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[MOM807]びわこ成蹊スポーツ大MF佐々木啓太(4年)_300人をまとめる主将、猛暑消耗の3位決定戦制す

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びわこ成蹊スポーツ大MF佐々木啓太(4年

[7.17 第45回 第51回 関西学生サッカー選手権大会3位決定戦 関西福祉大2-3びわこ成蹊スポーツ大 ヤンマースタジアム長居]

 堅守を誇るびわこ成蹊スポーツ大だが、準決勝では関西大に2-6とまさかの大敗。「しっかり気持ち切り替えて、3位で全国大会へ行こう」と主将・佐々木啓太(4年=岡山U-18)を中心に気持ちを共有して臨んだ3位決定戦は、両者譲らず、延長にもつれ込む展開となる。97分に飯尾柊太(4年=玉野光南高)のシュートがポストにあたった跳ね返りを、泉柊椰(4年=神戸U-18/神戸内定)が冷静に仕留め、熱戦に決着をつけた。

 中2日のハードスケジュールに加え、厳しい暑さの消耗戦で、足を攣らせる選手も出る中、タフに走りチームを助けたのがボランチの佐々木だ。びわこ大・望月聡監督も「毎試合、自分の持っている力を最大限出している選手」と厚い信頼を寄せる。

 下級生のときは、ポジションを掴みきれなかったが、「培ってきた責任感もあるし、キャプテンシーもある。自分のいいところを出そうとしてくれれば、それが自然とチームに伝わっていくだろう」と望月監督が期待したとおりに、今季はここまですべての公式戦に出場。責任感あるプレーでチームを引っ張る頼もしい存在となった。

 この日は先手を取りつつもミスから追いつかれてしまう状況だったが、「試合の中でやるべきことをはっきりさせようと話した。準決勝は立て続けに失点したけど、今日はピッチの中で取り返す気持ちを出せた」とうまくチームをマネジメントして、勝利へと結びつけた。

 300人近い大所帯のびわこ大は、選手の主体性に重きを置く。そのため、主将の佐々木は「みんなが同じ方向を目指してやれるように」と働きかけてチーム作りをしている。多くの仲間と対話する日頃の行動は、6月の岡山学芸館高での教育実習でも生きたと話す。

 去年の総理大臣杯は1回戦敗退。ベンチから悔しい気持ちで試合を見つめた。今年は、「苦しい状況のとき、試合の中でもっと自分たちの強みを生かせる方法を考えて伝えたい」とプレーの選択肢と発信力を高めていく覚悟だ。佐々木の長所が仲間たちに波及していくことで、「誰かがいないと勝てないチームではなく、全員がリーダーシップ持ってやっていければ、もっと上に行ける」と願うチームへと成長していくに違いない。

(取材・文 蟹江恭代)
●第100回関西学生L特集

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