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43年ぶり屈辱から1年…“個性派軍団”国士舘大の1部復帰が決定!

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国士舘大の1部復帰が決定した

[11.5 関東大学2部L第20節 国士舘大1-1東京学芸大 多摩市立陸上競技場]

 国士舘大の1部昇格が決定した。5日に行われた関東大学サッカーリーグ2部の第20節で東京学芸大と対戦した国士舘大は、1-1でドロー。早稲田大に敗れて3位に入れ替わった中央大との勝ち点差が「7」となったことで、2節を残しての1部復帰が決定した。ただ優勝決定は次節以降にお預けとなっている。

 昨季、43年ぶり2度目となる降格の屈辱を味わった国士舘大が、1年での立て直しに成功した。2部を戦った今季は5連勝と開幕ダッシュに成功すると、前期を8勝2分1敗の首位ターンに成功。後期も連勝を続けて、リーグ戦を独走した。

 しかしこの日の試合も前節の後期初黒星を喫した中央大戦同様、苦しい試合になってしまった。開始2分にMF岸寛太(4年=FC東京U-18)にミドルシュートを決められ、いきなり追う展開になると、シュートは打てども打てども決まらない。

 唯一、前半15分にMF荒木翔(4年=日本航空高)が左サイドから上げたクロスが相手のハンドを誘発。これで獲得したPKを主将MF平野佑一(4年=國學院久我山高)が決めて同点に追いついたが、前半だけでシュート11本を放ちながら得点はこの1点のみに終わった。

 後半も国士舘大がボールを保持して進めたが、得点は相変わらず決まらない。12分に平野が打ったミドルシュートは相手に当たってコースが変わったが、GK木村真(3年=柏U-18)にキャッチされる。同20分に放ったシュートがGKにキャッチされたFW大石竜平(3年=清水桜が丘高)は地面を蹴り上げるようにして悔しさを露にした。

 引き分け以上で昇格を決めることは試合前から分かっていたが、いざ結果がドローに終わると、試合終了の瞬間の選手たちに笑顔はなかった。しかし記念撮影のためにゴール裏に集まった部員らのもとに集まると、自然と笑顔がこぼれるようになった。

「前節もそうだったが、(選手たちは)勝って昇格を決めるということをかなり意識していた。最初の失点なんてありえない」と試合内容については渋い表情で振り返った細田三二監督も、イレブンが残した1年で1部復帰という結果は評価した。来年はJリーグ入りする3選手(平野、荒木、山口和樹)が抜けた戦いになるが、「そこそこいい選手が入ってくる」と新たに入学する予定の選手にも手ごたえがあると話した。

 国士舘大は自他ともに認める個性派集団。主将の平野に言わせると、現3年生は特に個性が強いという。「ハマったときの強さはあるが、まとまり切れなければ暴走してしまうのではないか」ともろ刃の剣であることを懸念する。それでもやはり爆発力は大きな武器。メンタル面の成長が来季の1部の成績に直結することになりそうだ。

 最後に平野は「国士舘は1部に戻るだけのチームではない。優勝目指せるようなチームになることが国士舘だと思う。昇格したことに甘んずることなく、今年よりさらにダイナミックなサッカーをして、強い国士を見せつけてほしい」と後輩たちにエールを送っていた。

(取材・文 児玉幸洋)
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