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[関東]静学、順大の黄金ラインで背番号10…塩浜遼「10番を背負う責任がある」

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FW塩浜遼

[10.17 関東大学L1部第18節 明治大2-1順天堂大]

 最下位と苦戦が続く順天堂大だが、背番号10が奮闘している。

 FW塩浜遼(4年=静岡学園高)は1点を先行されて迎えた前半19分、FW大森真吾(4年=東福岡高/札幌内定)が右サイドに展開したボールをDF後藤裕二(4年=矢板中央高)がダイレクトで折り返すと、ゴール前に滑り込んだ塩浜が押し込んで同点ゴールになった。

 塩浜は9日の国士舘大戦でも2ゴールを記録。孤軍奮闘をみせる中でも、やはり勝利に繋がらないもどかしさを一番に感じている。「自分は順大の10番を背負っていて、歴代をみても凄い選手が背負ってきた番号。チームがビリという状況は責任を感じる。チームを勝たせられるような活躍をしないといけない。もっともっとやらないといけないなと思っています」。

 背番号10へのこだわりがある。塩浜は中学校から静岡学園に在籍。名門でも背番号10を託されて、プレーしていた。大学進学後も前期リーグからメンバー入り。高校の先輩でもある旗手怜央が10番をつけていたこともあったが、それでも入学直後から11番を与えられるなど、大きな期待を寄せられてきた。

 そして最終学年、3年間を背番号11でプレーしていた塩浜だが、今季は満を持して10番を背負ってプレー。ただしここまでリーグ戦は8試合に出場して4ゴールを決めているが、チームはわずかに2勝を挙げたのみで最下位に沈んでしまっている。

 さらに騒がしさを増した雑音が、選手らのメンタルコントロールを難しくさせていることも事実としてある。順大サッカー部が大きな分岐点に立っていることを理解した上で、顔を上げて戦い続けるしかない。「自分たちは現状を受け止めて、サッカーだけに集中するだけです」。塩浜もすべては自分たち次第だと言い聞かせるように話す。

 卒業後の進路はまだ決まっていないが、これまでもJ1クラブの練習に参加するなど、Jの複数クラブが関心を持っている。静学、順大の黄金ラインを進んだ先輩のMF名古新太郎(鹿島)やMF長谷川竜也(横浜FC)は親身に相談に乗ってくれているという。

「中学から静学でプロに行った選手で一番思い浮かぶのは長谷川さん。自分も静学で10番を背負っていた責任がある。もちろん後輩たちの活躍も刺激になっています。そういう人たちの支えというか、自分の活躍が恩返しになると思うので、頑張りたいです」

 首位の明治大を相手に接戦を演じたように、結果は伴わなかったが、代行指揮を執る刀野真一コーチが「全くマイナスではないのかなと思います」と話したように、一定の手ごたえも持った様子。これが一番難しいことだが、あとはとにかく勝ちに繋げるだけだ。「個人の活躍がチームの勝利に繋げられると思っている」。そう話した塩浜も、「結果にこだわることでチームの勝利に繋がるし、個人のプロに繋がると思っているので、追及していきたい」と力を込めた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

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