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[関東]壮絶な打ち合いを制したのは筑波大!!GK退場の駒澤大、10人で追いつくも一歩届かず

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筑波大が壮絶な打ち合いを制した

[6.17 関東大学1部L第10節 筑波大4-3駒澤大 駒沢]

 関東大学リーグ1部の第10節2日目が17日に行われ、筑波大駒澤大を4-3で下した。筑波大は今季2度目の2連勝で勝ち点を15に伸ばし、2位と勝ち点2差の6位に浮上した。

 壮絶な試合になった。試合は開始1分で動く。筑波大は右サイドからDF会津雄生(4年=柏U-18)がクロスを上げてチャンスを作ると、前節からFWに転向した小笠原佳祐主将(4年=東福岡高)のヘッド、2試合連続弾で先制に成功する。

 しかし駒大もすぐに反撃。前半7分に左サイドからMF薬真寺孝弥(2年=長崎総科大附高)が上げたCKをDF伊勢渉(4年=神戸国際大附高)が頭で合わせて同点。さらに同17分にはまたもセットプレーの流れからDF星キョーワァン(3年=矢板中央高)が頭でねじ込み、試合をひっくり返した。

 ただ筑波大も負けていない。前半28分、会津のクロスは相手GKに跳ね返されたが、MF三笘薫(3年=川崎F U-18)が戻して混戦を作ると、MF西澤健太(4年=清水ユース)が押し込んで、再び試合が振り出しに戻った。

 一進一退のシーソーゲーム。だが前半33分に試合の流れを大きく変える“事件”が起こる。駒大は筑波大のMF渡邊陽(2年=浦和ユース)に裏への抜け出しを許すと、GK角井栄太郎(4年=三浦学苑高)がたまらずファウルで倒してしまう。

 エリア外だったが、決定機阻止として角井にはレッドカードが提示される。駒大はMF高田和弥(4年=C大阪U-18)を1枚削り、GK松村優太郎(3年=長崎総科大附高)を投入。10人での戦いを強いられることになった。

 そしてここからは駒大の混乱を突くように、筑波大が前半終了まで攻め続ける展開になる。そして前半終了間際のアディショナルタイム1分、縦への早い攻撃を見せると、渡邊のスルーパスで抜け出した三笘が右足つま先でコースを変えて流し込み、再逆転に成功した。

 しかしこの試合はこのままでは終わらなかった。後半に入ると、「行くところと行かないところを確認した」(星)と修正を図った駒澤大が、カウンターからたびたびチャンスを作る。後半20分のFW高橋潤哉(3年=山形ユース)のシュートはGK櫻庭立樹(1年=札幌U-18)の好セーブに防がれ、直後のMF中原輝(4年=ルーテル学院高)のクロスはポストに弾かれたが、同33分、高橋が右サイドからドリブルで仕掛けると、最後は左サイドでボールを受けたMF坂本和雅(4年=聖和学園高)が力強く蹴り込み、ついに同点に追いついた。

 ただ駒大の歓喜もつかの間、筑波大が2分後に再び突き放すことになる。MF池谷祐輔(1年=川崎F U-18)から出たパスを途中出場のMF長澤皓祐(4年=FC東京U-18)が左隅に収める。これが壮絶な試合に決着をつけるゴールになった。

 疲れ切った様子の筑波大の小井土正亮監督だが、「後半の戦いには反省することはあるが、とにかく勝ち点3が取れて良かった」とまずは安堵。FWに転向して2試合連続ゴールの小笠原については、「ザ・ストライカー。ピッチの中のリーダーとしてやってくれている」とたたえていた。

 一方の粘りをみせた駒大。試合終盤には秋田浩一監督がテクニカルエリアぎりぎりまで飛び出し、大声で選手たちを鼓舞する執念も見られたが、あと一歩届かなかった。星は「同点に追いついたあとに失点してしまったのは自分たちの弱さだと思う」と反省。ただし筑波大との壮絶な打ち合い、さらに一時は11年ぶりに首位に立つ快進撃を見せたこともあり、「自分たちの戦いをすれば勝てるということが分かった」と手ごたえも話していた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第92回関東大学L特集

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