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[MOM801]関西学院大FW木村勇大(4年)_開幕6戦連発、関関戦で2ゴール3アシストの大暴れ

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FW木村勇大(4年=大阪桐蔭高/京都内定)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.28 関西学生L1部第6節 関学大6-3関大 万博]

 注目度が高まる中で、いつも以上のパフォーマンスをみせた。高校時代のチームメイトで普段から仲がいいMF深澤佑太(4年=大阪桐蔭高)がキャプテンを務める関西大が相手ということでも気合が入っていた。「楽しくできたかな」。関西の伝統校対決である“関関戦”。合計9ゴールが決まる打ち合いになった一戦を終えたFW木村勇大(4年=大阪桐蔭高/京都内定)は、「勝てたことがすべてだと思います」とホッとした表情で振り返った。

 1試合1ゴールはもう当たり前といったところだ。リーグ開幕前に帯同した内定先の京都では、ルヴァンカップで初ゴールも記録。“プロで結果を残した選手”としてシーズンの開幕を迎えると、大学リーグ戦では開幕から連続ゴールを継続。この試合まで5試合連続ゴールを決めていた。

 そしてこの日も前半からエンジン全開。木村は関西学院大が前半29分までに決めた3得点すべてでアシストを記録すると、迎えた同44分にはDF村上景司(2年=G大阪ユース)のパスからゴールネットを揺らし、連続ゴールを継続。後半は相手の反撃に遭うが、39分に自ら獲得したPKをしっかりと決めて、乱打戦に蹴りをつけた。

 1試合2ゴールは今季初。「連続ゴールと周りは言ってくれるけど、自分の中では納得いっていなかった」と1試合1ゴール“しか”取れていなかった状況に不満を持っていたことを明かすと、「毎試合ゴールは今年決めたノルマ。これまでは1点どまりになってる印象だったので」。意識は常に高いところにある。

 関西リーグが生んだ歴代のストライカーが比較対象になっていく。これまでのシーズン得点記録は、木村にとっては大学の先輩にもなるFW呉屋大翔の31得点(15年)。「関学が注目される手段になるかなと思いますけど、チームを勝たせることを一番にこだわっている」と念を押すも、「1試合1点以上は取りたいし、そうすれば少なくとも22点。続けて行けば呉屋選手の記録も見えてくる」と色気もみせる。

 また早生まれのためにパリ五輪世代にもなる木村は、大阪体育大で得点王となり、卒業後はプロで活躍。東京オリンピックに出場して、現在海外でプレーするFW林大地(シントトロイデン)をモデルケースにしたいとも考えている。「パリ五輪は2年後で、見方によっては時間がないと思われるかもしれないけど、今やるべきことをやって、来年プロで結果を残す過程を踏んでいけば、全然可能性はある。1試合1試合にこだわってやっていければと思っています」。

 首位攻防戦にもなっていた一戦を制したことで、暫定ではあるが連覇を目指すチームが今季初の首位に立った。3点リードから反撃を許しても追いつかれない。今季の天皇杯予選で逆転負けを喫した苦い思い出や、今季のリーグ第3節で喫した約1年ぶりの敗戦が、しっかりと反省として生かされている。「去年は勝ち続けたことで成長もあったけど、負けから気付くのもあると思う。個人としてもチームとしても前に進めたと思っている」。高橋宏次郎監督が「チームのために動くようになった。エースがいるのは大きい」と信頼を寄せる大黒柱は、関西大学サッカー史に名を刻むつもりだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第100回関西学生L特集

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