたFW中山天彦(近畿大1年)とFW毎熊晟矢(桃山学院大1年)はそれぞれ関西地域でしのぎを削っている。

 三宅は「俺だけ違うところにいる。九州リーグは関東リーグなどとは違って、レベルが落ちるので。でもそこはヒガシでの仲間に刺激を受けながら頑張っていきたい」と強く誓う。

 高校選抜で無念の落選。その悔しさは三宅を一段と逞しくさせた。鹿屋体育大で過ごす、ここからの4年間でかつての仲間たちを越えていく。

(取材・文 片岡涼)

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