beacon

[MOM780]関東大学選抜B樋口堅大(2年)_筋トレ効果で一回り大きくなったアタッカーが決勝に導く決勝弾

このエントリーをはてなブックマークに追加

MF樋口堅大

[3.11 デンチャレ グループA 関東選抜B 1-0 東海選抜]

 欲しかった先制点が試合の流れを一気に引き寄せた。相手に負傷者が出て重苦しい空気が流れる中でハーフタイムを迎えたが、スコアレスで折り返した後半3分、関東大学選抜Bは左サイドからチャンスを作ると、MF木下海斗(関東学院大3年=昌平高)がマイナスに折り返したボールにMF樋口堅大(順天堂大2年=大津高)がダイレクトで合わせる。相手DFの股下を抜けたシュートはコースを突いて、見事にゴール右隅に収まった。

 この得点で奪ったリードを守り抜いたチームは、逆転でグループ1位通過を決定。ただ樋口は「グループリーグ首位で通過できたのは一番いいことだと思う」と胸をなでおろしながらも、「勝てているけど、前がもっと打たないとシュートの本数や崩しのアイディアがないので、中1日で選手たちと話し合って、決勝に臨めたらと思います」とすぐに気持ちを切り替えた。

 大学では1年生の時から出場機会を掴み、ルーキーイヤーは関東リーグで10試合に出場(ゴール1アシスト)。2年目の昨季は15試合に出場(2ゴール2アシスト)するなど、順調な成長を見せている。

 体も一回り大きく成長。強豪の大津高で主将を経験するなどした樋口だが、線の細さは課題の一つとしてあった。そこで大学進学後は筋力トレーニングに力を入れた。その結果、入学時は60キロだった体重が、現在65キロまで増量。これからも大学リーグでも弾かれない、屈強な身体づくりを目指していく。

 10日の日本高校選抜との対戦では、自らの成長も確認した。同試合では大津高で2学年後輩だったMF薬師田澪(大津高3年)やMF川口敦史(大津高3年)と対峙。後輩の逞しくなった姿への喜びとともに、「ポジショニングやスピードで相手を上回れた」と充実感を得ることができたという。

 今の主戦場はシャドーやトップ下。高校時代まではサイドをやることも多かったが、より自分が生きる道として、シャドーやトップ下を極めたいと考えている。「堀池さん(順天堂大監督)からはオフザボールを厳しく言われている。今はそこを意識してやっています」。

 優勝にあと一つと迫った。13日の決勝の相手は関東選抜Aを破った関西選抜。関東勢としてのプライド、関東勢連破を許すわけにはいかない。「このチームの立ち上げの時も絶対に優勝すると話してきた。どこの相手が来ても、関東Bらしさを出して、優勝出来ればと思います」。成長著しい注目アタッカーが、日本一から今季の戦いをスタートさせる。

(取材・文 児玉幸洋)
●第36回デンソーカップチャレンジサッカー福島大会特集

TOP