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[関東]流経大がダービー制して3連勝!三笘退場の筑波大は202日ぶりの公式戦黒星

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2得点の活躍をみせたジャーメイン(左)

[5.6 第91回関東大学1部L 流通経済大3-1筑波大 たつのこ]

 第91回関東大学1部リーグ第4節1日目が6日に各地で行われた。流通経済大筑波大の“茨城ダービー”が龍ヶ崎市陸上競技場たつのこスタジアムで行われた。流通経済大が3-1で勝利し、リーグ3連勝。一方で昨冬の全日本大学選手権から公式戦10連勝中の筑波大だったが、ついに土がついた。

 流通経済大の中野雄二監督は「ひとつのジャッジが違っていたら展開は変わっていた。どちらが強いとかではなく、これが“ダービー”というものなんだなと」と振り返る。ジャッジに翻弄された一戦は、目の前のチャンスを確実にものにした流通経済大に軍配が上がった。

 この日の筑波大はFW北川柊斗(4年=名古屋U18)が1トップで先発し、磐田内定のFW中野誠也(4年=磐田U-18)はベンチスタート。ゴールマウスはGK森本泰介(4年=栃木ユース)が守った。流通経済大は筑波大同様に4-2-3-1システムで1トップをFW立花歩夢(4年=流通経済大柏高)を務め、2列目右にFWジャーメイン良(4年=流通経済大柏高)が入った。4月10日に行われた天皇杯予選茨城県決勝では流大は筑波大に0-3で敗れており、“リベンジ”の一戦に臨んだ。

 立ち上がりからアクシデントに見舞われたのは流経大。開始1分のプレーで立花が左足首を負傷する。プレーを続行したが同26分に交代。代わってMF渡邉新太(4年=新潟ユース)が入った。これにより、ジャーメインが1列上がりワントップに、渡邉が2列目右を務めた。

 さらに前半終了間際の44分、右サイドFKからのゴール前混戦で今度はMF本村武揚(2年=流通経済大柏高)が左足を負傷。ピッチの外へ出た。一時的に10人になった流経大だったが、ここでゴールが生まれる。前半終了間際のアディショナルタイム3分、左サイドからのショートカウンター。MF石田和希(4年=流通経済大柏高)から受けたジャーメインがPA左へ持ち込み、DF小笠原佳祐(3年=東福岡高)と競り合い転倒し、PKを獲得。自らキッカーを務めると、ゴール左へ沈めた。チャンスを生かした流経大が先制。前半を1-0で折り返す。

 ハーフタイム、流大は前半終了間際に負傷していた本村をMF吉田大河(4年=興國高)に代える。交代カード二枚をアクシデントで消化した。後半が始まり、早い時間帯に追いつきたい筑波大だったが、後半3分にDF小野原和哉(3年=磐田U-18)に対し、高く足を上げてボールを奪いにいったMF三笘薫(2年=川崎F U-18)が二枚目の警告を受けて退場。数的不利に追い込まれる。

 すると後半13分に流大が追加点。左サイドからDF小池裕太(3年=新潟U-18)がドリブルで持ち込むと、PA内にはジャーメインも詰めるなか、迷うことなく左足を一閃。相手DFに当たりつつも、ネットを揺らした。2-0と差を広げる。

 数的不利という状況に加え、2点のビハインドを追った筑波大は後半20分に北川とMF長澤皓祐(3年=FC東京U-18)に代わり、中野とMF西澤健太(3年=清水ユース)を入れる。この交代で流れを変えたいが上手くはまらない。後半26分にはMF浅岡大貴(4年=JFAアカデミー福島U18)の素早いリスタートから中野が飛び出すが、わずかに合わず、時間は過ぎた。同34分にはDF野口航(4年=大津高)に代え、MF高嶺朋樹(2年=札幌U-18)を入れる。

 余裕を持ってゲームを進める流大は後半29分にも決定機。敵陣で奪ったジャーメインが右サイドから持ち込み、中へ折り返す。ファーに走り込んだFW森永卓(4年=流通経済大柏高)はGKと相手DFと交錯。シュートでは終われなかった。それでも後半37分、ハーフウェーライン付近でこぼれたボールにジャーメインが反応。一瞬の抜け出しでDF鈴木大誠(3年=星稜高)を置き去りにすると、圧巻のスピードで切れ込み、左足を一閃。丁寧なシュートはネットを揺らした。3-0と試合を決定付けた。

 突き放された筑波大はMF鈴木徳真(3年=前橋育英高)が果敢にシュートを狙ったほか、右CKから小笠原がヘディングシュートを放つ。いずれも枠を捉えていたが、GKオビ・パウエル・オビンナ(2年=JFAアカデミー福島)の好セーブに泣いた。後半44分には西澤の直接FKでなんとか1点を返すも、そのまま試合は終了。3-1で流大が今季二度目の“ダービー”でリベンジを果たした。

 リーグ開幕黒星スタートとなった流大だったが、3-1の勝利でこれで3連勝。中野監督は「今年はどの大会も筑波大と流大が優勝を争うと私は思っている。負けから入りましたけど、これで3連勝。ホッとしました」と笑顔。「常に優勝を意識して、そういう順位でやっていけることは大切」と語った。
 
 一方、天皇杯予選なども含む公式戦では、12勝2分で10連勝中だった筑波大。昨年10月16日に行われた関東大学リーグ第18節・順天堂大戦(0-1)以来となる、実に202日ぶりの黒星を喫した。

(取材・文 片岡涼)
●第91回関東大学1部L特集

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