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[関東]いつかは横浜FCユースの先輩にように…法政大1年生MF中川敦瑛が初ゴールから2戦連発!「一番の目標は光毅くん」

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2戦連続ゴールを決めたMF中川敦瑛

[9.25 関東大学L1部第17節 法政大1-1順天堂大 小出義雄記念陸上競技場]

 らしさ満点のゴールだった。法政大は前半16分、ハーフウェーライン付近の右でMF中川敦瑛(なかがわ・のぶてる、1年=横浜FCユース)がFW佐藤大樹(4年=札幌U-18/町田内定)とのワンツーで裏を取る。スピードに乗ったドリブルでそのままゴール前まで運ぶと、迷わず振り抜いた右足から放たれたシュートは左ポストを叩きながらゴールネットに吸い込まれていった。

「外したかなと思ったけど、入って良かった。相手が来ていないのが分かったので、シュートを打とうと思いました。(逆サイドの)めっちゃ中井(崇仁)くんに呼ばれていたんですけど、大樹君からスルーパスを貰った時には自分で行こうと決めていたので、中は見ていたけど出す気はなかったです」

 横浜FCユースで背番号10をつけてプレーした昨季は、プレミアリーグ関東で6得点を決めて、FW大澤朋也(大宮U18→大宮)と並んで得点王を獲得。プレミア昇格1年目で初優勝に導いた。トップ昇格は叶わなかったが、強豪・法大進学後は1年春から試合に出場。天皇杯東京都予選決勝の駒澤大戦で豪快ミドルを決めるなど、存在感をみせていた。

 リーグ戦では前節の桐蔭横浜大戦で決めた得点が初ゴール。セットプレーのこぼれ球を蹴り込んだシュートだったが、「自分でもやれるんじゃないか」と自信がついた得点になったと振り返る。「順天さんも上手かったですけど、自分の持ち味のハードワークだったり、スプリントだったりを出していこうと思った。それが得点に繋がったのかなと思います」と2戦連発に手ごたえを十分にする。

 攻撃面でみせるポテンシャルは町田内定のFW佐藤大樹、京都内定のFW田中和樹(4年=浦和学院高)、藤枝内定のFW中井崇仁(4年=尚志高)らJ内定選手に引けを取らないものをすでに持っている。長山一也監督も「もともと高校の時も結果を残している選手ですし、その中でチームのやりたいことも理解してくれている」と信頼を語る。

 高校時代は中央でプレーすることが多かったが、法大ではサイドを任されることが多くなっている。中川本人も「前線のポジションだったらどこでもそん色なくできるのかなと思っています」と話すように、大学リーグを戦う上でも大きな武器となっている。指揮官も「今日は右でしたが、左のワイドも出来ますし、トップ下も今年やった試合があった。ここというところではなく、どのポジションでもクオリティ高くできるようになってほしい」と更なる成長を期待した。

 1つ年上のMF斉藤光毅(ロンメル)とは中学、高校と5年間プレー。「高1の時に当時の監督に光毅くんの映像を見せられて、『あいつはここまでやっているんだからお前もやれるだろ』みたいな、そういった期待をしてくれていた」と明かすように、常に比較されてきた。今でも「一番の目標は光毅くん」とはっきり言えるほどの存在だ。

 しかし高校卒業時点で、中川はプロになることは出来なかった。斉藤との違いについて、「貪欲さが自分には欠けていた」と分析する中川は、「あの人は誰にでも言いたいことが言える。そういう選手がプロに行くんだなと思った。自分も4年間でただ先輩の言うことだけを聞くんじゃなくて、自分が引っ張って行けたらと思います」と技術面でも精神面でも一段上のレベルアップを誓った。

(取材・文 児玉幸洋)
●第95回関東大学L特集

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