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[MOM798]国士舘大FW古川真人(3年)_小中高“隣”で見てきたU-21代表FWを追いかける「数字で負けないように」

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FW古川真人(3年=実践学園高)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.18 関東大学L1部第2節延期分 法政大0-2国士舘大]

 FWとして責任を感じていた。国士舘大は天皇杯予選とある東京都サッカートーナメントで決勝に進出したが、立正大に0-1で敗戦。リーグ戦でもここ2試合は連続で無得点ゲームになっていた。

 特に前節、15日の東京国際大戦でFW古川真人(3年=実践学園高)はシュートすら打つことが出来ていなかった。「キャプテンからも『シュートを打って、お前がゴールを決めて来い』と言われていた」。この日は積極的にプレーすることを意識していた。

 そして前半からその思いが結果として表れた。前半14分、MF綱島悠斗(4年=東京Vユース)のパスを受けた古川は、相手を外しながらエリア内に侵入。勢いのままに右足を振り抜いて、ゴール左隅を揺らす。さらに同36分、MF高橋尚紀(4年=前橋育英高)がカットしたボールを拾ってエリア内に入ると、今度は右足アウトサイドで蹴り込み、追加点を決めた。

「2点とも打った瞬間に決まったという感覚はありました。3点目?貪欲に取りたいというのはあったけど、キャプテンからは『お前の結果も大事だけど、チームのために走り切れ』と言われていたので、チームのためにプレッシングや50%50%のボールに強くいくことを意識していました」

 小学校の時から高校卒業まで、いつも隣でプレーしていた仲間の背中を追いかけている。明治大で10番を背負うFW佐藤恵允(3年=実践学園高)とは、小中を過ごしたESA(遠藤サッカーアカデミー)、高校の実践学園でプレー。同じポジションのライバルとして切磋琢磨してきた。

 しかし佐藤は現在、パリ五輪の出場を目指すU-21日本代表に招集されるほどの世代屈指の選手になった。「彼の凄さは隣で見てきたから分かっている」と話す古川にとっても、この急成長には驚きがあるようだが、「数字で負けないように。意識しすぎるのも良くないけど、彼にとってもいい刺激になれば」とライバル心を一層たぎらせる。

 今季初ゴールを含む2ゴール。ここからさらにギアを上げていきたいところだ。「貪欲にゴールを狙い続けることは自分のストロングだと思うし、前からのプレッシングもある。ストライカーとしてこのチームを引っ張っていきたい」。下級生のころから経験を積む4年生が主力に多い今季の国士舘だが、古川ら下級生の底上げが、躍進への足掛かりになる。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

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