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[デンチャレ]京都にとって悲願の入団選手…立命館大2年生MF中野瑠馬「実力が伴う選手に」

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MF中野瑠馬(立命館大2年=京都U-18)

[3.4 デンチャレ決勝 関西選抜3-1東海選抜 ひたちなか市総合運動公園]

 前日3日に25シーズンからの京都サンガF.C.への入団内定は発表になったMF中野瑠馬(立命館大2年=京都U-18)は後半開始と同時にMF倍井謙(関西学院大3年=名古屋U-18/名古屋内定)に代わって途中出場。関西選抜の6年ぶりとなる優勝の瞬間のピッチに立った。

 京都にとっては、悲願の入団選手になる。2006年より京セラ、京都サンガF.C.、学校法人立命館が核となって推進する「スカラーアスリートプロジェクト」が開始。京都U-18に入団する選手のうち、学力水準を満たした選手を立命館宇治高に入学させ、立命館大への内部進学も可能となる規定を作った。学費や寮生活などについても、様々なサポート体制が取られている。

 そんな中野も高校時代、勉学も頑張っていたことで、内部進学に必要な学力水準をクリア。夏までトップ昇格の可能性を保留されていたというが、スムーズに大学進学に切り替えることが出来た。ただこれまでにも内部進学した選手はいたが、トップチームに戻った選手はいなかった。行くとなった時は不安になった」。中野も正直な思いがあったことを吐露する。

「でも逆に頑張ろうとも思えました。大学に入学した時にこのタイミングでサンガから声をかけてもらえると思っていなかったし、実際に戻れるとは思っていなかった。でも高校卒業するころに比べれば、プレーを選択する勇気などメンタル面が変わった。フィジカルの差もマシになったと思う。今の京都はアグレッシブでスピード感のあるサッカー。自分としても技術系よりも走ったりする方が得意なので、合っているのかなと思います」

 今年のチーム始動日にトップチームの初めて練習に参加。キャンプの帯同を経て、入団内定を勝ち取った。あっという間に決まったようだが、ユースの同期で高卒でトップ昇格、同じ名字で比較されることも多かったMF中野桂太が今季より徳島ヴォルティスに完全移籍。甘くない世界だということも痛感している。

 だからこそ、現状に甘んじることは出来ないと気を引き締める。「内定早い分、見られることは増えると思う。だからこそ実力が伴うように、もっとどこでも活躍できる選手にならないといけないなと思います」。特別指定選手登録も完了していることで、今季中のJリーグデビューも期待される。「高いレベルでやりたいなと思ったので、絡んでいけるようにしたい」。クラブ史に残るパイオニアとしての責任も感じながら、残りの大学生活を充実させる。

(取材・文 児玉幸洋)
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