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[関東2部]昨年度の高校サッカーを沸かせた大型CB丸山大和が大学リーグデビュー「堂々とやれた」

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DF丸山大和

[10.16 関東大学L2部第18節 東海大2-0日体大]

 試合は東海大が2点のリードを保って後半アディショナルタイムに突入。逃げ切りを図りたい東海大のベンチに首脳陣の声が響いた。「大和!」。その声を聞いた背番号24は慌ててビブスを脱ぐと、表情を引き締めながらピッチに入っていった。

 DF丸山大和(1年)は昨年度の青森山田高の主力CB。インターハイ決勝、そして高校選手権決勝でもゴールを決めるなどして、高校3冠へと導いていた。

 しかし東海大に進学してからは、入学直後から怪我に苦しめられた。練習中に右足第5中足骨を骨折。さらに右膝半月板も痛めてしまうなど、アクシデントが連続した。高校までは大きな怪我をしたことがなかったことも、不安を増長させた。

 ただ懸命にリハビリを進めると、中断明けの10月からリーグ戦でベンチ入り。公式戦は7月のアミノバイタルカップで1試合経験していたが、リーグ戦のデビューはこの日となっていた。

「入学してからここまでは、サッカーをやっている期間よりリハビリの方が長かった。だから少しの時間でも試合に出られたということは、監督やコーチに感謝したい。呼ばれた時はドキッとしましたが(笑)、信じて入れてくれたので自信を持ってやるだけでした。怖がらずに堂々とやれたかなと思います」

 高校の同期の活躍はもちろん耳に入っている。「刺激ですね。弟が今、小学4年生なんですけど、めちゃめちゃ(松木)玖生が好きで。毎試合、味スタや国立に観に行っている。俺もああいう舞台に立ちたいなと思います」。この日は同会場で行われた第2試合で明治大に進んだMF藤森颯太が出場していた。「スタメンで出ていて、刺激でしかないですね」。

 ただリハビリ同様に焦らずに、次はもっと長い時間、そして先発と、一歩ずつ前に進んでいきたい。まずはチーム内の信頼を得ること。「今季は上手く行かないことが多かった。でも残りのシーズンを含めて、ダメな時こそ自分と向き合いながら、ちゃんとやっていきたいです」。昨年度の高校サッカーを沸かせた大型CBの大学生活が、遅ればせながらスタートした。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

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