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[MOM783]桐蔭横浜大FW左部開斗(4年)_流経大に7発大勝、流経柏の元主将が口火

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大勝劇の口火を切るゴールを決めたFW左部開斗

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.2 関東大学L1部第1節 流通経済大0-7桐蔭横浜大 味フィ西]

 流通経済大の赤いユニフォームを見て、燃えないわけがなかった。「成長している姿をみせて、自分の決めた道は間違っていなかったと証明しようと思っていた」。流通経済大柏高出身のFW左部開斗(4年)が気合十分でいることは、誰の目にも明らかだった。

 見事に結果で証明した。試合序盤から積極的なプレーをみせた左部は、前半24分のCKを頭で合わせたシュートはライン上でかき出されてしまったが、直後の同26分、FW山田新(4年=川崎U-18)の折り返しを粘って残すと、素早く右足を振り抜く。先制点を決めて、チームを勢いづかせた。

「新のボールがマイナスになって、届くかなと思ったけど、上手く前に運ぶことができた。絶対に先制点を取ってやるぞという気持ちで試合に入っていた。それが目に見える結果として出せてよかったです」

 ずっと流経大に進んだ同級生を意識して過ごしてきたという。流経大柏高では3年夏から主将に就任。DF関川郁万(鹿島)の後任という重圧を跳ね除け、2年連続となる高校選手権準優勝に導いた。

 そんな左部だが、大学は流経大ではなく、同じ関東の強豪である桐蔭横浜大に進学。「少数精鋭でやりたかった。あとは寮生活ではなく、自宅から通えるところで進学先を探しました」。一番条件が良かったのが、桐蔭横浜大だった。

 桐蔭横浜大では昨年度よりトップチームで出場機会を得るようになった。しかし流経大との対戦では、前期はベンチ入りしたものの出番なし。後期の対戦ではベンチ入りすることも叶わなかった。

 文字通り“古巣”との初対戦。開会式の前には「いい試合をしよう」と健闘を誓い合ったというオープニングゲームでの先発出場。合計7得点の先制点で「かすれてしまった」と苦笑いだが、それでも「口火を切れたので、プラスに捉えたい」と充実の表情もみせる。

「失点の仕方もシンプルに背後に行かれて、高校時代ずっとやっていた左部に決められたのは普通に悔しい」と振り返った流経大主将MF熊澤和希(4年=流通経済大柏高)の言葉は何よりの”ご褒美。「今年は開幕からやってやるぞという気持ちで取り組んできた。この結果に満足せず、点を取り続けて得点王になりたい」。この日得た達成感は、必ず今シーズンの活躍に繋げる。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

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