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[関東]崖っぷちも順天堂大は諦めない!裏天王山で半年ぶり白星!“4年生引退試合”でチームが発奮

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順天堂大がMF寺山翼のゴールなどで半年ぶりの勝利を挙げた

[10.29 関東大学L1部第20節 順天堂大3-2早稲田大 第一カッターフィールド]

 とにかく勝たなければもう望みはない。残り3節となったリーグ戦で最下位に沈む順天堂大が、同じ降格圏の早稲田大との“裏天王山”を3-2で制した。

 勝利は今年4月30日の流通経済大戦以来。半年ぶりとなる今季3勝目に主将MF寺山翼(4年=FC東京U-18/FC東京内定)も「勝たなきゃいけないという気持ちは誰よりも強かったと思うので、結果が出せて良かったです」と安堵した。

 相手のミスにつけこみ、一気に試合をひっくり返した。前半8分に先制点を奪われた試合だったが、同34分にFW名須川真光(1年=青森山田高)のシュートが相手GK平田周(4年=國學院久我山高)のキャッチミスを誘発。同点に追いつくと、同38分にはMF岩井琢朗(2年=東福岡高)が蹴った右CKを、MF金子遼太郎(2年=大津高)がファーで合わせて逆転に成功。1点リードで折り返した後半2分には、またも岩井が蹴ったセットプレーから寺山が頭で合わせて突き放すと、相手の反撃を1点にしのいで逃げ切った。

 勝つ喜びを思い出していた。23日に行われたインディペンデンスリーグ2部Fブロックの順天堂大対共栄大の一戦。同試合は今季のリーグ最終節で、必然的にトップチームに絡むことの出来ない4年生の“引退試合”になっていた。

 その試合に順大は2-0で勝利した。試合終了の笛が鳴るまで1分1秒を大切に、そして必死にボールを追いかける仲間の姿に、大いに刺激を受けた。「自分たちも応援に行っていて、勝つ喜びをセカンドチームが体現してくれた。目の前で見せてくれたことが今日の結果に繋がった。トップの選手もあの試合をみて、自分たちもやらないととなったと思います」(寺山)。

 満身創痍でもある。22日の拓大戦では、守備の要であるDF山崎大地(4年=広島ユース/広島内定)が相手との接触プレーで側副靭帯を損傷。今季中の復帰は絶望となった。またエースFW大森真吾(4年=東福岡高/札幌内定)もこの日は後半アディショナルタイムからの出場になったように、怪我により長期のブランクからなかなかコンディションを上げられずにいる。

 半年ぶりの勝利を挙げたとは言え、最下位を脱出したわけではない。負ければ即終わり。一戦一戦にトーナメント戦を戦う気持ちで挑みたい。「山崎がいないのは痛いけど、もともと毎試合総力戦になると思っている。負けられないという意味でトーナメントという言い方はいいと思うし、目の前の試合に勝つことが、自分たちが最大で出来ることだと思います」(寺山)。

 とにかく自分たちに出来ることをやり切るしかない。そう、試合終了の笛が鳴るまで、勝利だけを目指して必死にボールを追いかけるということ。奇跡と言われようが、何でもいい。諦めない気持ちを最後まで体現し続け、1部残留を掴み取るだけだ。

※11位の早大と12位の順大の順位に変動はないが、早大勝ち点14、順大勝ち点13で差は1に縮まった。順大とプレーオフ出場となる10位の駒澤大とは勝ち点差3。残留圏の9位の流通経済大との勝ち点差は4。ただし駒大は明日30日に国士舘大戦を、流経大は拓殖大戦を行う予定でいる。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

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