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[関東]勢いの差…順大はエース旗手弾などで連勝街道突き進む、完封負け明治大は8位後退

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頭を丸めたFW旗手怜央(2年=静岡学園高)の後期初ゴールなどで順大が連勝を伸ばした

[10.1 関東大学1部L第14節 順天堂大2-0明治大 佐倉市岩名運動公園陸上競技場]

 第91回関東大学1部リーグの第14節2日目が1日に行われた。佐倉市岩名運動公園陸上競技場で行われた第2試合では、順天堂大明治大を2-0で下した。4連勝の順大の勝ち点は31。首位の筑波大も勝利したため、勝ち点差1は変わらない。明治大は2戦ぶりの敗戦で8位に後退した。

 開始直後に明治大をアクシデントが襲った。相手の蹴った強いボールがDF岩武克弥(3年=大分U-18)の顔面を直撃して、その場に倒れ込んだ。一旦は試合続行を示す「○」サインが近寄った選手から出されたが、岩武は起き上がることが出来ない。担架でピッチ外へ運ばれると、前半12分にDF岸本英陣(4年=帝京大可児高)との交代を余儀なくされた。

 その後、岩武は救急車で病院に搬送された。ただ栗田大輔監督によると、試合直後の情報では大事には至っていないということだ。

 しかしそれによってリズムは狂うことはなく、試合の緊張状態は保たれた。前半20分の明治大MF安部柊斗(2年=FC東京U-18)のミドルシュートや、順大は同38分にCKのこぼれ球をMF毛利駿也(4年=山梨学院大高)が押し込んで相手ゴールに迫ったが、いずれもゴールネットが揺れることはなかった。

 しかしスコアレスで折り返すかと思われた前半アディショナルタイム1分、均衡が破れる。左サイドで粘ってMF米田隼也が折り返すと、FW旗手怜央(2年=静岡学園高)が右足を振りぬく。「(ボールが来るのを)読んでいた。上手く押し込めた」というエースの後期初ゴールで、順大が1点リードで前半を折り返した。

 さらに後半12分、順大に効果的な追加点が生まれる。FW杉田真彦(4年=静岡西高)のパスを右サイドで受けた毛利が、ミドルレンジから左足を振りぬく。狙いすましたシュートはゴール左隅に突き刺さった。

 2点ビハインドの明治大は後半22分までに交代カードを使い切って勝負に出る。しかし同31分の相手の隙を突いて早めに入れたCKからFW木戸皓貴(4年=東福岡高)が狙ったシュートはDFに阻まれる。同39分のCKをDF袴田裕太郎(3年=浜松開誠館高)が合わせたシュートも枠左に外れていった。

 結果的には優勝を争うチームと、残留争いに巻き込まれようとしているチームの勢いの差が見える試合となった。首位の筑波大を1差で追い、1990年以来2度目となる優勝に向け士気を高める順大に対し、明治大は専修大にかわされて8位に後退した。

 明治大は先発メンバーには浦和レッズへの入団を決めているMF柴戸らタレントが並ぶが噛み合わない。後期リーグに強い印象のある明治大だが、降格圏の日本体育大と勝ち点差7では、下位を意識しないわけにいかない。「例年のチームに比べて勝負弱い」と話す柴戸は、「内容はそこまで悪くなかったかもしれないが、結果を残すことが重要」と勝敗にこだわる意識を再確認していた。

(取材・文 児玉幸洋)
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