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日体大1年生MF伊藤純也は初先発、SH起用もボランチでの勝負を見据える

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初先発を果たした日体大MF伊藤純也

[5.3 関東大学1部L第3節 日本体育大1-3東洋大 江戸陸]

 開幕戦から着実に経験を積んでいる。日本体育大のルーキーMF伊藤純也(1年=FC東京U-18)は開幕から2試合連続で途中出場すると、第3節・東洋大戦では大学リーグ初先発。右SHに入っては長短のパスでリズムをつくった。

 昨季の日本体育大では鈴木政一監督の厳しい目の下ということもあり、前期リーグに出場した1年生は“ゼロ人”という状況。それでも今季は伊藤が開幕からチャンスを与えられている。SHで起用されているが、指揮官は伊藤を「本来はボランチの選手」と認識。「最終ラインが安定しない分、今は守備的なボランチを起用していますが、彼(伊藤)は時間も使えるし、今は右サイドをやらせていますがボランチで起用できるようになればね」と言う。

 本人は「今はボランチで勝負したいというのがあります」と言いつつも、「チームの状況であったり、自分の守備能力の低さは自分自身でわかっているので、そこはチーム優先。今はサイドで出させてもらっているので嬉しいです」と遠慮がちに語った。

 日体大の練習ではボランチに入ることもあるようで、指揮官から「身体が強いわけではないんだから、ポジショニングでカバーしないとだめだ」と厳しく始動を受けている。FC東京U-23の一員として、昨季のJ3で4試合を経験したMFだが、「すごく勉強になっています」という日々を送っているようだ。

 この日の東洋大戦ではSB福田圭佑(4年=横浜FMユース)との連動でチャンスメイクするシーンもあったほか、ボランチとの細かなパスワークで相手を崩す場面もあった。しかし、いずれも得点につなぐことはできず。「連携やテンポのいいパスで崩したりもできたんですが、それがゴールにつながらなかったのが課題です」と唇を噛む。

 出場機会を得ているとはいえ、日本体育大は開幕から3戦未勝利(1分2敗)という状況。「チームが負けているので、自分がチームを勝たせるくらいの選手にならないといけないと思っています。なので悔しいです」と険しい表情を浮かべた。

 FC東京U-18から日本体育大へ進んだが、一足先にプロ入りしているかつての仲間たち、MF 内田宅哉、MF鈴木喜丈、MF岡崎慎、GK波多野豪らの存在がいい刺激となっているようだ。「今はプロでやっている人もいるので、刺激になっています。周囲へのライバル意識、“あいつがやっているから、俺もやらないと”というのは最近すごく思います」と話した。なかでも波多野がU-20W杯メンバーに選出されたことには刺激を受けたという。

 東洋大に1部復帰後初勝利を献上する、少しほろ苦い初先発となったが、下を向いてはいられない。「1年目からスタメンで試合に出るだけでなく、点をバンバン取って数字を残せる選手にならないと、プロにはいけないと思うので。1年目からアシストや得点を残せればいいかなと思います」。

 もちろん先に見据えるのは、かつての仲間が待つ舞台。伊藤は「将来の夢であるプロサッカー選手になるために、数字にこだわってやっていきたい。毎日の練習からアピールしていって、もっと試合で活躍していきたいです」と強く誓った。

(取材・文 片岡涼)
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