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[MOM777]関西大学選抜MF泉柊椰(びわこ成蹊スポーツ大3年)_注目のドリブルは不満も、チーム勝たせる仕事

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関西大学選抜MF泉柊椰(びわこ成蹊スポーツ大3年)は貴重な追加点をマーク

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.10 デンチャレGL第2節 関西選抜 2-0 九州選抜 Jヴィレッジ]

 注目ドリブラーはこの日、「自分は仕掛けないといけない選手だと思っているので、積極的に仕掛けるというのはもちろんなんですけれども、そこの質があまり高くなくて、自分的にはあまり良い出来ではなかったと思います」と首を振る。

 それでも、試合の流れを大きく傾けるゴール。関西大学選抜MF泉柊椰(びわこ成蹊スポーツ大3年=神戸U-18/神戸内定)は、特長を十分に出せない中でもチームを勝たせる仕事をした。

 前半44分、センターサークルで前を向いた泉はドリブルで持ち上がると、左からスプリントしてきたFW食野壮磨(京都産業大2年=G大阪ユース)へ丁寧なラストパス。食野のシュートはGKに阻まれたが、こぼれ球を拾うと切り返しでDFを外して左足シュートをねじ込んだ。

 ゴールシーン以外にもスピードに乗った抜け出しなど、FW木村勇大(関西学院大3年=大阪桐蔭高/京都内定)のラストパスから2度ビッグチャンス。いずれも決め切れなかったが、ドリブル以外の強みも発揮した。

 中田雄一朗監督(大阪経済大)は「彼の特長はワイドからの突破なので、それをチームとしての強みの一つしているので決めてくれて良かったんですけれども、決めれるチャンスはまだまだあったので、そこは次の課題かなと思います」と期待。泉自身も「大学生とやる時は違いを見せないといけない」と今後続く大一番で違いと結果を示す意気込みだ。

 泉は大学生活を1年半近く残した昨年10月に、23年シーズンからの神戸加入内定。高校時代を過ごした思い入れあるクラブでプロになるチャンスを勝ち取った。その神戸のトレーニングではFWやインサイドハーフとしてプレー。得意とするSHとはまた異なるポジションを経験し、「抜け出しやボールを大切にするところの幅が広がったかなと思います」と自己分析する。

 その上で、「突破する、決定機を作るというところで自分のドリブルが活かせれば良いかなと思っています」。ポゼッションに長けた神戸に自分の武器を加え、ゴールを生み出す考えだ。

 そのドリブルに関しては、「全部決定機にするくらいの気持ちを持っている」というほどのこだわり。警戒された中でも、ピッチコンディションが悪いような時でも、常に決定機を作り出せるように高めてきている。

 すでにJデビューしている大学生に負けたくないという思いは強い。羨ましいという気持ちを抱く一方、「自分の実力不足」だからと自身に目を向けている。神戸で公式戦のチャンスを得た際に活躍し、ヒーローになれるように準備を重ねるだけ。「(大卒1年目から大活躍した)三笘(薫)選手のようにJリーグで活躍するためにということをこの一年間やっていきたいと思っています」と語るドリブラーが、デンソーカップチャレンジやリーグ戦で違いを見せ続けて、さらなる飛躍の時を迎える。
 
(取材・文 吉田太郎)
●第36回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会特集

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