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[MOM642]法政大GK山岸健太(4年)_勝利を呼び込んだビッグセーブ

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好セーブで勝利を呼び込んだGK山岸健太

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.28 関東大学L1部第14節 桐蔭横浜大1-2法政大 葛飾区奥戸総合スポーツセンター]

 1-1の終盤。次の1点が勝敗の行方を左右することは目に見えていた。そんな中で迎えた後半41分、右サイドから崩しにかかった桐蔭横浜大は、ゴール前でフリーになっていたMF橘田健人(3年=神村学園高)がダイレクトボレーで合わせる決定的な場面を迎える。しかしこれを法政大のゴールマウスを守るGK山岸健太(4年=前橋育英高)がビッグセーブで弾き出し、味方に勇気を与えた。

 するとその3分後の後半44分、法大はCKを頭で合わせたMF大西遼太郎(4年=磐田U-18)の得点で勝ち越しに成功。大西が「ピンチもあったけど、GKの山岸が止めてくれてた」と感謝すれば、長山一也監督も「大西がヒーローインタビューを受けていましたけど、山岸がインタビューを受けてもいいくらいの活躍をしてくれた」と手放しで称える。守護神の活躍が後期リーグの初勝利に繋がった。

 今季は開幕からレギュラーとして試合に出ていた山岸だが、徐々に天皇杯などでアピールしたGK中野小次郎(3年=徳島ユース)にポジションを明け渡すことが多くなっていった。しかし2mGKとして注目を集めることも多い中野の成長は、GK長島卓哉(4年=東京Vユース)を含めたGK全体のレベルアップに繋がっていると前向きに捉えているという。

「今年最初は自分が出て、途中から小次郎が出ているけど、そういった中で今日サブに入った長島と3人でいい競争が生まれている。GKは練習もフィールドとは別でやっているんですけど、GKコーチがいないので、自分たちで練習も考えていて、常に意見を言い合っている。そういった中で成長してきているのかなと思います」

 昨年の守護神だったGK吉田舜は前橋育英高時代からの先輩。母校のある群馬に本拠地を置くザスパクサツ群馬でプロ生活をスタートさせた吉田は、開幕からレギュラーとして出続けている。「キックの精度であったり、大事なところで止めてくれる。見習うべきところは多い。僕も大事な場面でチームを救うプレーを受け継げるようにやっていきたいです」と大きな刺激にしている。

 天皇杯の快進撃で注目を集めた今季。山岸を含めた4年生は下級生に来年も天皇杯を経験してほしいと、インカレ連覇への想いを強くしている。卒業後はプロを目指していたが、企業から内定も貰っていることで、サッカーをきっぱり辞める覚悟もしているという。「(後輩には)プレーだったり私生活から見せていきたい。自分の中で形を残せるように日々練習から取り組みたい」。ハイレベルな競争が明るい未来を切り拓く。

(取材・文 児玉幸洋)
●第93回関東大学L特集

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