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[関東]開幕4連敗の東洋大が涙の今季初勝利!中央大は“東洋大の姿”に我に返る

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試合終了の瞬間、東洋大の選手の多くがその場にしゃがみ込んでしまった

[5.6 関東大学L1部第5節 東洋大3-1中央大 柏の葉]

 第93回関東大学サッカーリーグ1部の第5節が6日に行われ、東洋大中央大を3-1で破り、今季初勝利を挙げた。勝ち点3を獲得した東洋大は最下位を脱出し、10位に浮上。今季初黒星で勝ち点10のままとなった中央大は4位に後退した。

 東洋大の気迫勝ちだった。東洋大は開幕から唯一の4連敗。開幕からの3戦は0-1での敗戦を続け、前節の駒澤大戦でようやく初得点を決めていたが、逆転負けを喫していた。

 ただチーム状態にそれほど悲観はなかったという。10番MF松崎快(4年=大宮ユース)は「連敗していましたけど、何も出来ずに負けた試合ではなかったので、いつか勝てるかなと思っていた」と話す。それだけに早く勝利という結果でチームに自信を持たせたかった。

 前節同様、この試合でも先制点を奪うことに成功した。前半22分、ロングボールで裏を取った松崎がエリア内に侵入。そこでDF安部崇士(4年=桐光学園高)に倒されてPKを獲得した。このPKを主将MF坪川潤之(4年=矢板中央高)豪快に突き刺し、スコアを動かした。

 そして前節奪えなかった待望の追加点が後半5分に生まれる。右サイドからのスローインをFW小澤裕太(3年=千葉U-18)が繋ぐと、松崎がエリア内に力強く侵入。そのままの勢いでシュートに繋げると、これもボールは豪快にゴールネットに突き刺さる。向かい風となった中で苦戦が予想された後半始まってすぐに得点できたことは、よりチームに勇気を与えた。

 後半19分に中大のストロングであるMF大久保智明(3年=東京Vユース)とFW加藤陸次樹(4年=広島ユース)のラインから反撃の1点を決められたが、同38分、左サイドからチャンスを作ると、DF野崎玲央(4年=大宮ユース)のアシストからファーで待ち構えた坪川がボレーで蹴り込み、決着をつけた。

 勝利が決まった瞬間、東洋大のほとんどの選手がその場に顔を伏せるようにして座り込んでしまった。多くの選手の目には光るものがみられた。たかが一勝、されど一勝。坪川は「(涙が出たのは)昨年インカレ出場を決めた試合以来」と特別な試合を引き合いに出し、死に物狂いで掴んだ勝利だったことを強調していた。

 東洋大の選手が見せた気迫は、同じピッチにいた中央大の選手も感じていたという。しかしMF宮城和也(4年=興國高)は、「試合後に(東洋大の)姿が本来の中央大の姿なんだと監督も言っていた。失いかけていた姿を見せてもらった。(開幕戦で勝利した)法政大戦のあとは自分たちもあんな感じだったので」と“収穫”と捉える。そして「次は筑波なので、照準を合わせていきたい」と2週間後の“首位狩り”に向け、頭を切り替えていた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第93回関東大学L特集

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