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[関東]プロレスラーの血を引く2人が名門・筑波大の壁に…ルーキーDF諏訪間「がむしゃらに頑張れと」

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筑波大で“壁”を作るGK高山汐生(左)とDF諏訪間幸成

 筑波大のレギュラーCBを1年生が務めている。身長184cmのDF諏訪間幸成(1年=横浜FMユース)は今季開幕戦の早稲田大戦でフル出場デビューを飾ると、前期11試合中9試合に出場。チームとしてリーグ2位タイの10失点に抑えた守備陣の一角を担った。

 父親譲りの恵まれた体格が武器だ。父親の幸平さんは、諏訪魔のリングネームで活躍するプロレスラー。幸成も幼稚園のころは水泳とレスリングを習っていたという。その頃の父の教えは「とにかく外で遊べ」。そこで小学校1年生の時に、友達が始めていたサッカーと出会うことになる。

「サッカーは小1の時に友達がやっていたのでやりたいと思って、近くの少年団に入りました。それまで2年間くらい水泳とレスリングをやっていたけど、ハマらなかった(笑)。父からのアドバイスはそんなにないですけど、とにかく今は怪我をしないで試合に出続けて、がむしゃらに頑張れと。だからケアだけはしっかりやれよとは言われます」

 アスリートの血を引く才能は、サッカー界でも輝いた。中学から横浜F・マリノスジュニアユースに入団すると、18年のU-15日本代表から世代別代表としても活躍。ユースに上がると、トップチームへの2種登録やキャプテンを務めるなど、世代屈指の選手となり、トップ昇格こそ見送られたが、J2クラブが獲得に動いたほどだった。

 筑波大に進学すると、驚きもあった。2学年上でGK高山汐生(3年=湘南U-18)との出会い。「俺の叔父さん、高山善廣なんだよね」――。「マジで!?みたいになって(笑)。(父親には)速攻で電話しました」。“最強タッグ”が名門大で壁を作ることになった。

 小井土正亮監督も「大学生になったばかりとは思えない落ち着きと、自信をもってやってくれている。頼もしいなと思って観ている」と目を細める。また「スピードだったり、フィードは改善の余地があるので、伸びしろはまだまだある。楽しみな選手ですね。何より人に強く行けて、戦えるところは、うちのCBの中でもメンタリティは一番かなと思います」と今後の可能性についても太鼓判を押す。

 諏訪間自身はまだまだ課題は多いことを自覚している。「現代サッカーのCBは何でもできる選手が求められていると思う。もっと守備の部分でも予測の部分を上げていかないといけないし、攻撃の部分でもビルドアップの部分で貢献していきたいです」。6月1日の天皇杯1回戦で柏レイソルと戦った時には「思った以上にやれた部分もあった」と感じることができたという。「1試合1試合これが最後だという気持ちでやっている。成長できているなと実感しています」。レスラー由来のメンタリティで、一つずつ手ごたえを積み重ねていく。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

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