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[関東]U-22日本代表から帰還…明治大FW佐藤恵允は中一日で即ゴール「すごくいい刺激。明治で継続を」

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明治大FW佐藤恵允(2年)

[10.30 関東大学L1部第22節 明治大1-2駒澤大]

 U-22日本代表は10月26日、28日とAFC U23アジアカップウズベキスタン2022予選を戦い抜き、来年6月の本大会出場が決定。その国際舞台で存在を知らしめたのが明治大FW佐藤恵允(2年=実践学園高)だ。20歳のパリ五輪世代はチームに帰還すると、中一日で関東大学リーグ戦に先発出場。先制点を奪い、再び輝きを放った。

 世代別代表には縁遠かったものの、今年5月末にU-20日本代表候補に初招集。10月上旬のU-22日本代表候補合宿でもアピールに成功し、U23アジアカップ予選に臨む23人に選出された。初戦のU-22カンボジア代表戦では、先発出場でチーム3点目をアシスト。第2戦のU-22香港代表戦ではベンチスタートも、ハーフタイムから途中出場し、再びチーム3点目をお膳立てした。

 そして代表戦から中一日を挟み、10月30日の関東大学リーグ最終節・駒澤大戦に先発出場する。栗田大輔監督は「ベストメンバーで優勝に向かって一個一個やるだけなので、意図はない」と2年生FWへの信頼を垣間見せた。

 すると佐藤は前半17分、その信頼に応える。右サイドからDF岡庭愁人(4年=FC東京U-18/FC東京内定)がスローインでリスタートすると、佐藤が素早く駒大の最終ライン裏に抜ける。そのままPA内に入り込み、GKとの1対1を冷静に決め切った。「相手が一回休みに入っているのが見えたので、裏一本でいけそうだなと。岡庭さんとも目が合って、そのまま受けて、自分のイメージ通りに決め切ることができた」。ゴールを狙う意識が結実した。

 しかし、試合は逆転負け。条件次第では今節での3連覇が決定するはずが、足踏みをする形となった。「悔しいっていう気持ちと、次の試合がリーグ戦最後の試合で何もかも決まる戦いなので、そこに向けてもう一回、みんなで統一して頑張ろうという話になりました」(佐藤)。躍進の今季を晴れやかに終えるべく、延期分・流通経済大戦に気持ちを切り替えていた。

「今日の試合でも、少しは学んできたものを出せたのではないかと思う」と、佐藤はU-22日本代表での活動を振り返る。チームには、Jリーグで主戦力として戦う同世代たちが集った。初の国際舞台には「国歌斉唱でも感動するものがあった」と素直な感想。一方で、同年代たちとの戦いに「すごくいい刺激を受けた。もちろん通用するものもありましたし、自信もついてきた」と語った。

 Jリーグで活躍する同年代は「最初見たときは上手いっていうのが感想。ただ、上手いだけでプロに出ているわけではない」。佐藤が一番感じた点は、受ける前でのポジショニング、オフ・ザ・ボールの動きの巧みさだったという。「味方とつながるポジショニングだったり、相手が嫌がるポジショニングを取るように、代表でも言われていた。いいところは盗めて、本当にいい経験だったなと思います」。大きな経験を得て、さっそく今節に結果を残してみせた。

 再び代表に招集されるために、明大での活躍を続ける。「代表に入ったからといって、過信することはない。ずっと明治でやってきたものが評価されて、こういう形で選出していただいた。これからも継続して、自分と向き合って主体性を持って、学生らしくチャレンジしていくのが大事だと思う」。いよいよ始動したパリ五輪世代の戦い。「ここから自分がどうなりたいかっていうのを日々考えながら、日常を過ごしていきたい」。地に足を着けて、成長を続けていく。

(取材・文 石川祐介)
●第95回関東大学L特集

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