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転機は右SBへのコンバート…阪南大DF高田椋汰、来季は「監督、コーチの熱を感じた」秋田へ

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阪南大DF高田椋汰(4年)

「阪南あるあるですよね。無名の選手がJリーガーになるっていう」と阪南大・朴成基監督が笑顔で話したように、DF高田椋汰(4年=日章学園高/秋田内定)は、大学で成長を重ねてブラウブリッツ秋田への内定を勝ち取った。

「サッカー選手になる」という目標を叶えようと阪南大に進学。高校では1年生から公式戦に出場していたので、大学でもすぐに出られるんじゃないかという甘い考えはすぐに打ち砕かれた。「先輩も同級生もみんな上手くて、自分ってめちゃくちゃ下手だな」と思ったというが、朴監督が「伸びようとする気持ち、パーソナリティが何よりの魅力」と評価している姿勢で、コツコツとIリーグでプレーを磨いた。

 転機となったのは黒田雄司コーチによる右SBへのコンバートだ。高校、大学ではCBとしてプレーしてきたが、「この身長(173cm)なんでCBとしては厳しい。選択肢としてありだな。やってやろうと思った」とポジティブに取り組んだ。すると、21年10月のリーグ前期11節(延期分)桃山学院大戦で、スタメンに抜擢。力強い攻撃参加とタフな守備で、須佐徹太郎前監督の信頼を勝ち取ると、インカレでは全国の強豪相手に力を発揮して、準優勝に貢献。デンソーチャレンジの関西選抜にも選出された。

 今季は主将の工藤蒼生(4年=仙台ユース)が怪我で離脱しているため、副将の高田がキャプテンマークを巻いて試合に臨み、周囲への気配りや、声掛けなど、リーダーとしての自覚も身につけつつあり、責任感あるプレーでチームを引っ張っている。

 他のJチームからもオファーがあった中、秋田を選んだのは、「監督、コーチの熱を感じたし、ここだったら成長できると思えた。それが一番大きかった」と話す。対人守備の強さと、上下動して攻守に貢献できるという高田の持ち味は、秋田が求めているSBにピタリとはまっている。「ポゼッションサッカーよりも、そういうゴリゴリ行くチームのほうが自分に合っている」と決断した。

 秋田での心配は「雪」。宮崎出身で「北国は初めて。雪とか経験したことがない。どうなるんでしょうね」と不安ものぞかせている。

 大学の公式戦がない夏の間は、秋田に行く予定で、「がんばったらチャンスもあると思う」とJへの出場機会も狙う。経験を自信に変えて、ステップアップしてきた高田が、秋田でさらなるたくましさを身につけ、去年逃した日本一へ阪南大を導いていく。

(取材・文 蟹江恭代)
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