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[MOM625]明治大MF安部柊斗(4年)_FC東京で得た経験と自信

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明大の好守の要であるMF安部柊斗

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.27 アミノバイタル杯決勝 明治大2-0立正大 味フィ西]

「ゴールに絡みたい」。今季、その思いを強くして大会に臨んだ王者・明大の司令塔が、終了間際に試合を決定づける2点目を叩き込んだ。

 豊富な運動量とボールの奪取力に優れたボランチとして定評のあるMF安部柊斗(4年=FC東京U-18/FC東京内定)。だが「チームを勝たせられるプレーといったら、まずは点をとること。自分にもそれが求められていると思う」と、“隙きあらばゴール”を狙っていた。「試合前から栗田大輔監督には、マイナスのパスがきたら(ゴール前に)入るようにとは言われていた」という。そしてそのマイナスのパスをFW小柏剛(3年=大宮ユース)がお膳立て。滑り込みながら放ったシュートが決まり、立正大の息の根を止めた。

「結果を出せてよかった」と安堵の表情を見せる安部だが、特別指定選手としてFC東京で得た経験と自信が、この日のプレーをブラッシュアップさせ、安部をゴールへと向かわせたのは間違いない。

「FC東京でプレーして、最初はシンプルにプレーの強度に違いを感じました。ただ次第に慣れていったし、ルヴァン杯のC大阪戦では自分の得意とするボール奪取の部分は出せました。FC東京での練習でも、ボールを奪い切るところまではできていたと思います」

 総理大臣杯では4年連続決勝進出の記録を持ち、常に“優勝候補”として名前を挙げられる王者・明大の中心選手としての誇りもある。最上学年となった今年は、特にその思いが強い。

「毎年毎年、4年生がそのプレーと背中で下級生を引っ張ってくれる。それが明大の強さであり、伝統。今年も自分たち4年生が引っ張っていかなければならないという責任感はある」と安部。もちろん、明大のベースである“まずはいい守備”の部分もおろそかにはしていない。

「栗田監督が守備のレベルを明確にしているというのもあるけれど、プロになった多くのOBたちは、“明大の守備の基準”を作ってから卒業していく。それを継承するのも明大の伝統」

 その伝統を継承する番が自分に回ってきた。この日の試合では、攻守両面を牽引するプレーで相手を圧倒。その背中で、後輩たちに“明大の強さ”を見せつけた。「自分が卒業したあと、下級生がまた明大のよさを伝統として継承していってくれれば」。そのためにも、まずは今週末から再開するリーグ戦を首位で折り返し、総理大臣杯での連覇を狙いたい。

(取材・文 飯嶋玲子)

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