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OB山村のような万能性と攻撃性能。流通経済大の新主将MF伊藤敦樹をJも注目

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流通経済大の新主将、MF伊藤敦樹(3年=浦和ユース)

 関東の強豪、流通経済大の新主将はJクラブも注目するユーティリティープレーヤーだ。182cmの長身MF伊藤敦樹(3年=浦和ユース)は、昨年の関東大学リーグ1部や天皇杯全試合で先発フル出場。浦和ユース時代は主にシャドーやボランチを務めていた伊藤は、大学2年時に半年間左SBで力を磨き、昨年はチーム事情もあってCBを主戦場としていた。

 流経大コーチ陣は、OBのMF山村和也(現川崎F)のような大型のマルチプレーヤーであることを認める。そして、「自分は元々攻撃の選手なので、CBからでもロングボールとかそういうところを強みにしていきたいですね」と語る伊藤は、1月に“古巣”浦和の沖縄キャンプに参加するなどJ各クラブが注目する存在に。チームでの結果、自身のプロ入りの両方の目標を果たすために努力を続けている。

 高校時代は懐の深いボールキープとダイナミックな飛び出しなどを武器とする大型MF。トップチーム昇格を果たすことはできなかったが、流経大進学後にDFを経験したことで守備面を大きくレベルアップさせた。特にボランチで起用されれば、攻守両面で力を発揮できそう。浦和のキャンプでは万能性をアピールすることもできたというだけに、楽しみな存在だ。

 ただし、本人の自己評価はまだまだ。昨年は強豪・流経大で主軸としてシーズンを通して公式戦に出続け、デンソーチャレンジカップの関東選抜Aメンバーに食い込んでいるが、「(昨年は)自分的には良い部分もあったんですけれども、それが勝利に繋がっていないという部分では、まだまだなのかなと自分では思っています。守備のところと運動量とフィジカルのところをもっと上げていかないといけない」。プロ入りするまでの1年で少しでもJ1トップレベルに近づきたいという考えがある。

 浦和に戻ることを第一目標として大学生活に取り組んできた。「浦和出身で、家族も浦和のファンで、小さい頃からずっとレッズの試合を見に行っていたので愛着は凄くありますね」。浦和の大槻毅監督は浦和ユース時代の恩師。昨年は天皇杯で浦和と対戦し、また特別な感情を持った。もちろん、今後どのクラブから、どのような評価を得られるかは分からない。ただし、浦和で活躍することを思い描いてきただけに、キャンプや練習参加で訪れているチャンスを逃したくないという気持ちは強いようだ。

 今年は1選手として成長、結果を目指しながら、リーダーとしてチームを勝利へ導くという役割も担う。「まず、(関東)1部復帰することは必ずしなければいけない。全国大会に必ず出たいというのもあります。インカレは大臣杯で優勝するしか(出場)チャンスがない。それはみんな狙っています。そして、天皇杯は去年出てレッズとやっていて、楽しかったです。今年も出たいですね」。高校3年時に浦和ユースをプレミアリーグに押し上げている伊藤にとって、今年流経大をトップリーグへ昇格させることは絶対的なノルマ。そして、個人的に経験できていない大学の全国大会でチームメートとともに結果を残してプロのステージに立つ。

(取材・文 吉田太郎)

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