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[デンチャレ]広島内定、開幕戦でJ1デビューの大学3年生。関東選抜AのCB中野就斗は「一段階二段階成長」求める

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関東大学選抜AのDF中野就斗(桐蔭横浜大3年/広島内定)は、今年のJ1開幕戦に特別指定選手として出場している注目株

[3.9 デンチャレGL第1節 九州選抜 0-0 関東選抜A Jヴィレッジ]

 すでにJ1デビューを果たしているDFが、デンソーカップチャレンジ初戦でチームに安心感をもたらしていた。関東大学選抜AのDF中野就斗(桐蔭横浜大3年=桐生一高)は今年1月に23年シーズンからの広島内定が発表された万能型。2月19日のJ1開幕戦(対鳥栖)で早くも1デビューを果たしている注目株だ。

「久しぶりにCBをやらせてもらったんですけれども、出るからには無失点でチームを勝たせることを意識して、チームのDFリーダーになれればと思っていました」というこの日は、CBとして先発フル出場。一つ一つのヘディングを確実に跳ね返す部分や、絶妙なカバーリングなど、余裕を感じさせるようなプレーを見せていた。

「シーズン始まって広島に帯同させてもらって、色々吸収することができて、そういう経験を積むことができて、少し自分の中でも余裕を持ってプレーすることができているのかなと思っています」。そのゆとりがチームに大きな安心感をもたらしていた印象だ。

 小井土正亮監督(筑波大)は、選手たちに対して「我々は関東大学サッカーリーグを代表するという強い自覚を持って臨もうということと、だからと言ってこじんまりとするのではなくてトライしよう、成長しようと言って、集まったときも今日のゲーム前にも確認しました」という。中野自身はこの日、セットプレーで勝負を決められなかったことを悔しがっていたが、特別な経験を持つDFは、その安定感によってチームにトライしやすい状況を生み出していた。

 中野は群馬の強豪・桐生一高で主将を務めた。全国には縁がなく、桐蔭横浜大へ進学。もちろん、プロを目指して積み重ねていたが、1年前は最終学年のデンチャレでアピールして評価を得られればと考えていたという。それが万能性や対人の強さなどを評価され、デンチャレの2か月も前に広島入り内定。J1デビューを果たして今大会を迎えている。

 思い描いていた将来図よりも早く、様々なことを経験。2か月間広島に帯同したことで成長した一方、痛感したこともあるという。「自分のレベルはまだまだ足りないと正直感じて。通用する部分もあるんですけれども、その中で開幕戦ありがたいことに出してもらったんですけれども、自分の良さを一つも出せずに悔しい思いをして、そういう面ではこの1年間、広島に入るに当たってもっと一段階二段階成長していかないといけないなと思いました」。1年後までに一段階二段階成長して、「桐蔭を日本一にして広島に行きたい」というDFは、一つ一つのプレーからこだわっていく。

「自分はどのポジションでも出たとしても最大限の良さを出せる自信がある」中野は、広島でWBなどに挑戦。対人の強さと運動量、推進力も武器でSB、WBとしても面白い存在だ。関東選抜Aや新主将を務める桐蔭横浜大では主にCBを務めることになりそうだが、どのポジションでもこの日のように安心感、期待感を感じさせるような動きを見せてチームを勝たせる。

(取材・文 吉田太郎)
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