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[MOM808]関西大DF高橋直也(3年)_関西制したJ注目CB、G大阪ユース時代の師に決勝で“恩返し”

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関西大DF高橋直也(3年)

[7.17 第45回 第51回 関西学生サッカー選手権大会決勝戦 大阪学院大1-4関西大 ヤンマースタジアム長居]

 関西選手権の5試合で22得点と攻撃力が際立つ関西大にあって、守備ラインを引き締めているのが、高橋直也(3年=G大阪ユース)だ。闘志を前面に出すタイプではなく、前田雅文監督が「守備で相手に迷いを与えるクオリティの高さがある」と評価する頭脳派のCBだ。

 高橋は失点3に終わった今大会を、「無失点が一番いいけど、最悪1試合1失点で抑えるつもりだったので、平均では達成できたかな」と振り返る。準決勝、決勝はともにリードを許す展開となったが、「焦らず自分たちのサッカーをすれば絶対に取り返せる」と慌てることなく、しっかりと守備をコントロール。また、最終ラインから得点につながるプレーへのスイッチを入れる役割もこなしており、「自分は攻撃にストロングを出せる選手。ゲームの流れを作るパスが強み」と己の長所を挙げる。

 中学生までは攻撃的なポジションでプレーしていた高橋を、G大阪ユースでCBにコンバートしたのが、決勝戦の対戦相手、大阪学院大の實好礼忠監督だ。「攻撃で力を出せるタイプのCBはいない」と説明されたが、当初は悔しさしかなく、前でプレーできないならサッカーを辞めようとまで思っていたという。だが、實好監督は高橋に寄り添い、ユースのトップチームの試合で起用して、CBで自分の長所を発揮できる手応えをつかませた。

 實好監督は準決勝後に、「ユースのときに一緒にやっていた足立翼(4年=G大阪ユース)や高橋とやるのが楽しみです」と語っていたが、高橋も「ノリさんのおかげで、ここまでステップアップできました。対戦は本当に楽しみだったし、決勝でやれてうれしかった」と笑顔で話す。

「競り合いの強さをもっと出していきたい」と課題も口にするが、攻撃の選手だった経験を生かしての予測や相手の出しどころ、出どころを読む力は、誰にも負けたくないと力をこめる。すでにJ1チームへ練習参加して高評価も得ており、現在は「今年中にJ内定」が個人としての目標だ。

「関西1位で全国へ行こう」というチームの目標は達成できた。次は、もちろん日本一を目指す。「関東のレベル高いやつらを相手に、チームでも個人でも力を証明したい」と総理大臣杯でも、関西大のそして自らの価値を高めるサッカーで勝利をつかみとる。

(取材・文 蟹江恭代)
●第100回関西学生L特集

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