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“香川似”ルックス注目もプラスに…「最初はそれでいい」、ユニバで世界に中野誠也の名を

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FW中野誠也はユニバーシアード大会で日本を初優勝に導けるか

 未来のスター軍団の集まりでも放つ輝きが違う。「彼はバケモンなので」。筑波大の先輩で昨年の主将、現在はいわきFCでプレーするFW高柳昂平も一目置く存在。FW中野誠也(4年=筑波大)が圧巻のパフォーマンスで魅せた。

 大学生の目玉と目されていた中野だが、今年1月に早々に“古巣”であるジュビロ磐田への来季入団を決断。Jリーグ内定選手となって、自らにプレッシャーをかけて、新シーズンに臨んだ。

 しかしそんな心配をよそに、関東大学リーグでは2位にダブルスコアを付ける勢いで得点ランキングトップを独走。Jリーグクラブを相手にした天皇杯でも3戦すべてで得点、5得点を記録するなど、爆発的な活躍を続けている。

 全日本大学選抜のエースとしても期待が集まる中野は、14日のU-20日本代表戦で2得点を決めると、15日のいわきFC戦でも1得点。いわきFC戦の得点は左サイドから独特の間合いのドリブルで切り込むと、右足でコースにしっかり蹴り込んだものだった。

 左右逆だが、オランダ代表FWアリエン・ロッベンを彷彿とさせるようなゴール。ただ本人は「自分の中であの形はもともとある。最近あの形で取れていなかったけど、上手く振り切れた。自分の中ではいい収穫かなと思います」と涼しい表情で言ってのける。

 そのルックスはやはり日本代表の10番MF香川真司(ドルトムント)が重なる。ゴールパフォーマンスを真似ることもあり、本人も十分に意識している。直接的な面識はまだなく、「本当に尊敬する選手。いつか会えれば」という憧れの存在だが、「追いつけ追い越せでやっていかないといけない」ことも分かっている。

「最初はそれで有名になるのはうれしいことですが、最終的には実力で評価されたい。顔が似ていることは注目されていますけど、結果を出していることでも注目されていると思うので、この調子でやっていきたい」

 今月13日には磐田の特別指定選手に承認された中野。「一日でも早く出たいという気持ちはもちろんある」というが、その前に大学日本代表のエースとして、世界で結果を出さなければいけない。2年に一度のユニバーシアード大会。そんな大会を4年生で迎えるというのも、中野の運命なのかもしれない。

「メンタル面でもっと戦っていかないといけない。みんなで話し合っていかないといけない。でも今はいいメンタルで出来ている。みんなしっかりやること意識してやれている」

 エースとして、チームリーダーとしての自覚。香川2世ではない中野誠也の名を世界に売る絶好のチャンスだ。

(取材・文 児玉幸洋)

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