[MOM553]順天堂大FW三國スティビアエブス(2年)_ストライカーとして新たな一歩

FW
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.16 関東大学L1部第12節 順天堂大3-2国士舘大 岩名]
前半は、1部最下位の国士舘大に2点を許す最悪な状況。それをひっくり返し、順天堂大の逆転勝利に貢献したのが、FW三國スティビアエブス(2年=青森山田高)だった。
後半開始早々の4分には、ペナルティーエリア内に切れ込み、相手のファウルを誘ってPKを獲得。キックはFW旗手怜央(3年=静岡学園高、川崎F内定)に譲ったが、このゴールから試合の流れは大きく変わった。後半の40分には、MF名古新太郎(4年=静岡学園高、鹿島内定)のCKを折り返し、DF村松航太(3年=清水ユース)の同点弾をお膳立て。さらには終了間際の後半43分、フリーの状態で前線まで持ち上がると右サイドへとボールを展開。これを受けたMF白井海斗(1年=清水桜が丘高)のクロスから、MF新関成弥(1年=清水ユース)の逆転弾が生まれた。
3得点すべてに絡む活躍を見せた三國だが、前半のプレーはさっぱり。国士舘大のセンターバック、住吉ジェラニレショーン(3年=日大藤沢高)の徹底したマークを振り切れずに苦しんだ。
転機となったのは、ハーフタイムの旗手のひと言だった。
「“なんでお前は、ガチガチくる住吉のところにくっついてるんだ?”って怜央くんにそう言われて前半のプレーを思い浮かべたら、確かにそのとおりだった」
後半は「2メートルは空けてボールを受けられるように」距離感を意識した。「前半はボランチの間にスペースがあった。そこを使えていれば、簡単にボールを受けられたのに」という反省もあった。そうすれば「ディフェンスの背後に出るという、自分のよさが出せるし、必ずいいボールがくるはず」。
狙いは的中。三國も順大も、後半は見違えるような動きで国士舘大に攻め込んだ。
ただ、「FWとして出場している以上は点を取りたい。取るチャンスはあった。そこでとれないというのが自分の実力」との反省もある。
FWでの出場を堀池巧監督から告げられたのは、前期半ばの5月、第6節の駒大戦の直前だった。「センターバックやサイドハーフは予想していたけど、FWはまったく予想していなかった」というが、後半の22分に途中交代で出場すると2ゴールを挙げる活躍で順大の勝利に貢献。
しかしその後は、ポジションがDFに戻ったり、FWとして出場しても途中出場だったりと、FWへ転向したと断言できない状態が続いた。
しかし、後期初戦となるこの試合では初のスタメンでのFW起用。「監督には先週くらいからFWでといわれていたし、練習も紅白戦もずっとFWだったから動き出しなども意識していた」と満を持して試合に臨んだ。
点を取れなかったという課題はあるが「駒大戦に比べればプレー時間も長かったし、苦しい時間帯も落ち着いてからのプレーも、いろいろ経験できた。課題は見つかったが、満足感は今日のほうがある」と三國。「自分はFWを始めたばかりで、まだ全然できていない部分ほうが多いと思う。怜央くんのように、足元で受けてキープすることもまだ得意じゃない。だからまずは走りの部分、相手の裏に抜けるというところで勝負していきたい」と意気込む。
決して“奇策”ではない。ストライカーとしての可能性を秘め、三國が新しい一歩を踏み出そうとしている。
(取材・文 飯嶋玲子)
●第92回関東大学L特集
[9.16 関東大学L1部第12節 順天堂大3-2国士舘大 岩名]
前半は、1部最下位の国士舘大に2点を許す最悪な状況。それをひっくり返し、順天堂大の逆転勝利に貢献したのが、FW三國スティビアエブス(2年=青森山田高)だった。
後半開始早々の4分には、ペナルティーエリア内に切れ込み、相手のファウルを誘ってPKを獲得。キックはFW旗手怜央(3年=静岡学園高、川崎F内定)に譲ったが、このゴールから試合の流れは大きく変わった。後半の40分には、MF名古新太郎(4年=静岡学園高、鹿島内定)のCKを折り返し、DF村松航太(3年=清水ユース)の同点弾をお膳立て。さらには終了間際の後半43分、フリーの状態で前線まで持ち上がると右サイドへとボールを展開。これを受けたMF白井海斗(1年=清水桜が丘高)のクロスから、MF新関成弥(1年=清水ユース)の逆転弾が生まれた。
3得点すべてに絡む活躍を見せた三國だが、前半のプレーはさっぱり。国士舘大のセンターバック、住吉ジェラニレショーン(3年=日大藤沢高)の徹底したマークを振り切れずに苦しんだ。
転機となったのは、ハーフタイムの旗手のひと言だった。
「“なんでお前は、ガチガチくる住吉のところにくっついてるんだ?”って怜央くんにそう言われて前半のプレーを思い浮かべたら、確かにそのとおりだった」
後半は「2メートルは空けてボールを受けられるように」距離感を意識した。「前半はボランチの間にスペースがあった。そこを使えていれば、簡単にボールを受けられたのに」という反省もあった。そうすれば「ディフェンスの背後に出るという、自分のよさが出せるし、必ずいいボールがくるはず」。
狙いは的中。三國も順大も、後半は見違えるような動きで国士舘大に攻め込んだ。
ただ、「FWとして出場している以上は点を取りたい。取るチャンスはあった。そこでとれないというのが自分の実力」との反省もある。
FWでの出場を堀池巧監督から告げられたのは、前期半ばの5月、第6節の駒大戦の直前だった。「センターバックやサイドハーフは予想していたけど、FWはまったく予想していなかった」というが、後半の22分に途中交代で出場すると2ゴールを挙げる活躍で順大の勝利に貢献。
しかしその後は、ポジションがDFに戻ったり、FWとして出場しても途中出場だったりと、FWへ転向したと断言できない状態が続いた。
しかし、後期初戦となるこの試合では初のスタメンでのFW起用。「監督には先週くらいからFWでといわれていたし、練習も紅白戦もずっとFWだったから動き出しなども意識していた」と満を持して試合に臨んだ。
点を取れなかったという課題はあるが「駒大戦に比べればプレー時間も長かったし、苦しい時間帯も落ち着いてからのプレーも、いろいろ経験できた。課題は見つかったが、満足感は今日のほうがある」と三國。「自分はFWを始めたばかりで、まだ全然できていない部分ほうが多いと思う。怜央くんのように、足元で受けてキープすることもまだ得意じゃない。だからまずは走りの部分、相手の裏に抜けるというところで勝負していきたい」と意気込む。
決して“奇策”ではない。ストライカーとしての可能性を秘め、三國が新しい一歩を踏み出そうとしている。
(取材・文 飯嶋玲子)
●第92回関東大学L特集