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[関東]相馬2発!“勝ち方思い出した”早稲田大が涙の後期初勝利で再び独走態勢

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早稲田大がFW相馬勇紀の2発で競り勝った

[9.30 関東大学L1部第14節 早稲田大3-2専修大 BMWス]

 9月30日、関東大学サッカー1部の第14節がBMWスタジアムで行われ、第2試合では早稲田大専修大に3-2で競り勝ち、後期初勝利をあげた。2位の明治大との勝ち点差は7に広がり、再び独走態勢を整えた。

 前半9分にセットプレーの混戦をDF杉山耕二(2年=三菱養和SCユース)が押し込んで先制した早大だったが、同42分、早大の外池大亮監督が「僕からみても素晴らしかった」と称えたほどのDF小林岩魚(4年=甲府U-18)の正確無比なクロスからFW鈴木厚太(3年=飛龍高)のヘディングで追いつかれ、同点でハーフタイムを迎える。

 しかしJリーグを経験して一回り大きくなった背番号11が苦戦するチームを救う。後半28分、早大は右サイドのスローインからチャンスを作ると、FW武田太一(3年=G大阪ユース)のクロスにMF相馬勇紀(4年=三菱養和SCユース)が、2年時の日体大戦以来だという人生2度目のヘディングを決めて勝ち越しに成功。同31分にはFW岡田優希(4年=川崎U-18)の強引な突破からエリア内でこぼれたボールを相馬が右足ダイレクトで押し込み、リードが2点に広がった。

 後半31分の場面は反省が生きたゴールシーンでもあった。相馬は今夏、入団が内定している名古屋グランパスに特別指定選手として参加。5試合で4アシストを記録する“衝撃デビュー”を飾った。しかし得点を奪えなかったことで悔しさがあるといい、特に8月19日の鳥栖戦であったガブリエル・シャビエルのパスを受けた際の決定機を外してからは、20本から30本のダイレクトシュートの練習を毎日課していたのだという。

 後半45分にMF中山克広(4年=麻布大附高)にヘディングで押し込まれ、1点差に詰め寄られたが、終了間際のアディショナルタイム4分にMF下田悠哉(4年=三菱養和SCユース)に許したミドルをGK小島亨介(4年=名古屋U18)がビッグセーブをみせるなど、同点弾は許さなかった。守り切っての勝利。「勝った瞬間に自然と涙が出てきた。こんな経験初めて」というDF大桃海斗(3年=帝京長岡高)は、「一試合一試合分析したことが実った。勝てたことが嬉しい」と目を潤ませながらも表情に充実感を漂わせた。

 前期を2位に勝ち点8差で折り返した早大だが、総理大臣杯の初戦で鹿屋体育大に4失点して敗れたあと、関東リーグの後期初戦は明治大に6失点完敗。そして前節は桐蔭横浜大に3失点してドローに持ち込まれていた。「みんな最後は倒れ込むくらいまで頑張った。こうやって勝つんだと思い出せた」(相馬)。勝ち点3が何よりの良薬。3年ぶりのV奪還へ向け、臙脂軍団が再び加速を始めた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第92回関東大学L特集

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