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[MOM867]全日本大学選抜DF高木践(阪南大3年)_選抜で躍動する173cmDF、MVPヘッドで「ペッパーミルパフォ」

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.21 第21回大学日韓定期戦 全日本1-0全韓国 駒場]

 173cmDFが頭でボールを叩きつけた。後半8分、全日本大学選抜は、MF角昂志郎(筑波大2年=FC東京U-18)が左サイドから蹴ったCKにDF高木践(阪南大3年=阪南大高)が飛び込む。「マークがいなかったので、来たら叩きつけようと意識していました」。クロスバーをかすめたシュートはそのまま枠内に収まった。

 話題のパフォーマンスも飛び出した。ゴール後、高木を先頭にした一団は、右手と左手を掲げてコショウを引くポーズを披露。現在開催中の野球の世界大会、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を戦う日本代表内で定着した「ペッパーミルパフォーマンス」で、試合前に行われていた準決勝も選手みんなで見ていたという。「日本中に勇気を与えてくれていたので」。競技の垣根を超えた感動を、力に変えていたようだ。

 高木は昨年6月の日韓定期戦を戦った全日本大学選抜にも選出。しかしチームは5-0で快勝したものの、自身は出番なしと悔しさも残していた。「今日はピッチで貢献して、勝利したいと思っていた」。サッカー人生初のMVP獲得という最高の結果で存在感を改めて示した。

 Jクラブへのアピールにもなったはずだ。もともと注目度の高い選手で、これまでも複数クラブのキャンプや練習に参加。自身の現在地を確認するとともに、将来への距離感を計ってきた。決して高さに不安を持つわけではないが、ポジション変更についても柔軟に受け入れるつもりでいる。

「中学校の時からCBでずっとやってきたけど、これまでキャンプや練習参加させてもらった時はアンカーやサイドバック。CBは一度もやっていません。自分もプロで勝負するとなったらSBとかになるのかなと思う。でもDFとしてCBで培った球際の強さを、ほかのポジションでも出せたらいいかなと思っています」

 この日のCBの相方を務めたDF高橋直也(関西大3年=G大阪ユース/湘南内定)や隣の左SBでプレーしたDF岡田大和(福岡大3年=米子北高/札幌内定)は先日のルヴァンカップでJリーグのピッチを経験。高木も早くJリーグのピッチに立ちたい思いを強くしている。「自分自身も早くプロを決めて、強化指定を狙いつつ、今年から勝負の年だと思って頑張りたい」。先日のデンソーカップチャレンジで関西選抜を優勝に導いた決勝でのヘディング弾に続く2試合連続ゴールは、その未来に現実味を持たせている。

(取材・文 児玉幸洋)
●第37回デンソーカップチャレンジサッカー茨城大会特集

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