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川崎F内定、桐蔭横浜大FW山田新「活躍したい思い強くなった」…天皇杯は教育実習で欠場、日韓戦は出場30分で1G2A

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川崎フロンターレ内定後、スタジアムであいさつする山田新

[6.25 大学日韓定期戦 全日本5-0全韓国 レモンS]

 ベンチスタートだったFW山田新(桐蔭横浜大4年=川崎U-18/川崎F内定)がピッチ送り込まれたのは、リードが2点に広がった直後の後半13分。するとファーストタッチとなった直後のプレー、山田は左サイドからFW木村勇大(関西学院大4年=大阪桐蔭高/京都内定)の頭に合わせる完璧なクロスを送り、さっそく得点に絡んだ。

 さらに山田は後半27分にも木村のハットトリックとなるゴールをアシストすると、同37分、MFオナイウ情滋(新潟医療福祉大4年=正智深谷高)の右CKからDF三浦颯太(日本体育大4年=帝京高/甲府内定)が折り返したボールを左足で蹴り込んで、全日本大学選抜のゴールラッシュを締めくくる得点を奪った。

「(ファーストプレーは)ボールを受けた時点でゴールに直結するプレーをしようと思った。勇大が見えたので、そっちの方が可能性が高いと思ったのでクロスを選びました。得点の場面は嗅覚じゃないけど、何となくここに来るだろうなと思った。数字が残せたことは良かったです」

 5月24日、山田新の川崎フロンターレへの入団内定が発表になった。昨年末からJクラブへの練習参加を繰り返す中で、浦和や甲府を含めた争奪戦が繰り広げられていた。そんな中で山田は古巣への帰還を決断。もっとも「あまり悩むことはなかった」と明かしたように、最後は古巣愛が勝ったようだ。

「まだ信じられないという感じです。でもこの間、フロンターレであいさつをして、ここで活躍したいという思いが強くなった。もっと頑張ろうと思ったし、そこはフロンターレを決断したことで強まった部分だと思います」

 また先日は教育実習で母校の新栄高校で教壇に立った。正式に決まったのは天皇杯1回戦を終えた後で、そこで6月8日に行う天皇杯2回戦の札幌戦には出場できないことが決まった。桐蔭横浜大は延長戦の末に3-4で惜敗した。

「仲間にはなかなかない機会だから楽しんでと伝えていました。土日なら出ていいよと言われたけど、平日だったので。当日は映像がなかったので速報で追っていたけど、自分の分も戦ってくれていたと思います」

 ただ貴重な経験にもなったと振り返る。3年半前まで生徒として通っていた学校だったが、「人に伝える立場」に変わっただけで、難しさ、新鮮さを感じることができたという。

「子どもに教えるのって難しいなと思いました。でも面白かった。将来的は自分の経験を子どもに教えたいというのがある。それが教員なのか、サッカーの指導者なのかは分からないけど、指導する部分に関しては凄いものがあると感じたので、いろいろ吸収できたと思います」

 プロ選手になる夢を掴んだ山田だが、「まだまだ課題だらけ」と正式なプロ入りまでに自らを追い込んでいくつもりだ。ただ教育実習を通しても感じたように、高校時代とは確実に成長した自分がいる。「成長してフロンターレに戻れるように頑張りたい」。何よりプロで活躍するために、貪欲な成長を求め続ける。

(取材・文 児玉幸洋)

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