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劇的すぎる!!日本大がラストプレーFK&PK戦制して関東2部へ1年で返り咲き

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日大が2年ぶりに関東2部に復帰する

[11.17 昇格決定戦 日本大2-2(PK5-4)山梨学院大 埼玉スタジアム第3グラウンド]

 関東リーグへの昇格決定戦が17日に埼玉スタジアム第3グラウンドで行われ、日本大山梨学院大をPK戦の末に下し、1年での関東2部返り咲きを決めた。

 劇的すぎる幕切れだった。日大が1-2と1点ビハインドの延長後半アディショナルタイム、MF金子拓郎(3年=前橋育英高)がドリブルで相手陣内に侵入。DFオ・ジュンハク(4年=安東高)に倒され、ゴール前右でFKを獲得する。キッカーは金子。集中力を高めると、左足から放たれたボールは壁の左を抜いて、ゴール左隅に吸い込まれていった。

 直後に試合終了のホイッスル。完全に流れを引き寄せた日大は続くPK戦、先攻・山梨学院大の一人目のFW阿部優澄(3年=山梨学院高)のシュートをGK山内康太(1年=甲府U-18)が完璧にストップ。対する日大は全員が成功。勝負を決める5人目、DF藤原大輔(4年=広島皆実高)のPKが決まると、応援席からも部員がなだれ込み、歓喜の輪を作った。

 苦しい試合だった。圧倒的に攻め込むものの、山梨学院大に少ないチャンスを確実に仕留められて、常に先行を許す展開。しかし前半29分に阿部にゴールネットを揺らされたあとの同39分に金子のクロスからこぼれ球をFW岡安優(1年=水戸ユース)が、前に出たGKを冷静に見定めるシュートで同点弾を決める。

 延長前半に再び阿部に今度はCKから阿部にゴールを決められ勝ち越しを許したが、抜群の勝負強さ、粘り強さを発揮し、絶対に欲しかった勝利を手繰り寄せた。

 照明設備の乏しい埼玉スタジアム第3グラウンド。時計は午後5時に近づき、辺りはすっかり暗くなった。ただ日大イレブン、そして応援席の熱は冷めることがない。「俺、この大学に入ってこんな感動したことない!」。応援席からはそんな声が多く聞こえてきた。

 歓喜の同点弾を蹴り込んだ金子も「痺れましたね」と興奮気味。「この決定戦に勝つためだけに今年1年やってきた」と振り返ると、「個人としても関東リーグでやれる自信がある。頼りになる1年生もいるし、頑張りたいです」。逞しくなって帰ってきた日大が、来季の関東2部で主役になる。

(取材・文 児玉幸洋)

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