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[関東]順天堂大“開幕戦”は土壇場被弾で黒星…水戸内定、主将DF三國スティビアエブス「集中力を切らさないでやっていきたい」

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[8.1 関東大学L1部第5節 桐蔭横浜大1-0順天堂大 RKUフットボールフィールドB面]

 第5節からの参戦となった順天堂大は、“開幕戦”で桐蔭横浜大と対戦した。しかし0-0で終えるかと思われた終了直前の後半アディショナルタイムに与えたPKを決められ、0-1で敗戦。悔しい黒星発進となった。

 新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れた関東大学リーグだが、7月4日に開幕。関西や九州など他地域の大学リーグが軒並み前期リーグを中止させる中で、関東大学リーグは流通経済大のグラウンドなど、茨城県内の会場で集中的に行うことで開催にこぎつけた。

 ただし全チームが開幕に足並みをそろえることが出来ず、1部リーグでは筑波大と順大は不参加。両校の該当する試合は延期扱いとなっていたが、筑波大は第4節、そして順大が第5節から参加することでようやく全12チームが出そろうことになっていた。

 最後の参戦となった順大は新型コロナウイルスの影響で練習場のあるキャンパスへの立ち入りが禁止され、6月になってようやく全体練習を再開。しかし東京の実家に戻っていた主将DF三國スティビアエブス(4年=青森山田高/水戸内定)はグラウンドのある千葉県に移動できず、『東京アラート』が解除されてからチーム練習に合流していた。

 また同大内で対外試合を行う許可が下りず、他校が開幕から数試合を戦う中で、7月下旬の連休期間中にようやく慶應義塾大と江戸川大との練習試合が行えることになるなど、厳しい条件下でこの日を迎えていた。

 しかし主将DF三國は「確かに外から見ている人からしたらコンディションを理由にするかもしれないけど、他が試合をやっている時間で結構ハードにやっていた。今日に関しては90分間全員が走り切らないといけなかったんですけど、一本の裏へのパスでやられてしまったのは集中力がなかっただけです」と、言い訳は一切しなかった。

 三國は7月10日に水戸ホーリーホックへの入団内定を発表。プロ内定選手として開幕を迎えた。「自分がプロだからほかの選手とは違うとは思っていないけど、周りの目は違うと思う。それと今年1年はキャプテンとしてやっていくので、背中で引っ張っていきたい」と気合十分で臨んでいる。

 先日、7月29日のJ2第8節で、アビスパ福岡に所属する実弟のDF三國ケネディエブスがプロ初ゴールを記録。当日は同時刻に行われていた水戸の試合を観ていたため、家族で作るグループLINEで弟のゴールを知ったという。「おめでとうって送ったら、スタンプしか返ってこなかった(笑)。いろんな人から連絡が来ていて忙しいんだと思う。兄弟対決?出来れば一番いいけど、まずは自分がスタメンの座を取らないといけない。だから今からスタメンで出ることを考えてやっていきたいと思います」。

 大学進学後はFWを経験するなど、複数ポジションをこなす三國だが、水戸ではCBを中心としたDFとして評価されているといい、今年1年はDFで結果を残したいという思いも強くしている。出遅れを言い訳にしなかったが、やはり早く白星が欲しいところ。次節は開幕から連勝を続ける王者・明治大と厳しい戦いが続くが、「連勝の波を自分たちが崩したい。ビルドアップのテンポやゴール前の迫力を出すことを考えて、後ろは90分を通して集中力を切らさないことをやっていきたい」と闘志を燃やした。

(取材・文 児玉幸洋)
●第94回関東大学L特集

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