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[デンチャレ]中田英寿を思わせるピッチでの存在感…山内翔は神戸長期帯同でイニエスタらから学び「説得力があった」

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MF山内翔

[3.9 デンチャレ グループ1 U-20全日本選抜0-1関東選抜B]

 元日本代表MF中田英寿を思わせる背筋の伸びたプレースタイルはひときわ目を引く。この日もピッチ上での存在感は圧倒的だった。ボランチの一角として先発したMF山内翔(筑波大2年=神戸U-18)だったが、一枚最終ラインに落ちてゲームをコントロール。正確なロングパスで幾度も局面を打開した。

 しかしチームが敗れては、納得いくはずがない。筑波大でも小井土正亮監督から「チームを勝たせる選手になれ」と言われ続けているという山内は、U-20全日本大学選抜の黒星発進に「自分のプレーには納得いっていません」などと反省の言葉ばかりを並べた。

 19年のU-17ワールドカップメンバーに選ばれるなど、これまでも世代別代表で活躍してきた山内は、筑波大進学後も1年生からレギュラーポジションを掴むと、昨年夏の東京五輪後に招集されたパリ五輪を目指すU-20日本代表候補にも名を連ねるなど、順調な成長曲線を描いている。

 ヴィッセル神戸の下部組織出身。高校卒業時のトップ昇格は見送られたが、1年生のころからたびたびトップチームの練習に参加している。そして今年は始動日から約1か月ほどチームに帯同。MFアンドレス・イニエスタやMF山口蛍らと長期間を過ごすというかけがえのない経験をした。

 積極的にコミュニケーションを取るようにしたという山内。そんな山内の姿勢に百戦錬磨の名手たちも応えた。イニエスタからは「どの練習も試合と同じように、ミニゲームであっても試合に活きるようなプレーを心掛けるように」。サッカーを始めたことから多くの指導者に言われてきた当たり前の言葉だったが、今までと感じた重みは格段に違ったという。「説得力があった。話してもらって良かったと思います」。

「あの選手たちとプレーする、競争することを考えるとまだまだ実力は足りていない。一緒にプレーするためにはもっといいプレーをしないといけない。神戸に行けるかも分からないけど、行けたとしても今のままでは出られる可能性は低いので、もっとやらないといけないなと思っています」

 1年生だった昨年度もデンソーカップチャレンジには参加。関東C・北信越選抜の一員として、準優勝に輝いた。そこで得た自信が昨年のプレーに繋がったと振り返るからこそ、今大会でも結果を残したいという思いを強めている。「(U-20全日本選抜のメンバーで)去年から出ているのは自分と小倉陽太と岡田大和の3人だけ。去年を知っているメンバーがもっとチームを引っ張っていかないといけない」。次戦は必ず勝利に導く。

(取材・文 児玉幸洋)
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