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[MOM450]東京農業大MF石田明(1年)_持ち味生かした“球際の潰し”で同点弾の起点に

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中盤で攻守に身体を張ったルーキー石田

[6.24 関東大学2部L第11節 神奈川大1-1東京農業大 国士舘大町田C]

 悪夢の3連敗を経験しながらも直近5試合を負けなし(2勝3分)で終え、前期を5位で折り返した東京農業大。MF影森宇京(2年=浦和ユース)が「怪我人も出て、毎試合メンバーが変わる中でチーム力が身についた」と語るように、逆境の中で選手たちは少しずつ成長を見せていった。

 その中でひと際存在感を放つのがルーキーMF石田明(1年=三菱養和SCユース)だ。中盤でボランチとしてプレーする石田の持ち味は球際での強さ。的確な判断でボールを奪う能力の高さに、三浦佑介監督も「中盤で潰してくれるし、拾ってくれる」と太鼓判を押す。

 前期最終節・神奈川大戦でもその能力を遺憾なく発揮し、中盤でピンチを潰していくと、最大の見せ場は終了間際の後半42分に訪れる。先制して勢いに乗る神奈川大は終盤になっても攻めの形を崩さない。自陣で守備を固めるしかない状況で、石田が一か八かのタックルを仕掛けた。

 PA手前で強引にボールを奪いにかかると相手選手は宙を舞い、周りも一瞬息を呑む。「アフター気味のタックルだったのでファウルかもと思ったんですけど……そのままマイボールにできました」とこぼれたボールをすかさず拾い、一気にカウンター。中盤のMF牧寛史(3年=川崎F U-18)に渡し、スムーズに最前線へ運んでいく。パスを受けた影森がPA内左から冷静にゴールを決め、1-1のドローに持ち込んだ。

 19歳のルーキーは第2節・東海大戦(2-0)で大学リーグ戦先発デビュー。「同じユース出身の先輩であるMF金裕志(4年=三菱養和SCユース)くんや同じ1年生の大型レフティーMF小山珠里(1年=成立学園高)くんにポジションを奪われることもあるんですけど、モチベーションを落とさず日頃の練習から取り組んでいるので、少しずつ試合に出られています」と意識高く練習に臨み、直近2試合は先発を勝ち取った。

 球際でのボール奪取能力について「中学の頃から負けず嫌いで。ボールを取られるのがすごく嫌で、球際の技術を学習して積み重ねた」と経緯を語る。「ビルドアップ時のポジショニングやボールを受けてからの判断はまだまだなので、強みを生かしつつ、夏は課題を克服していきたいです」と努力を惜しまない姿勢が、先発獲得の大きな要因になった。

 入学早々にチャンスを掴み、早い段階で経験を積むことができた。後期の目標は簡潔に「昇格です」と話す。「自分はまだ1年生なので、今年昇格して残り3年間をしっかり1部で結果出して。その後プロに行けるように頑張りたいです」。自分の持ち味を理解して着実にこなす、職人気質なルーキー・石田の成長が1部昇格の鍵になっていく。

(取材・文 石川祐介)
●第91回関東大学1部L特集

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