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[MOM466]慶應義塾大MF渡辺恭平(4年)_“あと半年で証券マン”が千金弾

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顎ひげを生やした姿が印象的なMF渡辺恭平(4年=新潟高)が値千金のゴールを奪った

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.23 関東大学1部L第13節 法政大1-2慶應大 BMWス]

 苦労人の初ゴールが千金弾になった。1-1で迎えた後半45分、MF近藤貫太(4年=今治西高)が右サイドから絶妙なボールをDFとGKの間に送ると、左サイドから走り込んだMF渡辺恭平(新潟高)の右足にピタリ。「絶対にいいボールが上がってくると信じていた」。顎ひげを生やした姿が印象的な4年生が、慶應義塾大に9戦ぶりとなる勝利を呼び込んだ。

 渡辺恭は9月初旬に右足首を負傷。約3週間のリハビリ期間を経て、先週の練習から復帰したばかりだった。後半27分からの出場だったが、「5分くらいで体力が切れちゃった」という。ただこの日は集中応援日。チアガールなど多くの人が詰めかけた応援団の声援が背中を押した。「応援が力になりました」と最後の力を振り絞って、無我夢中でゴールを目指した。「最後は当てるだけでしたけど。いいところをもらっちゃいましたね」。

 一浪して慶大に進学した苦労人でもある。入学当初はブランクがあったことで、4年間サッカーを続けたとしても関東リーグ戦に出れるとは思っていなかったという。それでも努力を続けると、4年生になった前期第7節の東洋大戦で初めてメンバー入り。同試合でデビューも果たし、前期は2試合に出場した。

 卒業後は大手証券会社への入社が内定しており、あと半年でサッカー人生にピリオドを打つことになる。今季は屈辱的な残留争いを演じることになっている慶大だが、この日の勝利で降格圏も抜け出した。「まず残留を決めることが大事。一戦一戦が決勝戦のつもりで戦うことが大事になる」と渡辺恭も気合十分。サッカー人生に悔いを残さないためにも、この日のように最後の最後まで力を振り絞る。

(取材・文 児玉幸洋)
●第91回関東大学1部L特集

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