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[関東]王者の面影なく…筑波大が開幕戦で4失点と崩壊、明治大が快勝発進

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明治大が4発快勝発進を決めた

[4.7 関東大学L1部第1節 筑波大1-4明治大 味フィ西]

 戦国リーグ戦は開幕節から大波乱だ。4月7日、第92回関東大学サッカーリーグ戦が開幕。味の素フィールド西が丘の第1試合では、昨季王者の筑波大が登場したが、1-4で明治大に大敗を喫した。また第2試合では昨年末の大学選手権を優勝した流通経済大が、専修大に1-2でこちらも敗れる波乱があった。

 昨季王者の面影はなかった。序盤から試合は明治大ペース。前半12分のMF森下龍矢(3年=磐田U-18)に打たれたミドルはポストに救われたが、押し込まれる展開は続く。同20分に一瞬の隙を突いてMF渡邊陽(2年=浦和ユース)が切り返しでDFを外してゴール右隅に蹴り込んで先制に成功したが、同33分にMF渡辺悠雅(4年=横河武蔵野FCユース)に同点ゴールを許して、同点で折り返されてしまう。

 そして後半に入るとさらに厳しい展開になる。後半3分、ゴール前の混戦からオウンゴールで勝ち越し点を与えると、同8分にはMF安部柊斗(3年=FC東京U-18)のパスでエリア内に入ったFW村田航一(4年=日章学園高)に追加点を決められ、あっさりリードを広げられる。

 何とか流れを変えようと、後半18分からFW窪田翔(2年=星稜高)を投入して前線の配置を変えるが、効果はなかなか現れない。逆に同29分、CKからDF袴田裕太郎(4年=浜松開成館高)にダメ押し点を決められてしまう。トータルシュート数の7本対18本が示す通り、内容面でも完敗を喫した。

 昨年の筑波は勝利数、勝ち点で歴代記録を更新。失点数もリーグ最少失点記録タイで、“史上最強”の名を欲しいままにした。エースのFW中野誠也(→磐田)や昨季MVPのMF戸嶋祥郎(→新潟)、主将FW北川柊斗(→山形)ら攻撃の核となった選手は抜けたが、後ろの陣容は変わっていなかっただけに、開幕戦の4失点崩壊は衝撃の結果となった。

 ちなみに筑波大がリーグ戦で4失点するのは2部リーグを戦った15シーズン以来3年ぶり。1部リーグでは14シーズンに駒澤大戦で喫して以来のことだ。

 小井土正亮監督も頭を抱える。「見ての通りの試合。力のなさを感じた。得点のにおいがしないまま90分を終えてしまった。かなり重症ですね」。絶対的なFWがいないことで全体のバランスが崩れているとする指揮官は「攻撃の悪さでリズムに乗り切れていない。自信を取り戻さないといけない」と言い聞かせるように話した。

 一方の明治大にとってはこれ以上ないスタートになった。昨季は2戦連続して0-2で敗れていた相手から4得点を奪っての快勝。内容的にはもう少し点が取れていてもおかしくない試合だった。MF森下龍矢の左MFでの起用など、栗田大輔監督の采配も当たった。栗田監督は「強い筑波に勝てたことは嬉しい」と話すと、「決定力の部分やサイドのところでスライドが遅れたりする場面があった。そういう厳しさを持って見て行かないと、1年間戦えないと思う」と勝って兜の緒を締めていた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第92回関東大学L特集

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